部下を疲れさせる上司の特徴は? 「一貫性がない」「ずっと見張っている」などの不満 民間調査
飲食業を主に手掛けるエミリス(大阪府東大阪市)は2月13日、部下を疲れさせる上司についてのアンケート結果を発表。該当する上司がいる職場では、モチベーションが下がって業務効率が低下する可能性を指摘している。
「指示があいまい」「一貫性がない」指示の質が低い上司に部下は混乱
部下を疲れさせる上司の特徴として、トップは「指示があいまい」で21.2%だった。「なんとなく」で業務を進めて、提出物が上司の思い描いていたイメージとかけ離れてしまった結果、やり直しを指示されることに疲れてしまう部下が多いのでは、と同調査では推察。「あいまいに指示したわりに、チェックが厳しい」という意見も寄せられた。
2位の一貫性がない(19.8%)も、指示内容が頻繁に変わった結果、時間を掛けてやってきた作業が無駄になることへの疲れが表れている。
マイクロマネジメントの行き過ぎや威圧的な態度に疲弊する部下
また、感情を表に出す(18.8%)、部下を認めない(11.4%)、威圧的な言動(9.4%)といった、上司の人間性に関する項目が上位にランクインしている。解決の糸口がつかめず困っている回答者からは、以下のようなコメントが寄せられた。
・マイクロマネジメントが行き過ぎている。気に掛けすぎ・心配しすぎで、部下に束縛感を与えていることに気が付かない上司(30歳代男性)
・ずっと部下を見張っていて、自分のやり方じゃないと納得しない上司(20歳代女性)
・常にノルマ達成を要求されて、達成できなければ「給料泥棒が」と罵声を受けます(40歳代男性)
「やった仕事が無駄になり徒労感に襲われる」人材流出を懸念する声も
部下を疲れさせる上司が職場に与える影響については、モチベーションの低下(34.9%)と業務効率が落ちる(33.9%)が、いずれも3割を超えた。
モチベーションが下がってしまう理由として、「あいまいだったり一貫性がなかったりする指示のせいで、やった仕事が無駄になり徒労感に襲われる」「進捗を細かくチェックされる」といった声が出ている。一貫性がないことによるやり直しは、業務効率が落ちてしまう理由としても挙がっており、ランクインした項目が密接に関連している点を同調査でも指摘する。
「上司の顔色を上手にうかがう人が出世し、不器用で真面目な人ほど疲弊して辞めていく。人材の流出が起こる」(40歳代女性)といった状況を懸念する人もいる。同調査でも「離職率が高くなって人手不足になると、残った人の負担は増え、ますますストレスを感じるという悪循環に陥る」と警鐘を鳴らす。
「上司や部下の関係は、今や単なる役割分担」明確な指示で部下が相談しやすい環境づくりを
そこで、部下が上司に求める配慮を聞いたところ、トップ3には以下の項目が挙がった。
1位 相談しやすい環境づくり
・話し掛けやすい。作業中でも、優しく「この仕事が終わったら聞きます」など返事をしてくれる(20歳代女性)
2位 部下への理解
・部下の業務内容や進捗状況の把握(30歳代女性)
・各部下の状況や立場を理解し、寄り添ってくれる(40歳代男性)
3位 明確な指示
・とにかく指示は的確にわかりやすく、そして短くお願いしたいです(40歳代女性)
・口でいうだけでなく、指示書をきちんと書いてほしい(50歳代以上男性)
調査監修者の堀田泰希氏は、上司と部下の関係は、今や単なる役割分担の一つにすぎない、と言及。上司は「お客さまに接するように部下を知り、向き合い、わかりやすく指示を出すことが大切」とコメントしている。
「部下を疲れさせる上司に関する意識調査」は、働いている人を対象に2024年12月22日から25日の間、インターネット調査で実施。有効回答数501人(女性291人、男性210人)。発表の詳細はエミリスの公式リリースにて確認できる。