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アリアナ・グランデがマドンナに変身!新曲は90年代ハウスミュージックへの回帰?

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2024年01月12日 アリアナ・グランデのシングル「yes, and?」発売日

2010年代後半以降に台頭してきた多くのディーヴァたちが百花繚乱の様相


世界の大衆音楽、特に米ビルボードのヒットチャートでの “ソロシンガー戦線図” において、明らかな女性上位の構図が見られるようになって久しい。ブリトニー・スピアーズとクリスティーナ・アギレラがブレイクした1999年あたりから激化の兆候が見られ、2004年にデビューしたリアーナなどがシーンに登場してきてさらに群雄割拠の様相を呈してきた。かれこれここ約20年くらい顕著な現象といえるだろうか。

2010年代以降は、テイラー・スウィフト、アデルを筆頭に、リアーナ、ニッキー・ミナージュ、ケイティ・ペリー、ビヨンセといった、シーンを形成するトップ軍団を中心に、2010年代後半以降に台頭してきた多くのディーヴァたちが百花繚乱の様相を作り出している。そんなトップ軍団に堂々と参戦しているのが、今年2024年に女優デビュー16周年、歌手デビュー13周年を迎えるアリアナ・グランデだ。

ビルボードのシングルチャート初登場1位を記録した「yes and?」


既にベテランの域に達しつつあるアリアナの新曲「yes and?」がビルボードのシングルチャート『Hot 100』にて初登場1位を記録。アリアナの全米ナンバーワンは、これで8曲目となり、紛れもなくトップ軍団の仲間入りを果たしている。

1993年6月生まれ、今年2024年には31歳となるアメリカの女優 / シンガー。2008年に女優としてデビューし、2011年には歌手デビュー。2013年に満を持したデビューアルバム『ユアーズ・トゥルーリー』をリリースして以来、コンスタントなシングルヒットを残してきている。

アリアナが生まれたころの大スターといえばマライア・キャリー、ものごころついた頃は「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(アリアナが12歳になる頃)で大復活を遂げていた。歌手アリアナの初期作品に関しては、明らかにマライア・キャリーのフォロワー的なスタンスだった。

しかも1990年代終盤から2000年代にかけてのマライアは、デビューからおよそ10年を経て名実ともにトップ・ディーヴァの位置に鎮座していたころ。ティーンエイジャーのアリアナにとっては、最もまぶしく輝く存在だったのがマライア・キャリーだったのだろう、自他ともに認める “マライア歌唱” のフォロワーを堂々と広言するかのように、アリアナは歌手としての地位を確立していく。

ポップアイコンの頂点を虎視眈々と狙っていたアリアナ・グランデ


このようにポップアイコンたる(特に女性)シンガーが、時代を象徴するトレンドセッターという立ち位置をキープするために、旬なアーティストのフォロワー的スタンスとコンテンポラリーなサウンドを衒い(てらい)なく採り入れていく手法は、大衆音楽の歴史において常套手段。

初期のころはマライアのフォロワーだったアリアナは、ポップアイコンの頂点を虎視眈々と狙いながら、そのフォロワーたるロックオンの相手を時代の流れを見ながら変えていく。「プロブレムズ」、「ブレイク・フリー」等でメガヒットを生み出した頃(2014年〜)は、一時期のリアーナを想定したかのようなEDM風エレポップにアプローチ。

初の全米ナンバーワンとなった「サンキュー、ネクスト」以降の頃(2018年〜)は、同時期のテイラー・スウィフトを彷彿とさせるトラップ・ヒップホップから影響を受けたちょっとダークでミニマルなトラックに腐心。混沌の時代に突入してきた2020年代以降は、ジャスティン・ビーバー、レディー・ガガ、ドージャ・キャット&ミーガン・ジー・スタリオン、ザ・ウィークエンド(リミックス)らとコラボを敢行、全米1位級のメガヒットを連発していた。

アリアナがアプローチしたマドンナ「ヴォーグ」の世界観


そして2024年に入ってアリアナは、およそ3年ぶりとなる新曲「yes and?」を発表した。先述の通り、見事初登場1位を獲得した当曲のMVは、1980年代終盤から1990年代前半にかけて大ヒットを連発したポーラ・アブドゥル「コールド・ハーテッド」(1989年全米1位)のビデオをそのまま再現したことで話題となっている。

しかしMV以上に衝撃的だったのは、そのサウンド!ここ10年くらいでもジェイソン・デルーロ、エラ・メイ、ビヨンセらがアプローチしていた “90年代回帰” の気運、その決定打はこの曲!と高らかに宣言するかのような “90年代ハウス” なのだ。1980年代半ばからメインストリームに出てきたハウスミュージックは、マドンナ「ヴォーグ」やクリスタル・ウォーターズ「ジプシー・ウーマン」、はたまたロビンS「ショウ・ミー・ラヴ」等の世界的ヒットをきっかけのひとつとして、1990年代におけるダンスミュージック・シーンのメインストリームとなっていた。

まさしくアリアナがアプローチしたサウンドの世界観は、マドンナ「ヴォーグ」(1990年全米ナンバーワン)!そう「イエス、アンド?」は、「ヴォーグ」を換骨奪胎したかのような“90年代ハウス” の愚直な再現なのだ。これはもうアリアナが現行の旬なアーティストから、“クイーン・オブ・ポップ” あるいは “クイーン・オブ・ダンス” たるマドンナにロックオンした瞬間なのか。「イエス、アンド?」が初登場1位となったのは、アリアナ・グランデが擁するアーティスト・パワーの大きさが主要因であろうから、“すわ!90年代回帰” と声高に宣言するのはまだ時期尚早なのかもしれない。

しかし、時代のポップアイコンのトップ軍団に属するアリアナが、このようなアプローチで全米1位を獲得したことの意味合いは大きい。2024年中には新アルバム、その前にはおそらく数枚の新曲をリリースするであろうアリアナ・グランデ、現行のトップ・ディーヴァの交代劇が年内に繰り広げられるのか…。興奮必至の女性ソロシンガー戦線から一瞬たりとも目が離せない。

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