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ガチャガチャで買えるミニチュア版「地球の歩き方」は実際の観光に有用なのか? 京都へ持って行って検証してみた!!

ロケットニュース24

旅行者のバイブル『地球の歩き方』。コロナ禍を経て日本国内、果ては異世界雑誌『ムー』や『水曜どうでしょう』といったチャレンジングなガイドで私たちを楽しませてくれている。

そんな地球の歩き方がミニチュア版のカプセルトイになったのは、以前の記事でお伝えした通り。

──と、ここで気になったのは筆者だけじゃないだろう。あの超ミニチュアガイドブックって、実際の旅行で使えるんだろうか?

・地球の歩き方「京都」

まずは地球の歩き方のカプセルトイをゲットするところから始めよう。

今回まわしたのは、ミニチュア版地球の歩き方の第4弾。台湾・ロンドン・オーストラリア・京都の4種類のどれかが当たる、1回500円のガチャだ。

もちろん狙うは京都。海外だと検証しにくいからね!

「お目当てまで何回ぐらい引けばいいんだろう?」なんて不安半分、ワクワク半分で試してみたところ……

まさかの初回で当たり!

普段は様々なガチャでコンプリートできないクジ運の悪さを持つ筆者だが、1回勝負には強いのかもしれないね。

自宅に帰って現物チェック。

聞いていた通りフルカラーで約130ページ&細かい文字までほぼ潰れずに印刷されているので、頑張って読めば使えなくはなさそう。

それでも小ささのあまり連続して読むには集中力が足りなかったため、ダイソーにて拡大鏡などを購入。

これが大正解。税込でたった110円の拡大鏡がエース級の活躍をして、極端に小さく潰れた文字以外は楽勝で読み進められるようになった。

蛍光マーカーと細いふせんを使って気になるスポットに印を付け、日帰り旅行の計画はバッチリ

というか そもそも国内版の地球の歩き方は初めて読んだんだけど、掲載された半分以上のスポットが気になるという打率の良さに驚かされた。

ここのところGoogleマップや口コミサイトを利用して旅行の計画を立てがちだったのだが、時間をかけて調べてもピンと来る情報ってなかなか見つからない。

やっぱりプロが足で稼いだ情報ってめちゃくちゃ有益なんだな。

──と、今の段階で「ミニチュア版地球の歩き方で観光計画を立てる検証」は成功とも言えるのだが、せっかくだから実行してみよう。

いざ、京都に出発っ!

・老舗の和菓子でほっこり

今回立てた計画では「老舗の和菓子 → 歴史ある建築物 → お土産物探し → 立ち飲みで一杯 → 抹茶スイーツで締め」という順番で京都市内をめぐる予定だ。我ながら完璧な計画っ……!

まずやって来たのは地下鉄二条城前駅。

目指すは明治8年創業の『鳴海餅本店』だ。

さすがに地球の歩き方だけでは道のりがわからなかったので、駅からお店まではGoogleマップを利用し5分ほどで到着。

残念ながら狙っていた『赤飯万寿』は見つからなかったのだが、店内で焼かれたみたらし団子練り切りを購入。

みたらし団子の香ばしさと甘じょっぱさや 練りきりの上品な甘みは絶妙な味で、「さすが老舗のお菓子!」と言いたくなるような美味しさ。

近所の方もお餅やお団子を買いに来ている様子で、京都の日常を覗き見られたような嬉しさもある。

また、鳴海餅本店のすぐ隣には風情ある堀川商店街も延びている。

小説『有頂天家族』を読んで京都の街に憧れている筆者にとっては「こんな雰囲気の場所に赤玉先生は住んでいたのかな?」なんて、作品の世界観に紛れ込めだような時間であった。

・重要文化財の旧庁舎

続いては歴史的な建築物。

明治37年竣工(しゅんこう)と現役の官公庁建物としては最古で、国の重要文化財にも指定されている『京都府庁 旧本館』へと向かった。

見学の決め手は、鳴海餅本店から近くルート的に都合のよい場所にあること。狙い通り徒歩10分ほどで到着した。

ところが嬉しい誤算だったのが、“庁舎” という響きから想像できないほどに見どころがあったことだ。

入ってすぐの階段と踊り場の装飾や、

中庭を囲んでロの字にぐるっとめぐらされた廊下と階段、

旧知事室の照明や暖炉など、美しく丁寧なしつらえに一瞬で心を奪われた。

決してゴージャスというわけではないのだが、手すりやタイルひとつとっても質の良さそうな材が使われ 細かい装飾が施された様子は、現代のビジネスライクな庁舎とはまったく雰囲気が異なる。

