【特別対談】プロレスラー・KANON×俳優・星元裕月 11/3『Ultimate Party 2025 』でのコラボ実現へ
DDTプロレスリング 『Ultimate Party 2025』が11月3日(月・祝)、両国国技館にて開催される。
メインイベントで「KO-D無差別級&DDT UNIVERSAL両選手権試合」としてKO-D無差別級王者王者・上野勇希とUNIVERSAL王者・鈴木みのるが激突するこの大会。飯野雄貴&納谷幸男の王者組と、MAO&KANON with KIMIHIRO、橋本千紘&優宇が相まみえる「KO-Dタッグ選手権サバイバル3WAYマッチ」といった、激戦必至の好カードも組まれている。
試合に先駆け、「KO-Dタッグ選手権サバイバル3WAYマッチ」を戦うDDTプロレスリング所属のKANONと、KANONを“推し”と公言する大のプロレスファン、俳優の星元裕月さんの対談が行われた。
話題は、2人の出会いからDDTの魅力に至るまで広がり、最終的には両者の『Ultimate Party 2025』での強力コラボまで決定。星元さんのプロレスに対する熱い思いが豪華コラボに発展するまでのトークは必読だ。
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KO-D無差別級王者にしてテレビでも活躍中の上野勇希、THE RAMPAGEのパフォーマー・武知海青など、多彩なプロレスラーが参戦しているDDTプロレスリング。そのDDTのタッグ戦線で活躍中なのが、MAOとSTRANGE LOVE CONNECTION(以下S.L.C.)を組んでいるKANONだ。
そしてそのKANONを“推し選手”の一人に挙げているのが、俳優の星元裕月さん。星元さんは2.5次元舞台を中心に、確かな演技力と繊細な表現で観客を魅了。プロレス好きを公言している星元さんは、DDTのゲスト解説を二度務めるなど、その魅力や選手たちへの理解もひときわ深い。
そんな星元さんとKANONの一歳違いの同世代による特別対談が実現。KANONはKANONで、11.3両国国技館で行われるDDTのビッグマッチにおいて、星元さんにお願いがあるそうで……。
KANON「11月3日、両国国技館大会。一緒に入場してもらえない?」
星元裕月「一番近いところで応援したいなと思うのでセコンドに!」
-本日はお忙しい中、ありがとうございます。まずは星元さんがプロレスに出会ったきっかけを教えていただけますか?
星元:もう16年見ているんですよ、プロレス。最初はお昼のバラエティ番組で北斗晶さんが主婦タレントさんとしてテレビに出ていらっしゃって、この方がやっていたというプロレスとはどのようなものかと。それでYouTubeで調べてみたら、80年代・90年代のプロレスがたくさん出て来て。北斗さんも含めて、特徴的なコスチュームやメイクをされていて、ビジュアル系バンドを見るかのように「カッコいい!」と思いました。試合では、人生や命を賭けて戦っている姿がカッコよかったですね。それまでの自分が内気な子だったので、勇気をいっぱいもらったなという記憶があります。
-初めてリアルで観戦されたのはいつ頃ですか?
星元:忘れもしないですね。2013年9月15日、横浜文化体育館。OZアカデミーでした。尾崎魔弓vs永島千佳世の髪切りデスマッチ(永島が敗北し丸坊主に)です。当時は静岡に住んでいて、まだ15歳だったので家族旅行で横浜へ行って、親は赤レンガ倉庫に行き、私は髪切りデスマッチを見に行きました(笑)。
-そこからさらにプロレスにハマったんですね。
星元:そうですね。最初は女子プロレスだったんですが、男子の方は実家で契約していたケーブルテレビでDRAGONGATEを観ていました。本格的に観始めたのは上京してからで、実はDDTを観始めたのは最近なんですよね。
-ではKANONさんのことを知ったのもDDTからですか?
星元:静岡に住んでいたときにKAIENTAI DOJOがイベントに来たことがあって、そこから派生したJUST TAP OUTは気になってYouTubeで見ていたので、KANONくんの存在は知っていましたよ(笑)。
KANON:え?その話は初めて聞きました(笑)。
―そんな二人が出会ったきっかけはどのようなものだったのですか?
星元:飲み友達です(笑)。KANONくんは当時はヒール(悪者)だったので「あの緑(JTO時代のKANONのイメージカラー)の人だ!」と思って。でもこの話を持ち出しても嫌かな…飲みの席では黙っていました(笑)。
KANON:一応、気を遣ってくれたんですね(笑)。
―KANONさんは今MAOさん、ラッパーのKIMIHIROさんとS.L.C.というユニットを組んでいますね。
KANON:MAOちゃん曰く、“劇場版クレヨンしんちゃんの悪役”みたいな位置に行きたいというイメージのユニットです。ベビーフェイスでもないしヒールでもないし、新しいジャンルのユニットができそうかなと思っています。
星元:私、KANONくんがDAMNATION T.A.(DDTのヒールユニット)から追放されたところ(今年2月)を会場で見ているんですよ。
KANON:僕としては普通に試合に観に来てもらおうと思ったら、とんでもないもの(追放時に竹刀で殴打される)を見せてしまった感じで…。
星元:「お疲れ」という連絡も送れませんでしたね。明らかにその日のKANONくんはいつもと違う様子でしたし。
KANON:感情が死んでいましたね。
星元:今はSNSの時代なので、ファンは「これでKANONくんがイベントに参加できる」とかポストして、切り替えが早いんですよね。でもそんな簡単には変わらないじゃない?
