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200年経っても変わらない「対話することの大切さ」。アキラとユウグレがどんな愛を見つけるのか見届けてほしいーー『永久のユウグレ』梅田修一朗さん&石川由依さんインタビュー|第0話・第1話の印象的なシーンや収録時の思い出も語る

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年9月25日より毎週木曜24:26~MBS/TBS系28局「スーパーアニメイズムTURBO」枠にて放送中のTVアニメ『永久のユウグレ』。

文化や価値観が現代から大きく変わった200年後の世界を舞台に、コールドスリープから目覚めた主人公・姫神アキラと、彼の最愛の人「王真樹トワサ」になぜかそっくりなアンドロイド・ユウグレの旅を描いた、P.A.Worksによるオリジナル作品となっています。

アキラとトワサの甘酸っぱいやり取りとそんな日常の“終わり”が描かれた第0話、200年後の未来でアキラとユウグレが出会った第1話の放送を終え、いよいよ二人のトワサ探しの旅が始まることを記念し、アキラ役の梅田修一朗さんと、ユウグレ役の石川由依さんにインタビューを実施!

物語とキャラクターの魅力、お互いのお芝居を聴いて感じたこと、第0話・第1話の印象的なシーンや収録時の思い出などを語っていただきました。

【写真】『永久のユウグレ』梅田修一朗&石川由依が第0話・第1話を振り返る【インタビュー】

人と人の関わりや、さまざまな愛の形が描かれる、観た人の価値観が問われる作品

ーー本作の資料やシナリオを読んだ際の第一印象と、魅力を感じた点をお聞かせください。

梅田修一朗さん(以下、梅田):まずオリジナル作品と聞いてワクワクしました。自分自身、今までいろんなアニメを観てきた中で、オリジナル作品というのは、毎話何が起こるか分からない期待感が好きだったので、「この作品に関われたらきっと自分もキャストとして毎話楽しみになるだろうな、出たいな」と思いました。

オーディション原稿に、アキラがトワサに対して真っすぐな想いを持っていることや、ユウグレとの対話シーンなどが書かれていて、SF作品でありながら、人と人の関わりを大事にしている作品なのかな、というのが作品の第一印象でした。

石川由依さん(以下、石川):私はユウグレだけではなく、他のキャラクターも受けていたのですが、オーディションの原稿の時点でかなり感情を出すシーンもあって、演じがいがありそうだと思いました。

実際にシナリオを読んだときは、200年後の未来の世界のお話でありながら、AIのことや、さまざまな愛の形などが描かれていて、これから私たちが考えていかなきゃいけないものが題材になっている、すごく価値観が問われる作品だなと思いました。

ーーご自身が演じるキャラクターの印象や、魅力を教えてください。

梅田:アキラの第一印象は、見た目からスポーティーというか、肉体派な印象だったんですが、収録を進めていく中で、運動はもちろん、勉強(研究)や家事など、なんでもできるなと。トワサという大きな原動力があって、何に対しても真っすぐ頑張れる人なんだなと思いました。彼にとってはそれが当たり前なのかもしれないですが、(普通の人は)なかなか持てないその真っすぐさ、一途さが魅力に感じました。

ーー演じていく中で、アキラの成長を感じた部分などはありましたか?

梅田:成長とは少し違うかもしれませんが……200年後の世界でいろんなことを知って、受け入れていったり、謎が明かされる中で、彼の芯の部分、トワサへの想いが変わらないところがすごいなと。ピンチのときも「トワサを知る手掛かりになるかも」とか「まだ何かあるはず」と、諦めずに力を持ち続けられるのが、彼のすごさだと思います。

石川:ユウグレはアキラ同様にとても真っすぐで、とにかく想いをストレートに伝えるんですが、アンドロイドだからこそ、人間の揺れ動く気持ちが少し分からないところもあって。アキラがトワサに想いを寄せていることは分かりつつ、でも自分のことも見てほしいという健気さが可愛いらしいなと思いました。

食べるのが好きだったり、なぜか酔っぱらう機能があったりと、アンドロイドなのに“人間らしさ”があるのも面白くて(笑)。こんなに可愛らしい見た目なのに、めちゃめちゃ強いですし、いろいろなギャップが魅力だと思います。

ーーオーディション時と実際のアフレコ時で印象が変わった部分などはありましたか?

