東から日が昇る…ヒガシマルの歴史を現代に受け継ぐ『うすくち龍野醤油資料館』 たつの市
うすくち醬油発祥の地・たつの市にぜひ訪れて欲しい観光スポットがあります。その名も『うすくち醤油醤油資料館』。
場所は城下町の中心地、龍野城から徒歩4分の所にあります。昭和7年(1932年)に建築された『ヒガシマル醤油(旧菊一醤油)』の本社ビルで、昭和54年(1979年)に改修し、現在の外観となりました。
「兵庫県景観形成重要建造物」にも指定されている建築物です。
実はこの資料館、入館料はなんと「10円」と言うのだから驚きです!というのも、5円を重ねた“重縁”を大切にするという意味で、開館当初からその価格を変えずに今まで引き継がれてきたのだとか。
中は木造で外壁がレンガ造りというこの建築は、イタリアのサンピエトロ大聖堂などと同じ、ルネサンス様式を取り入れたもの。今では大変貴重な“昭和モダン建築”です。
電飾もその当時のものをそのまま利用。半円アーチ状の窓から外から差し込む光は大変美しく、そのノスタルジックな内装にすっかり心を奪われてしまいました。
奥に進むと、醤油の原材料と製造工程が展示されていました。うすくち醤油は、色を“淡く”する為に、通常の濃口醤油を製造する過程に、1割ほど塩を多く加え、さらに米から製造した“甘酒”を加える事でまろやかに仕上がるそうです。
奥には、創業当初から使用されていた麹室(こうじむろ)がありました。
中には麹蓋と呼ばれる木箱が幾重にも重ねられています。中に大豆・小麦に種麹を植え付けたものを入れ、“醤油麹”を製造していたそうです。
現代では工場で一定の温度管理を徹底した製造が可能ですが、冷暖房の無い時代の温度管理は大変でした。菌の繁殖に適した30~40℃に保てるように、麹室に備え付けられたコーニッシュボイラー(産業用蒸気機関)で温めていたのだとか。
石炭を使用していた蒸気機関車と同じものだなんて、なんだか驚きと歴史の深みを感じます。
「仕込蔵の樽はとっても大きいんですよ」と見せて頂きました。出来上がった醤油麹に食塩水と米から製造した甘酒を組和え、諸味(もろみ)を作り熟成。昔は1年かけてじっくり熟成させて製造されていたそう。
中でも筆者が驚いたのはかなり巨大な「棒締式圧搾機」。木枠の中の諸味(もろみ)を“てこの原理”を利用して人力で絞るというものです。
ロープの先には重石となる巨大な石がごろごろと展示してあったのですが、今の機械化では考えられないような重労働だったのかと思うと、一絞りで作られていた醤油には今の私たちには考えられないような価値があったのかもしれません。
醤油への親しみを再確認しながら、醤油のラベルの移り変わりを見ていくと、記憶の奥深くに仕舞い込まれていた“昭和”という歴史の蓋を、少しだけ開いて覗き込んでみたかのような気持ちになりました。
そして資料館には直売所も併設。
実は直売店とネットでしか買えないヒガシマルの限定うどんスープ「のれん味」もこちらで購入でします。個人的にはこのスープがとっても好みですのでこちらで購入できるのを知れてラッキーでした♪
最後にヒガシマルの社名について、「ヒガシマル社名は、東から太陽が昇るように繁栄して欲しいという願いが込められているんですよ」と教えてくれた長井さん。
本当に東から太陽が昇るような大企業へと成長したその名前の由来に、改めて全国にその名前を轟かせる地元大企業の凄さを感じました。
うすくち龍野醤油資料館
うすくち醬油資料館
(たつの市龍野町大手54−1)
時間
9:00~17:00
入館料
10円(税込)
休館日
月曜日
TEL
0791-63-4573