浜松町駅前「世界貿易センタービル」建替え 2027年より開業!新駅舎やステーションコアの整備、最高級ホテル・ラッフルズの日本初進出も!
東京都港区のJR浜松町駅前で進められている「世界貿易センタービルディング建替えプロジェクト」に関して、本館・ターミナルが2027年から順次開業することが発表されました。A街区全体は2029年の供用開始予定です。
この「世界貿易センタービルディング本館・ターミナル」の建替えプロジェクトは、世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、JR東日本が推進しています。
「世界貿易センタービル」は、1970(昭和45)年に完成した当時、高さ152m(地上40階・地下3階)は「霞が関ビル」を抜いて日本一の超高層ビルでした。2021年6月30日にビルが閉館し、その後、解体工事が2023年3月に終了しています。
本館・ターミナル上階には世界的な高級ホテルが進出
2021年に先行開業した南館に加え、今後開業を迎える本館・ターミナルには、最高級ラグジュアリーホテル「ラッフルズ東京」や、アトレが運営する”商業施設”、その他に”ワールドメディカルセンター”や”カンファレンス”、”観光プレ体験施設”といった国際性・観光機能の特色がある施設が整備されます。
ラッフルズホテルは、ヨーロッパ最大手のホテルグループであるアコーの最高級ラグジュアリーブランドで、「ラッフルズ東京」が日本への初進出となります。ラッフルズホテルでは、お客様専属の執事(Butler)・客室係が付いて、様々なリクエストにきめ細やかく応えてくれるというバトラーサービスが提供されます。
浜松町駅西口エリアにはA街区、B街区、C地区にわたり約18万㎡の”オフィス”や”住宅”、”芸術センター”といった多種多様な機能が整備されます。建替え後の本館は、高さ235m、地上46階の建物となります。
浜松町駅と一体となった”広場”や、JR・モノレール・地下鉄・バス・タクシー等の交通機関をスムーズに繋ぐ”ステーションコア”、隣接した旧芝離宮恩賜庭園と視覚的に繋がった”屋上庭園”などの整備を通して、利用者の利便性が大きく向上することが期待されています。
東京モノレール駅舎の建替え、JR改良工事
この再開発に合わせ、東京モノレール浜松町駅では、建替え工事が行われています。新しい駅は「東京モノレールシアター」をコンセプトに旅の高揚感を高め、ドラマが感じられる「劇場のような駅」となります。
JR浜松町駅は線路を跨ぎ東西をつなぐ自由通路の整備に合わせ、北口の改良工事を実施し自由通路に面した位置へ改札を変更します。これにより、周辺エリアとのフラットなアクセスが可能となります。
交通の乗り換え動線をスムーズにつなぐステーションコア
「浜松町駅」は、JR東日本や東京モノレール、都営地下鉄(大門駅)に加え、バス・タクシー等、様々な交通機関が乗り入れる”交通の要衝地”でもあります。
今回の建て替え工事により「ステーションコア」と呼ばれる吹き抜け空間を整備することにより、これらの交通機関相互のアクセス性を大幅に向上させるとともに、歩行者の憩いの空間も創出されます。
ステーションコアは浜松町に訪れた人々が様々な交通機関をスムーズに乗り換えられるよう、分かりやすい空間構成であると同時に、浜松町に宿るおもてなしの精神を感じられるデザインとなります。
世界貿易センタービルディング及び東京モノレール駅舎の建替えにより浜松町駅中央改札前には、中央広場という大空間の広場が整備されます。
オフィスや屋上広場
本館7階には明るく開放的なオフィスロビーが、9階から34階は1フロア約850坪の最新鋭のオフィスが整備されます。整形無柱のオフィスは、様々なワークスタイルにあわせた空間が実現可能です。東京湾、東京タワー、旧芝離宮恩賜庭園など都心でも有数の景色を望むことができます。
ターミナル7階には旧芝離宮恩賜庭園と視覚的につながった屋上広場が整備されます。中央部には、かつてこの地にあった大名屋敷・庭園の池泉形状をオマージュした大芝生広場を配し、多くの客人に親しまれてきた庭園の記憶を現代に再構築。
オフィスワーカーや近隣の方々の日々の憩いの場としての利用に留まらず、様々なイベント・祭事を開催することもでき、MICE 開催時には屋外レセプションとして利用することも可能です。
カンファレンス、観光プレ体験施設、ワールドメディカルセンター
ターミナル6階~7階には、国際会議に対応した大規模な国際ホール&カンファレンス機能(最大の部屋は800㎡)が整備されます。コンベンション、展示、会議機能だけでなく、街区内のホテルやレセプション会場、商業施設と相乗効果をなすことにより、日本有数の「大規模オールインワン型MICE施設」となります。
本館2階には、日本各地の新たな魅力や楽しみ方を、訪日外国人旅行者や国内旅行者に対して発信する「観光プレ体験施設」が整備されます。”観光”や”名産品”をテーマにした体験型のコンテンツによって日本各地の魅力を紹介し、現地への訪問意欲や日本への再訪意欲の喚起を図る施設となります。
また、本館5階には、健診施設および各診療科目(内科、眼科、歯科)を備えたワールドメディカルセンターができます。周辺地域の方々の診療や健康PDCAを実践できる専門性の高い医療機関となり、多言語に対応した国際的なサービスが提供されます。
浜松町のおもてなし精神を継承し、日本と世界をつなぐ“一歩目”に
かつて由緒ある大名屋敷や大名庭園、演芸文化の栄える町人町があった浜松町は、江戸観光の中心的役割を果たし、明治期には迎賓館も整備され国内外の賓客を歓待していたそうです。
現在はモノレールの起点駅となる浜松町で進められるこの「世界貿易センター建替えプロジェクト」では、このおもてなし精神を継承し、世界から日本に来る人の“一歩目” として相応しいエリアを目指すとしています。
海外からのインバウンド需要もあり、外国観光客が非常に目立ってきている最近の東京ですので、この浜松町エリアにも多くの外国人が来ることは予想ができます。東京で暮らす日本人からすると、観光で来る外国人だけではなく、浜松町周辺を使う地元の人々にとっても、大きく利便性が向上するような住みやすい街づくりとなることを期待しましょう。
(鉄道チャンネル、画像:世界貿易センタービルディング)