石川:梅田くんは先々のネタバレなしで毎回収録をしていたんですが、他のキャストは全部のシナリオを最初に読ませていただいて。「なぜユウグレがここまで結婚にこだわるのか」といった、オーディションのときはまだわからなかった部分を知ったことで、より彼女が愛おしく感じました。

石川さんの「知識先行で喋る」“アンドロイド感”に脱帽。梅田さんは実直さ、真面目さがアキラにそっくり

ーー梅田さんのみネタバレなしだったというのは、スタッフ陣の指示だったんでしょうか?

梅田:実はけっこう偶然でした。というのも、収録前に音響監督の吉田(光平)さんと別の現場でお会いしたときに、(『永久のユウグレ』のシナリオを読むのは)「半分くらいまでのほうがいいかも」と言われて(笑)。作中でアキラは何も知らないところからスタートして、トワサの消息を追う中でいろいろ知っていくので、(役者も)最初は知らないほうがいいかもしれないということで。好きなほうを選んでいいと言われたので、「知らない方向で臨んでみます!」と返答したら、いざアフレコが始まって、他のキャストに物語の説明をするときに「じゃあ梅田、ちょっと出てって」と(笑)。

石川:主人公なのに(笑)。

梅田:毎回イジっていただいて(笑)。

ーーこれまでにそういったアプローチを取られたことは?

梅田:あまりないですね。原作がある作品なら、アフレコが始まるまでに原作を読んで深堀りして、「自分がこのキャラクターに対してどういう印象を持ったか」とか、「なんでそういう印象を持ったんだろう?」という作業をするのですが、今回は本当にアキラと同じ立場だったというか。難しさもありますが、毎回新鮮な気持ちで臨めました。

ーー続いて、ユウグレのお芝居について、「トワサに似ている」という設定がありますが、そこは意識されたのでしょうか? また、人間らしさ・アンドロイドらしさのバランスの調整はどのようにしたのでしょうか?

石川:まず、「トワサに似せる」というのはまったく意識しませんでした。あくまで見た目が似ているだけで、「性格などが似ている」といったことではないので、ユウグレとして役作りをしていきました。

基本的に人間として演じるようにしつつ、気持ちとしてはアキラと喋っていても言われたことがすべて理解できるわけではなかったり、ちょっと一方通行になってしまいがちだったりと、感情を出しているけれど、人間の複雑な機微よりはちょっと薄いというか、自分の中で一枚フィルターが入っているようなつもりで演じていました。感情的になりつつもどこか俯瞰的に見ている部分があったりとか、一歩いき過ぎない感じを意識しました。

ーーお互いのお芝居を聴いて感じたことをお聞かせください。

梅田:今のお話にそのまま繋がるんですが、ゆっしーさんの……あっ、現場でみんなであだ名を付けていて(笑)。ゆっしーさんとお呼びしています。

ゆっしーさんの“アンドロイド感”という部分で、今回ご一緒してすごいなと感じたのは、アンドロイドであるがゆえに「知識先行で喋る」という表現をされていて。例えば「好きです」と言ったときに、好きという言葉とそこに付く感情は理解しているけど、それが自分の中から湧き上がるというよりは、それを理解しようとしながら言っている、みたいな感じがすごく魅力的でした。それが健気に感じるときもあれば、バイオレンスに感じるときもあって(笑)。そのパワー全開で来る感じ、アンバランスさもユウグレの魅力だと思いました。

石川:アキラはすごく器用で何でもできるからこそ、うまくいかないというか、自分の気持ちを伝えているけどうまく伝わりきらなくて、振り回されて……という印象があります。できる人間なのに可愛らしい部分だったり、人間味があるところが魅力的だと思いました。そんなアキラを演じるうめたん(梅田さんのあだ名)もすごくキャラクターに似ているなと(笑)。先ほど話したようにみんなからイジられたりとか。

梅田:本当に皆さんによくしていただいて(笑)。特に(ヨクラータ役の)阿座上(洋平)さんにめちゃめちゃイジられました。

石川:その感じがすごく現場を和やかにしてくれていたし、うめたんの何度もトライしたりする、その実直さ、真面目さがアキラらしくもあって。うめたんだからこそ、アキラの真っすぐな部分がより出ていたと思います。

第0話の収録でアキラのことがより好きになった梅田さん。第1話で石川さんが意識したのは“ギャップ”

