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高円寺の古着店『militaria』で、ファッションとして楽しめるヨーロッパのミリタリーアイテムを

さんたつ

高円寺 militaria

高円寺の南側にある高円寺パル商店街を西に曲がった細い路地に面している古着店『militaria(ミリタリア)』は、2016年にオープンした。オーナーの徳島佑(とくしまゆう)さんにとっては、2011年に高円寺で開いた『encore(アンコール)』に続く2店舗目。その名の通り、取り扱うのはミリタリーアイテムが中心。ミリタリーといえば米軍アイテム一辺倒だったオープン当時の高円寺に、ヨーロッパのミリタリーアイテムを広く認知させた店だ。

militaria(ミリタリア)

ミリタリーウエアをファッションとしてキュレーション

印象的な看板。パリの地名と店名を並べている。

『militaria』に置かれているアイテムは1980年代から90年代のヨーロッパ製が中心。徳島さんの最初のお店『encore』は、ヨーロッパのワークアイテムを主に据えている。その買い付けのためにフランスやオランダなどに年に数回出かけるうちに、当初は興味がなかったミリタリーウエアのおもしろさが見えてきた。

ヨーロッパは各国が軍隊を保有。歴史があるため、古いものだと19世製紀製まで、幅広いアイテムが見つかる。「その中から、ファッションとして楽しめるミリタリーウエアだけを集めてキュレーションすると、これまでになかったお店ができるんじゃないかと思ったんですよ」と2店舗目として『militaria』をオープンさせた背景を教えてくれた。

武骨な印象にした内装。経年変化も期待して、壁はモルタルを採用している。

古い倉庫のような内装やインダストリアルな照明器具などを用いてお店の世界観を作り、女性スタッフにアイテムを着てもらってファッションアイテムとしての見せ方を強調した。当時、高円寺の古着店でミリタリーといえば米軍ものばかり。『militaria』の新しい視点は注目され、同じようにヨーロッパのミリタリーアイテムを扱う古着店が増えた。

マリンスポーツ愛好者向けのイタリア製ウールジャケット。4万2500円。

最初の3年間はミリタリーアイテムだけを揃えていたが、現在は「似たお店が増えちゃったので」と、機能や目的を重視したブランドのアイテムを加えるようにしている。

オーナー自ら洗濯。状態のよいものをさらに手に取りやすく

フランス軍のパイロットのジャケット2万2500円。シャツとニットもネイビーで合わせた真似しやすいコーディネート。

冗談めかして「僕は洗濯マスターなんで」と話すほど、徳島さんは仕入れたさまざまなアイテムの洗濯を自ら行う。「レザーも洗うんですよ」とラックから取り出したのは、フランス空軍のレザージャケット。おしゃれ着洗剤やレザー用洗剤で、ときには2度も水洗いしたあと、オイルでメンテナンスも施す。ほどよく柔らかく、それでいて耐久性にも優れたレザージャケットは、ずっと活躍してくれそうだ。

徳島さんはミリタリーウエアの魅力を「すべてのデザインに目的があって、プロダクトデザインとして無駄がないんですよ」と教えてくれた。空軍パイロット向けに作られたレザージャケットには、袖にペンを刺すポケット、胸の辺りにタバコやトランシーバーが入れられるポケットなどがある。フロントのファスナーが上からも下からも開閉可能なのは、体温調節だけでなく座ったときに邪魔にならないように。人の動作に連動した機能が備わっている。

手触りに特徴があるフランス軍のパンツは1万8500円。

フランス軍のウール素材のパンツは、厚地で触った感じがざらっとしているが、着心地以上に耐久性を意識してのことだ。また、生地に随分としっかり防虫加工がされていて、50年の時を経た天然素材でも、虫食いのないアイテムがよく見つかるそうだ。

あのファストファッションともミックスするスタイリング提案

左右の色が違うオリジナルデザインのスニーカー3万3000円。

徳島さんは婦人服の会社員デザイナーとしてキャリアをスタート。社会人4年目だった2011年に東日本大震災という大きな災害を目の当たりにして「自分の力で、なにかをやりたい」と考えた。会社を辞めてヨーロッパを放浪していたとき、それまでデザインの参考にしていた古着を見る機会があり、伝手(つて)ができたことで古着店を開くことにした。

そんな背景から、お店で重視しているのは今のファッションとして楽しめること。SNSやYouTubeでは、アイテムの紹介にとどまらず、スタッフがアイテムを使ったスタイリングを発信している。全身古着ではなく、「ユニクロ」などファストファッションのアイテムと合わせてみせることもある。

「古着だけでスタイリングするとモサっとしてしまうことが多いので、僕もユニクロのアイテムを引き算のアイテムとして使うことはよくあります」と徳島さん。

イタリア製ウールジャケットは2万2500円。中に着せたイタリアの銃器メーカー「Beretta」のシャツは1万1500円。

「デニムやチノパンなどとも合わせやすい」と見せてくれたのは、イタリア製のウールジャケット。80年代から90年代に米空軍のMA-1のようなフライトジャケットを参考にして作られたものだ。素材も上質で着心地もよく、飽きずに長く着られそうだ。

オーナーの徳島佑さんと看板犬(週2出勤)のティムティムくん。

『militaria』のアイテムは、シャツは1〜2万円がメイン。ニットは1万円以下のものもある。ただアウターなどはそれなりのお値段。とはいえ、実用性が高く、素材もしっかりしていて、一生ものになりそうなアイテムも見つかる。

多くの人が一度は憧れる、ミリタリーアイテムを取り入れた着こなし。確実な一着を手に入れたくなったら、『militaria』を訪れてみよう。

militaria(ミリタリア)
住所:東京都杉並区高円寺南3-57-31 /営業時間:14:00〜20:00/定休日:年末年始/アクセス:JR中央線高円寺駅から徒歩5分

取材・文・撮影=野崎さおり

野崎さおり
ライター
2016 年よりライターとしての活動を開始し、複数のweb媒体で食べ物やお出かけネタを中心に執筆。おいしいものはもちろん、作る人とその背景に興味あり。都内をバスか徒歩で移動するのが好き。

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