【横浜市神奈川区】大口通商店街に直言 横浜創英高生2人の挑戦
「かつて『大口銀座』と呼ばれた賑わいをもう一度」。大口通商店街に、変化を起こそうと挑戦する二人の高校生がいる。横浜創英高校3年の宇佐美圭祥さんと福川莉央さんはこの夏、商店主たちの前で大胆な直言を行った。
中高一貫の6年間を過ごした大口を「第二の故郷」を表現する二人。商店街のシャッターが増えていく光景を何とかしたいと、独自の活性化プロジェクトを6月から始動させた。
まずは商店街を隅々まで歩き、買い物客や店主ら約40人に直接インタビューを敢行。「福引きをやっても人が集まらない」「スーパーやコンビニに客足が流れてしまう」。商店街が抱えるリアルな課題を浮き彫りにした。
次に彼らが向かったのは、他の成功事例だ。同じ区内の六角橋商店街や、北海道出身の福川さんの地元で札幌市の観光名所・狸小路商店街、新幹線が開通した福井県の敦賀駅前商店街など、全国約10カ所の商店街をオンラインや現地訪問で調査。人を惹きつける「有名店」の存在や、目的を持って訪れたくなるような定期イベントの重要性を学んだ。
これらの分析に基づき二人が提案したのが、人を呼び込むチェーン店の誘致のほか、キッチンカーを招いた「フードフェス」や若者が集う「音楽フェス」の定期開催。そして、子育て世代が気軽に立ち寄れる「交流スペース」や、地域の子どもたちを巻き込んだ絵の展示会など。
「地元住民ではない僕たちのような外からの風を吹き込むことで、何かが変わるきっかけになるはず」と宇佐美さん。商店街から提案の機会をもらい、ゆるぎない自信を胸に、8月5日の理事会に臨んだ。
ぶつかった壁
自分たちで作成した詳細な資料を手に、商店街の未来像を熱く語った二人。しかし、役員から返ってきたのは「斬新というイメージはない」という厳しい現実だった。
二人の提案は、他の商店街の成功例がベース。その中にはすでに大口通でも取り組んだことがあるものも多い中、役員たちの心を動かすまでには至らなかった。それでも商店街の北出貴祥理事長は「高校生たちが自主性を持って行動してくれたのはありがたいこと」とし、イベントの実現に向けて、高校生たちと話し合いを続けていく意向を示した。
「悔しい気持ちと、また頑張ろうという思いが芽生えた」と宇佐美さん。福川さんは「戦後間もない頃のにぎわいを再現できることが理想」と語る。2人の挑戦はまだ始まったばかりだ。