【逗子市・葉山町】デフリンピックに葉山出身の中田さん(女子バレーボール)、逗子育ち・葉山在住の永田さん(射撃)が出場
「きこえない・きこえにくい人のためのスポーツの祭典」東京2025デフリンピックが11月15日(土)から26日(水)まで、日本で初めて開催される。同大会に葉山町出身の中田美緒さん(24)が女子バレーボール、逗子市育ち、葉山町在住の永田英司さん(53)が射撃の種目でそれぞれ出場する。
3大会連続出場
中田さんは前々回のトルコ大会、前回のブラジル大会に続き、3大会目の出場。トルコ大会ではチーム最年少ながら主力として活躍し金メダル獲得に一役買った。ブラジル大会は日本選手団のコロナ感染拡大の影響で途中棄権(ベスト4)したこともあり、今大会は全勝優勝を狙う。
小学生時代はサッカー少女。中学で進学した平塚ろう学校にサッカー部がなかったことから、姉の影響もありバレーボール部に入部。セッターとして、また高速無回転サーブに磨きをかけ、高等部1年時にはデフバレーの世界選手権に初出場し、「ベストサーバー」にも選ばれている。その後、東海大学に進学、現在は清水建設に所属しながら仕事とバレーを両立させている。
大会にあたり「聴覚障害は見た目では分からない。コミュニケーションの方法として、筆談や身振りなどがあることを知ってもらいたい」と期待を寄せる。また、「日本社会を変えたい。子どもたちの可能性を広げたい」と意気込む。
初戦は11月16日(日)、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館でケニアと対戦する。
キャリア2年で代表
永田さんは2年前にビームライフルスポーツ射撃体験会で高得点をマークしたことをきっかけに射撃競技に挑戦。エアライフル射撃に必要な「猟銃・空気銃所持許可証」を得るために猛勉強し、昨年夏に取得。今年1月に行われた男子10mエアライフル競技の選考会で代表に内定した。
現在は横浜地方裁判所で事務の仕事をしながら勤務後の夜の時間帯で横須賀市の「くりはま花の国」内にあるエアライフル射撃場で個人練習に励んでいる。「狙い通り10点の的に当たった時の心技体が一致した達成感が醍醐味」と語る。
まだキャリアが浅いこともあり、大会での目標は「上位8人によるファイナルに残れるようにベストを尽くしたい」と控えめ。一方で、一般には知名度の低いデフリンピックが日本で行われる今大会をきっかけにPRしたいと意気込む。さらに、まだ競技人口の少ない射撃を多くの人に知ってもらい、仲間を増やすことも視野に入れる。
競技は11月16日、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で行われる。