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旭川市民の誇りである老舗喫茶店の灯を継ぐ。若きオーナーの静かなる情熱とこだわり

北海道Likers

<span class="media-credit">出典: <a href="https://hokkaidolikers.com/">北海道Likers</a></span>

旭川市内中心部の買物公園。通称「4・5仲通り」に旭川でいちばん長い歴史のある喫茶店があります。昭和14(1939)年にオープンし、旭川が生んだ作家・三浦綾子の作品にも登場する「珈琲亭ちろる」です。

平成23(2011)年にオーナーの高齢化で一度閉店しましたが、惜しむ声が多く、若きオーナーが同年の9月にお店を引き継ぎ、再開しました。

身内でも常連さんでもなかったという新オーナー。お店を継いだ経緯と、大切にしている想いを聞きました。

何にも代えがたい存在「珈琲亭ちろる」

出典: 北海道Likers

「珈琲亭ちろる」現オーナーの宮崎慶太朗さんに、お店を継承した経緯を聞きました。

「オーナーさんが年齢の都合でお店を辞められると聞いて……歴史があり愛されているお店なのにと残念な気持ちでいっぱいでした。何か力になれないかなと考え、引き継ぐことにしたのです」

もともと宮崎さんはコーヒーが好きで、生豆を自宅で焙煎していたのだとか。趣味のコーヒーとこれまでいくつかの飲食店勤務の経験から決心したといいます。

「珈琲亭ちろる」をお店ごと引き継ぎ、雰囲気はそのままに、内装は美しくリフォーム。さらにオシャレになり、古きよきお店として、地元民はもちろん観光客も訪れるお店となりました。

いちばん大切にしていることは、飲食店としての味

出典: 北海道Likers

「珈琲亭ちろるを再開した当初は、やはり昔からのお客様が多かったですね。シニア世代の方が主なお客様でした。もう少し幅広い年代の方にもお越しいただけるよう、メニューを一新しました。若い人にも他店とのコーヒーの味わいの違いを感じてほしい、昔ながらのレトロな雰囲気を味わってほしいと思っています」

コーヒーは深煎り・中煎り・浅煎りと3種類のロースト方法が選べます。筆者はコーヒーには詳しい方ではないですが、しっかりとした味わいをいただきたく、深煎りをお願いしました。

おいしい! ほかのお店では味わったことのない、ちょうどよい酸味と苦み、濃い味わいです。これまで慣れていたコーヒーチェーン店の味とはまったく違うことは、はっきりとわかりました。

「飲食店なので、おいしいということ、“味”をいちばん大切にしています」と宮崎さん。こんなにおいしいコーヒーをもっと地元民や若い方々にも飲んでほしいと筆者も心から感じました。

銅板で焼くパンケーキは絶品!

出典: 北海道Likers

一新したメニューのなかで人気なのは『鉄板焼きふわふわリコッタパンケーキ』。

銅板で20分ほどかけて焼くパンケーキはふんわり、外側はさっくり。じんわりと焼くことできれいな焼き色がつき、なんともいえない食感です。

たっぷりのホイップクリーム、バナナ1本、手作りのクルミバターとシロップはお互いに引き立て合う相性抜群の素材。

出典: 北海道Likers

「パンケーキも試行錯誤し、いくつかの種類を用意していたこともありました。けれど、この組み合わせを超える完成度のものはなかった。今はこのスタンダードなパンケーキを自信を持って提供しています」

また、「観光客の方だったかもしれません。今まで食べた食べ物のなかでいちばんおいしかった、とうれしい感想をいただいたことがありました。モチベーションがとても上がりましたね」と宮崎さん。

「古きよき」を大切にしながらも、進化はやめない

出典: 北海道Likers

「飲食店なので、常においしいものを提供することを考えています。そのために、時代に合わせたり、味わいのコンビネーションをその都度考えたりと、進化しつづけていきたいと思っています」

終始笑顔でお話しくださった宮崎さん。

清掃が行き届いた美しい店内で、火加減を見ながらゆっくりと薪をくべ、ていねいにコーヒーを淹れる宮崎さんの姿は、実直なお人柄がそのままに伝わるかのようでした。

レトロながら時代にマッチしつづける「珈琲亭ちろる」は、旭川になくてはならない人々の居場所です。薪ストーブの燃える音と流れるクラシックを聴きながらおいしいコーヒーをいただくひとときは、何にも代えがたい時間となるでしょう。

<店舗情報>
■店舗名:珈琲亭ちろる
■住所:北海道旭川市3条通8左7

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