KANON:こっちは今タイムリーで追放されて傷ついている状態ですから……。自分の感情の防衛本能じゃないですけど、自分で噛み砕く時間がほしいというか。ファンの皆はもう次の僕を見ているんですよ。“まだ存在してない自分”を見ている感じだったので、感情の整理が全然できていないまま、周りだけがどんどん先に行っている感じがしました。そういうときにゆづちゃんに話を聞いてもらいましたね。
星元:タイミングはいいのか悪いのかわからないですが、私も今年に入ってから身の回りでいろいろあって、負のスパイラルにいるときに、(KANONが)追放されたんですよね。だから、彼がSNSでつぶやいていたことにすごく共感できましたね。他人事として見られなかったです。
―星元さんから見て、DDTの魅力というのはどういうところにあると思いますか?
星元:本当に「Dramatic Dream Team」という名前の通り、夢のある団体だなと思っています。私はOZアカデミーという殺伐とした団体をずっと見てきたんですけど、それぞれのユニットがメンバーを大事にしているのがすごく好きなんですよね。正危軍なんて15年以上続いているわけで。メンバー同士の絆や、先輩が後輩を思う気持ち、その逆も含めて一個の形になっている。その規模をもっと大きくしたのが、DDTだなと思います。『愛』があるなと。
選手からお客さんへの愛、逆にお客さんから選手への愛。選手同士も絶対的な信頼感の中で、躊躇なく技を仕掛けたり、コミカルになったり。ダイレクトに感情が伝わってくるのが、私はDDTの本質であり魅力なんじゃないかなと思いますね。私の最終的な気づきとしては、私は人が好きなんだなと。もちろん色んな感情はあるんですけど、それでもやっぱり人を信じたいとか愛したいとかという気持ちがあって、そういう自分に対して希望が持てる気がしています。
―今のお話を聴いてKANONさんはどう思われますか?
KANON:僕はJUST TAP OUTという、TAKAみちのく代表のこだわりが詰まった団体だったので、プロレスに対する価値観としてはDDTのようななんでもありではなくて、キュッと絞ったところだったんです。なので、DDTに来たとき(2022年4月)は海外に行ったみたいな感じでした。全部がカルチャーショックで1~2年は慣れるのに必死で、また新しいことが増えて『まだありましたか』みたいな(笑)。足のつかないプールを、ずっと泳いでいる感じでした。
星元:めっちゃわかります……。人前に立ったら、ある意味もう「ゆづ」ではなく「星元裕月」なんですよ。なので星元裕月である部分で一時期無理をしていたこともあって、KANONくんの言ったようにずっと泳いでいないといけないって思っていましたし、それこそ足がついてしまったら終わりだと。周りは一回立ち止まって振り返ってもいいんだよ、と言ってくれるんですけど、止まったら自分が怖いんですよね。素が出てしまうと皆に嫌われて離れていくみたいなことを考えてしまって。
KANON:そういうときは周りが見えないですからね。
星元:今はニュートラルな感じですが、その頃のエッセンスも良かったなと思う部分も生かしつつ、新しい部分も出しつつという感じですね。
―星元さんはDDTの実況席ゲストにも登場されていますが、そのときはTシャツにアレンジをされていましたね。
星元:実はKANONくんがヒールのときに飲みの場で一緒になったことがあって、アレンジの仕方を教えたことがあるんですよ。
KANON:僕も個性を出したいと思っていたときですね。ただやり方がわからなかった(笑)。それでゆづちゃんにTシャツのアレンジの写真を見せてもらって、一番簡単な“切って編む”ものを教えてもらいました。
星元:KANONくんのすごいところは、その翌日の試合からもうやっているんですよ。行動早い! 真面目! と思って。
―星元さんがプロレスから演劇に取り入れているものはありますか?
