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観光都市化した街に暮らしの豊かさを取り戻す、日替わり農家の直売所 Italy [Firenze]

料理通信

観光都市フィレンツェは、押し寄せるツーリズムの波に押されて多くの住民が街を離れ、彼らを相手に商売をしていた生活必需品の店もどんどん減っている。誰にとっても便利なスーパーマーケットばかりが目立つようになっているが、作り手の顔の見えない商品を買うことに味気なさを感じている“残った”住民は、かつて当たり前だった、売り手とおしゃべりしながら買い物ができる機会を常に欲している。そこへ新たな選択肢として登場したのが、「ボッテガ・アグロエコロジカ」なるショップだ。


野菜と果物は日替わり。その日何があるかは来てみてからのお楽しみ。

野菜はオーガニック栽培。サラダ野菜の鮮度の良さは直販ならでは。

クオーレ・ディ・ブエ(牛の心臓)という名のトマト。サラダ用として人気が高い。

オーナーのカルロッタ・キオッキーニは、フィレンツェ旧市街にラボラトリーを持っていたが、2020年に郊外で農園を始めてからその場所は空き家となっていた。そこで、農園の作物を販売しようと考え、ワイナリーを営む友人に相談したところ、彼のワインも一緒に売ってはどうかと提案されたという。


そのことがヒントとなり、フィレンツェとその周辺の農家の共同販売拠点として、同店がスタートした。カルロッタが場所を提供する代わりに、参加する各農家が交代で販売を担うことで、運営コストはほとんどかからない。そして何より、農家は定期的な販売機会を確保でき、住民は生産者から直接買うことができる上、日替わりで違う生産者と話ができる。共同、そして共存が期待できる今までにない形態の直販所だ。


店には野菜、果物の他、ワイン、オリーブ油、瓶詰めの保存食品やジャム、ハチミツも並ぶ。一隅にはソファがあり、訪れた人はそこに腰掛けて自由におしゃべりを楽しめる。こんなショップが各コミュニティにできれば、観光だけでない豊かさが感じられる街になるだろう。


オリーブ油、パスタなど、長期保存も可能な商品を常備。また青果の他に季節の植物も。秋口にはラベンダーがいい香りを放っていた。

カルロッタの農園「Terrafranta」のオリーブ油。パッケージデザインに世代の感覚が表れている。

“La campagna in città(街の中の田園)”、そして、“Prodotti del territorio(この土地の作物)”。この2つが基本のコンセプト。

Bottega Agroecologica
Via Santa Reparata, 7R Firenze
https://www.instagram.com/bottega.agroecologica


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