映画を愛するすべての仲間たちへ、今こそエキプ・ド・シネマの活動を伝えたい「川喜多かしこと〝映画の仲間〟―エキプ・ド・シネマの半世紀―」
7月13日(土)~9月29日(日) 鎌倉市川喜多映画記念館にて関連上映
まず、〈エキプ・ド・シネマ〉の精神から。
アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど日本では上映機会の少ない地域の映画の紹介欧米の映画でも大手興行会社が取り上げない名作の上映未公開あるいは不完全な形で公開された、映画史上の名作の上映日本映画の名作を世に出す手伝い
この4つの明確な目標をもって、川喜多かしこと岩波ホール総支配人の髙野悦子は、〈Equipe de Cinema=エキプ・ド・シネマ〉の活動を始めた。Equipe de Cinemaとはフランス語で〝映画の仲間〟であり、きっかけはインド映画『大樹のうた』(サタジット・レイ監督・1959年)を上映する場所を川喜多が髙野に相談したことからだった。1974年2月12日、岩波ホールで『大樹のうた』の上映が実現し、これを契機に「世界の埋もれた名画を発掘、上映する運動」として〈エキプ・ド・シネマ〉活動は始まった。そして約半世紀の間、映画を愛する仲間に支えられながら大きな上映運動となって、日本の映画文化の根幹を担ってきたのである。2022年7月29日惜しまれながら岩波ホールは閉館したが、エキプ・ド・シネマは66の国と地域、274作品を上映。川喜多かしこ、髙野悦子もすでに故人となっているが、その精神は多くの仲間と映画人に継承されている。
▲1974年2月、エキプ・ド・シネマ発足時の川喜多かしこ(左)と高野悦子(右)
〈鎌倉市川喜多映画記念館〉では、「川喜多かしこと〝映画の仲間〟~エキプ・ド・シネマの半世紀~」として企画展が開催され、単館ロードショーやミニシアターの先駆けとなったエキプ・ド・シネマの足跡を回顧し、半世紀にわたって世界各地から集めた名作の数々を紹介する。『大樹のうた』をはじめ『伽倻子のために』(小栗康平監督・1984年)など、開催期間中12作品が上映される。
【企画展関連上映作品】上映日時は同館HPをご参照ください
①『宋家の三姉妹』1997年、香港=日本 ②『ハンナ・アーレント』2012年、ドイツ=ルクセンブルク=フランス ③『ルートヴィヒ』1972年、イタリア=西ドイツ=フランス ④『少女は夜明けに夢をみる』2016年、イラン ⑤『惑星ソラリス』1972年、ソ連 ⑥『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』2017年、アメリカ ⑦『伽倻子のために』1984年、日本 ⑧『眠る男』1996年、日本 ⑨『大樹のうた』1959年、インド ⑩『歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡』2019年、イギリス=スコットランド=フランス ⑪『奇跡』1954年、デンマーク ⑫『ピロスマニ』1969年、ジョージア(製作時ソ連)
『大樹のうた』1959年
『宋家の三姉妹』 1997年
【トークイベント】8月10日(土)14:00
「髙野悦子さんの面影」ゲスト:石井淑子さん(元・岩波ホール)、はらだたけひでさん(絵本作家、ジョージア映画祭主宰)
【特別上映】9月7日(土)13:30
『伽倻子のために』+トークイベント ゲスト:小栗康平さん(映画監督)
鎌倉市川喜多映画記念館 (鎌倉市雪ノ下2-2-12 ℡.0467-23-2500)
HP :https://kamakura-kawakita.org/