星元:私の中で心に残っている試合はいくつもあるんですが、その中でも桜花由美vs雪妃魔矢という試合があって。コロナ禍(2021年2月)だったんですけど、お互いのことが本当は大好きで大好きですごく尊敬し合っているのに、コロナ禍で会うことも会話をすることも少なくなってなんとも言えない空気が弾けちゃった試合ですね。大好きなのに殴り合っている構図や、感情が体だけでお客さんにも伝わってくるのは、舞台と重なる部分もあると思います。
セリフがあろうがなかろうが、お客さんの受け取り方を意識した表現というのは、プロレスを見てきたおかげでやれているのかもしれないですね。あとは振付のポーズも、実はプロレスラーの入場のポーズからアレンジしていることもありますね。
KANON:これだけプロレス解像度が高い人なので、ゆづちゃんの舞台を観たいんですよね。なかなかスケジュールが合わなくて実現していなんですけど……。プロレスは“ナマモノ”なので、感情が出やすいっちゃ出やすいと思います。ムカついたらムカついた感情が出ますし、逆につまらなかったらつまらない感情が出ますし。
でも舞台は1日に同じ演目を2回やることもあるじゃないですか。これはプロレスだと2回目の方がつまらなくなると思います。昼にいい試合ができたとして、それを夜に同じ相手と同じことをやってって言われてもできないですもん。だから俳優さんが同じ演目でどうやってクオリティを維持しているのか、どうやって感情を出しているのかは知りたいですね。
星元:私の場合はですが、たとえば絶望的な悲しい役柄を演じるとき、昼公演で心が疲れたまま夜公演を迎えてしまうともたないので、それこそプロレスを見て気持ちを作るんです。試合を観ていると、感情が動いてさっきまでやっていたことをリセットできるんですよね。“保存”しない。保存してしまうと、全然違う方向に行ってしまうんです。
前は無理に戻そうとしていたんですけど、今はもし違う感情になっても「そういう表現の仕方もあるよね」と。舞台上で出しているものが100%であれば、お芝居は成立するので、必ずしも同じじゃなくてもいいという考えのもとでやっています。
―KANONさんから星元さんにお願いがあるんですよね?
KANON:まだMAOちゃんとKIMIちゃんには言ってないんですけど、ちょっと仕掛けたくて。S.L.C.はMAOちゃんという圧倒的なリーダーがいて、知的で細身なKIMIHIROというMCがいて、パワーファイターでちょっと優しめの僕がいて(笑)。足りていないピースは何だろうと思ったときに、我々には圧倒的に「美しい」部分が足りていないなと。そして「表現力」が足りていない。その部分を埋める意味でもゆづちゃんに協力してもらいたいなと思いまして、S.L.C.と一緒に入場してもらって花を添えてもらえないかと。
いい日があるんですよ……11月3日、両国国技館大会。S.L.C.は4月からタッグを組んで走り抜けてきましたけど、まだ結果を出していないんです。The APEXというデカいタッグチャンピオン(飯野雄貴&納谷幸男)に、チーム200キロという女子プロレス界の大物ユニット(橋本千紘&優宇)とS.L.C.が挑戦するKO-Dタッグ王座戦、この日しかないと。
星元:KANONくんの最初の自己主張ですね。(マネージャーに)11月3日、空いていますか? 空いていますね! じゃあ事務所諸々の許可はすっ飛ばして、お願いします!(握手)じゃあせっかくなのでこちらからもお願いが……入場は一緒にさせてもらって、ぜひ一番近いところで応援したいなと思うのでセコンドに。
KANON:もちろんです!
星元:私も16年プロレスファンをやっているので、おいしいところを持っていくだけの入場だけみたいな生半可なことはしません(笑)。ちゃんとコスチュームからアイテムまで、全部考えてきますよ。ぜひ一緒に盛り上げましょう!
『Ultimate Party 2025』では、王者To-yに彰人、スーパー・ササダンゴ・マシン、平田一喜、アントーニオ本多の4人が挑む「DDT EXTREME選手権5WAYマッチ」など、ファンが喜びそうな対戦カードが多く組まれた。
■『Ultimate Party 2025』全対戦カード
※メインイベント、第一試合以外の試合順は未定。
▼メインイベント KO-D無差別級&DDT UNIVERSAL両選手権試合
<KO-D無差別級王者>上野勇希 vs 鈴木みのる<UNIVERSAL王者>
▼スペシャルタッグマッチ
KONOSUKE TAKESHITA&武知海青 vs 樋口和貞&正田壮史
▼ドラマティック・ドリームマッチ
ザック・セイバーJr. vs クリス・ブルックス
▼スペシャルシングルマッチ
佐々木大輔 vs 男色ディーノ
▼KO-Dタッグ選手権サバイバル3WAYマッチ
<王者組>飯野雄貴&納谷幸男 vs MAO&KANON<挑戦者組>with KIMIHIRO vs 橋本千紘&優宇<挑戦者組>
▼DDT EXTREME選手権5WAYマッチ
<王者>To-y vs 彰人<挑戦者> vs スーパー・ササダンゴ・マシン<挑戦者> vs 平田一喜<挑戦者> vs アントーニオ本多<挑戦者>
▼スペシャル6人タッグマッチ
遠藤哲哉&HAYATA&宮脇純太 vs 秋山準&青木真也&高鹿佑也
▼スペシャル8人タッグマッチ
岡谷英樹&MJポー&デムース&イルシオン vs 佐藤大地&石田有輝&須見和馬&隈取
▼HARASHIMA&大鷲透&吉村直巳 vs 高尾蒼馬&川松真一朗&瑠希也
▼第一試合 髙木三四郎復帰戦~スペシャルシングルマッチ
髙木三四郎 vs 葛西陽向