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社会人野球ヤマハ 世代交代進む投手陣は金原祥太&佐藤大善の東北福祉大出身コンビが猛アピール!

アットエス

金原投手(左)と佐藤大投手


社会人野球のヤマハは2月23日まで、静岡市の草薙球場でキャンプを行い、シーズン開幕に備えている。

2023年都市対抗大会準優勝、24年は出場したJABA3大会(静岡、京都、東北)全てで決勝進出を果たすなど、充実期を迎えているヤマハ。一方で、16年日本選手権優勝、23年都市対抗準優勝に貢献した主力の多くが昨季までに引退し、チームは世代交代を図っている。

中でも投手はフェリペ・ナテル(ソフトバンク4軍投手コーチ)、九谷青孝(現投手コーチ)、近藤卓也の3投手が抜けた穴は大きく、新戦力の台頭が必須。実績、経験のある佐藤廉、清水蓮の両投手に続く存在が不可欠だ。

昨季は継投が裏目に出て敗れた試合が目立っただけに、申原直樹監督が投手に期待するのは先発完投。中継ぎ陣にも長いイニングを担うよう求めている。九谷投手コーチは「佐藤廉と清水は順調。沢山(優介、掛川西高出身)には先発しかさせないつもり」と3人を軸として想定しつつ、新戦力の育成に力を注ぐ。

金原、佐藤大が名乗り

次のブレーク候補として名乗りを上げるのが4年目の右腕、金原祥太投手と3年目の左腕、佐藤大善投手の東北福祉大出身コンビ。申原監督は「2人とも取り組み、結果、ボールも成長している。あとは試合で野手からの信頼を得られるかどうか」と実戦経験を積ませて、大事な場面に送り出すつもりだ。

金原「右のエース目指す」

金原投手は投手リーダーを任され、「(ベテラン3投手の)穴は自分が埋める」と決意を口にする。「去年は中継ぎで、いい意味で使い勝手のいい選手を目指していたけれど、今年は右のエースを目指す。清水さんを抜かすくらいのつもりでやる」と志を高く掲げる。

ナテル前投手コーチから「継続できるのがいい選手」と助言され、体幹やウエートトレーニング、タオルを使ったシャドーピッチングやネットスローなど基礎練習に毎日、丁寧に取り組むようになった。

その成果で、リリースの位置がボール1個分ほどベース寄りになり、ベース板上の直球の強さ、打者の手元での伸びが増した。「最速は146キロ。球が速いわけじゃないけれど、直球の強さにこだわってきた。ツーシームを覚えて幅も広がったので、バッターにいろんなボールを意識してもらって嫌らしいピッチングができたら」と目論む。

九谷投手コーチは「金原は投手の中でも一番練習する。結果が出てほしいし、金原に結果が出れば、後輩の手本にもなる」と期待を寄せている。

佐藤大、日本選手権で得た自信

佐藤大投手は昨年11月の日本選手権で登板。東芝との2回戦で八回1死二、三塁のピンチに救援し、打者一人を三振に仕留めた。

昨季はけがで出遅れた間、自身の目指す投球スタイルについてじっくり考えた。「(ヤマハに)いいピッチャーが多い中で同じタイプが何人もいても目立たない。自分の取り柄は強いまっすぐ。それを磨いて自分のポジションを獲得しようと思った」

ウエートトレーニングで“土台”を鍛え、2年で8キロの増量に成功。最速は145キロから148キロに伸びた。「それまでは迷いがあって、(結果が)良くない時はやり方を変えたりしていたけれど、今は良くても悪くても一貫して同じことをやるようにしている。1年間ずっと、やることを変えずに継続して(日本選手権で)結果が出たので間違ってなかったと思えた」と自信を付けた。

188センチの恵まれた体格で大学時代は「和製ランディ・ジョンソン」の異名を取った佐藤大投手。「今年でしっかり(主力に)定着したい。大事なイニング、ピンチでのワンポイント、ロングリリーフとどんな場面でもいくつもり」と意欲的だ。

大本新主将「大事な場面で一丸に」

エース佐藤廉投手(左)と会話する大本主将


今季から主将を担う大本拓海捕手(掛川西高出身)は「ヤマハらしく、明るく活気があるチームにしたい。一人一人が自立しつつ、大事な場面で自然と一丸となる、そんな常勝チームを目指したい」と話す。

都市対抗優勝が最大の目標であることは変わらないが、まずは東海地区2次予選(6月5日開幕)に照準を合わせる。近年のヤマハは都市対抗本大会に6年連続出場。東海地区2次予選の第1代表を4回、第2、第3代表を1回ずつと、強豪ぞろいの東海地区で圧倒的な成績を残している。

予選敗退を経験した選手は少なくなったが、予選の厳しさ、難しさは経験者全員が認識している。大本主将は「去年は第1代表だったけれど、楽な試合は一つもなかった。その中でどうやって勝ちを拾っていけるかが勝負になる。自分自身、先輩ピッチャーに助けてもらってきたので、今度は自分が、ピッチャーが思い切って力を発揮できるようにしていきたい」と援護を約束した。
(編集局ニュースセンター 結城啓子)
【こぼれ話】野手はドラフト2位でロッテ入りした宮崎竜成内野手や、精神的支柱だった川邉健司前主将らが抜けたものの、選手層が厚く、戦力は充実しています。2年連続ベストナインの網谷圭将外野手ら中堅を軸に、今秋のドラフト候補に上がる西村進之介外野手ら若手も力を付けています。申原監督は「みんないいので(誰を使うか)悩むところ」と話していました。22日午後12時半から、草薙球場で「くふうハヤテ」とのオープン戦が予定されています。スタメンを争う激しいアピール合戦が繰り広げられそうです。

2年連続ベストナインの網谷外野手

ヤマハ野手陣

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