2014年に修復された旧議会もおごそかで美しく、一見の価値がある。

さらに驚いたのが、これらの建物は結婚式の前撮りや私的な作品制作といった写真撮影の場としても利用できるということ。

撮影利用の場合は施設使用料を支払う必要があるのだが、京都府のWebサイトを確認するとわかるように、文化的な価値に対してかなり良心的な価格で使用できる設定である。

「映える」なんてライトな言葉では言い表せないほどの作品ができることは間違いないので、結婚を控えた方やコスプレイヤーの皆さんは要チェックだ。

・お土産探しのはずが…

京都府庁旧本館を出たら京阪電車に乗り、七条駅で降りた。

目指すはオリジナルの和風小物を取り扱うお店『裏具(うらぐ)』。七条駅からは徒歩10分ほどでたどり着くはずだったのだが……ここで予想外の事件が起きた。

裏具をGoogleマップで検索すると、「閉業」と表示されたのである。

いくらガイドブックの情報が最新ではないと言っても、今回手に入れた地球の歩き方は2023~2024年の最新版。まさか閉まっていることなんてないだろう、なんて思いながら向かったところ、

うわぁ、場所は合っているはずなのに全然違う店になっとるやんけ!!!!

Googleマップの 「閉業」に間違いはなかった。さすがインターネット、最新情報は君たちの得意分野だもんな。

──新しくできていたフルーツタルト屋さんも美味しそうだったのだが、このあと抹茶スイーツを控えていたためパスをさせてもらうことにした。

サイズに関係なく、紙のガイドブックを使用する以上は避けられないトラブルである。紙とWeb、両方のメリットを活かしながら計画を立てるのがベストなんだろうね。

・クラフトビールで乾杯

時間がなくなってきたので駆け足で進もう。

続いては自家醸造のクラフトビールを味わえる隠れ家的バー『Kyoto Beer Lab(きょうとビアラボ)』へ、急ぎめ15分ほどで向かった。

ここでは10種類ほどのオリジナルビールが楽しめ、中でもお茶を使った京都らしい『かぶせ茶ホワイトエール』がオススメとして載っていた。

プロのオススメに素直に従ってオーダーし、一杯グッと飲むと……

クワァ~ッ、旨ぇっ!

控えめな酸味がある爽やかなテイストの中を探ると、ほんのりお茶の甘みがあるような気がする。香りがよくて飲み口が軽く、クイッと呑めちゃうのだ。

ここまで歩き通しだったこともあり、疲労感からかビールが心地よく身体に染みわたっていくのがわかる。これだよ、これ!

一気にホロ酔って調子に乗ってしまった筆者は、続けざまに2杯目『XXX(トリプルエックス)』をオーダー

醸造担当が好き放題作ったのだそうで、アルコール度数が10%という掟破りなビール。ホップがキツく効いていて、刺激的でこれまた旨い。

訪問時のメニューはこんな感じで、ビールの宣伝コメントがどれも魅力的なのだ。

こんなお店、近所にあったら幸せなんだろうなぁ。もっと時間があれば、もっとお酒に強ければ全部制覇しちゃうのに……!

・抹茶スイーツで旅を締めよう

すっかりゴキゲンになった筆者は京阪祇園四条駅を利用、スキップをしそうな衝動を抑えてなるべく静かに祇園の街へと入った。

正直に告白すると、祇園にはなんとなく苦手意識がある。あまりにも敷居が高いのだ。

しかし地球の歩き方に掲載された店なら多少緊張感は緩和されるはず。

……そんな思いで最後のスポットとして選んだのが、抹茶スイーツで有名な『甘味どころ ぎをん 小森』

風情のある店構えや、温かみのある照明で照らされたお座敷。お客さんは観光客が多いようで、海外の方と日本の方が半々ぐらいに見えた。

幸運にも待ち時間なくオーダーまで進むことができ、10分ほどで席にやって来た『抹茶ババロアパフェ』がこちら。

抹茶アイス、抹茶ババロア、抹茶ゼリー、あずき、白玉などが贅沢に入っていて濃厚なお味。

特に抹茶ババロアの滑らかさとくちどけが素晴らしく、お店の雰囲気と相まって「京都に来たぁ~~~っ」という喜びと実感を噛みしめたほど。

自分でお店を探していては、きっと苦手意識から祇園へと足を運ぶことはなかっただろう。地球の歩き方様様だよ……!

・ミニチュアでも使えたけど…

ということで 実際に1日観光をしてみての結論、「ミニチュア版 地球の歩き方は観光の計画を立てるのに有用」です!

ただし文字が潰れて読めないところはあるし、

出先で読み返す際に拡大鏡が手放せないのも地味に面倒くさかった。

なにより本家 地球の歩き方と比較すると、大幅にページが削られている(3分の1ぐらい)のは痛いところ。

端折(はしょ)った冊子であれだけ役に立つんだから、実物を読めば観光マスターになれちゃうんじゃないかしら。ミニチュアで満足しちゃうのは勿体ないよね。

ってことで、結局のところミニチュア版はコレクションアイテムとして、通常版こそを観光のお供にするのがベストなのだろう。

「検証しなくてもわかるだろ!」と言われちゃいそうなほど当たり前の結論だが、どんなにわかりきったことであっても試すのがジャーナリズムなのだ。

──そう自分に言い聞かせつつ、この記事を締めさせてもらおう。読者の皆さまもよい旅を!

参考リンク:地球の歩き方、京都府庁旧本館の写真等撮影利用について
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

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