大島でしかできない5のこと
「東京都」でありながら、伊豆諸島独自の風土や文化に驚かされる「大島」。三原山の火口を一周する「お鉢巡り」やダイビング、東京砂漠でのバギーなど、ジオパークならではのアクティビティも満載だ。ロードレースも開催され、サイクリングコースとしても人気が高い。
調布飛行場から25分のフライト、竹芝桟橋から高速船で2時間前後というアクセスの良さも魅力だ。
地層切断面を自転車で駆け抜ける。
千波地層線断面
島の中心地、元町から南下すると、高さ約24メートル、長さ630メートルの圧倒的スケールの地層断面がいきなり目に飛び込んでくる。縞模様は、通称「バームクーヘン」と呼ばれる地層大切断面。太古より噴火を繰り返し、堆積した火山灰が重なった様子は、芸術的といえる。
この絶景をサイクリングしながら眺めるのもいいだろう。大島1周の約48キロはサイクリストに人気のコースでもあり、様々なロードレースも開催されている。
夕日に照らされ、黄金色に輝く千波地層線断面を疾走するのは、感動的だ。
三原山をトレッキングで巡る。
三原山
大島には世界最大級の活火山「三原山」が、島の中央にそびえている。最後の噴火は1986年。幾重もの黒い溶岩流に囲まれ、熱帯植物が繁る様子はハワイ島を連想させる。
多くの登山愛好家を魅了するトレッキングコースであり、中でも噴火口を覗き込める「お鉢巡り」が人気を集めている。どこかの惑星のように原始的な黒い砂や岩で覆われた「裏砂漠」地帯もあり、寝そべって大地の鼓動を感じる人の姿もある。晴れた日には山頂から富士山も見渡せ、爽快だ。
べっこう寿司をつまむ。
寿し光
郷土料理が味わえる「海鮮茶屋 寿し光」。大島の地魚や食材を仕入れ、島ならではのさまざまなメニューを提供している。
中でも人気なのが、主に白身魚を、辛みの強い島トウガラシを入れた唐辛子醤油に漬け込んだ「べっこう寿司」。カメのべっこうのように艶やかに輝いているのが、名前の由来である。
離島という環境ゆえの保存食であり、ピリリとした辛さと、酢飯の程よい甘さとのバランスが絶妙だ。
島内には「寿し光」「つばき寿司」「港鮨」などの名店も多い。寿司専門店だけでなく、食堂でも気軽に注文でき、味は各店でそれぞれ違うので、食べ比べてみるのもいいだろう。
たい焼きカフェでくつろぐ。
たい焼きカフェ&ゲストハウス 島京梵天
伊豆大島の南端にある波浮港は、川端康成の小説「伊豆の踊子」の主人公の出身地として知られる小さな港。その港からほど近い場所にある「たい焼きカフェ&ゲストハウス 島京梵天」は、東京諸島で唯一のたい焼きカフェだ。
あんがしっぽまでしっかり詰まったたい焼きは、クリスピーな羽根つき。島ならではのアシタバを使った生地のたい焼きなどもある。2006年、島に移住した店主が整え、昭和から続いてきた元商店を心地よいカフェ空間に仕上げた。
イベントなども開催され、暮らすように滞在できる一棟貸しの宿でもある。
水平線を眺めながらデトックスする。
大島温泉 元町浜の湯
大島には心も体もほぐれる島温泉もある。公共の温泉露天風呂「大島温泉 元町浜の湯」は、フェリーが発着する元町港から徒歩で3分ほど。まずはさっぱりしてから旅を始めるのもいいだろう。
屋根も壁もなく、遮るものが何もない開放的な露天風呂で、背後には三原山、正面には伊豆半島が浮かぶ青い海が見渡せる。
入浴料は300円、70歳以上・中学生以下150円(いずれも税込み)。水着着用の男女混浴なので、水平線に沈む夕日をみんなで眺められるのが楽しい。内湯はなく、入浴前後には更衣室のシャワーを浴びるシステムだ。
※年中無休だが、天候によって休業・時間短縮がある