ーー第0話で印象に残っているシーンや、収録時の思い出などをお聞かせください。ユウグレは登場前ですので、こちらは梅田さんにお願いいたします。

梅田:やっぱりアキラがトワサに告白というか、プロポーズみたいなことをするところですね。アキラがトワサをどれだけ大事に思っているかが伝わってきましたし、どれだけ相手のことが好きだったとしても、ここまで真っすぐ伝えられる人ってなかなかいないよなと。アキラのことがより好きになりましたし、尊敬しました。

そんなことを思っていたら、ラストにあんな事件が起こってしまって、「あんまりだよ~」と思いました(笑)。日常が終わって、でも物語としてはそこから始まるということで、視聴者としては1話目からすごく心が揺さぶられるなと。僕もアキラと同じくらい、アキラがトワサと過ごす時間を大事に思って収録に臨んだので、それが1話にして全部なくなってしまうのはなかなか喪失感がありました。

印象的なシーンというと、トワサの一つ一つのシーンがすごく魅力的に映りましたし、アキラが頑張っているところも等身大でいいなと思いました。あとはアキラがトワサにプレゼントしたAIペットの「ダヴー」の声を担当させてもらったことも思い出深いです。

ーートワサを演じる茅野愛衣さんのお芝居を聴いて、すごいなと思ったことを教えてください。

梅田:年齢相応の女の子でありながら、すごく人並外れた知識、能力を持っているというのが、日常会話の端々から感じられる、茅野さんの表現がすごいなと思いました。アキラと同じ気持ちになったというか、自然と憧れてしまうカリスマ性がお芝居から感じられました。

ーー続いて、第1話で印象に残っているシーンや、収録時の思い出などをお聞かせください。こちらは石川さんにお願いいたします。

石川:まず、第0話とのギャップがすごいなと(笑)。「アキラとトワサの恋愛がこれから始まるのか? 胸キュンラブストーリーか~?」みたいなお話だったのが、いきなり200年後に飛んで、なぜか荒廃した世界が広がっていて、でも地名は知っているものだったりして。全然状況が分からない中で、でも知っているものもあるワクワク感、「これから何が起きるんだろう?」というドキドキ感がすごく面白いなと思いました。

また、濃いキャラクターがたくさん出てきて。特にカニス管理官は怖い存在でありつつ、ちょっと見ていると笑ってしまうようなキャラクターでもあって、すごく印象深いです。

ユウグレの戦闘シーンの迫力に圧倒されましたし、かと思いきや一番最後はすごく可愛らしくアキラに求婚するという、けっこう気持ちがジェットコースターというか、面白いストーリーの入りになっているなと思いました。

ーー第1話の収録で苦労したことはありましたか?

石川:強さが圧倒的なこともあって、戦闘シーンの声を入れなかったので、実は第1話のユウグレはそんなに喋っていないんです(笑)。なので、まだ収録で苦労することはなかったのですが、カニス管理官に対して割と冷酷に喋っているところと、最後のアキラへの求婚でのギャップの部分は意識して演じました。

あとは、アキラに対して最初からグイグイいきつつも、まだ距離感を測っていたりする部分もあるので、ディレクションをいただきながら、最初はちょっと控えめで、徐々により人間らしく、感情豊かになっていく、ということを意識していました。

ーー第2話からいよいよ本格的にアキラとユウグレの旅が始まります。最後に、本作の見どころを教えてください。

梅田:本作は200年後の世界を描いたSF作品ですが、そんな中でアキラたちはすごく人と人の距離が近い関わり合い方をしていきます。SFの要素や、新しい形の群像劇・ラブストーリー、そして誰もが心躍るユウグレの戦闘シーンなど、いろいろな要素を楽しんでもらえる作品になっていると思います。

石川:トワサを探す旅の中で、出会った人からいろんな愛の形を知っていく、ユウグレ目線で言うと自分の真実の愛とはどういうものなのか、出会った人たちを通して探していく物語になっています。自分の中で当たり前だと思っていたものが、他の人にとっては当たり前ではないのかもしれない、と価値観を考え直すきっかけになるような作品だと思いましたし、いろんな愛の形があって、それが感動や寂しさや切なさを呼んで、すごく新しい気持ちを教えていただいたなと思います。

なぜユウグレがトワサと似ているのか、なぜ200年後にアキラが飛ばされたのか、といった謎を追っていく部分を楽しみつつ、200年経っても変わらない「対話することの大切さ」みたいなメッセージも込められていると思うので、アキラとユウグレがどういう人たちに出会って、どういう愛を見つけていくのかを、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

[インタビュー・撮影/籠法]

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