【高知グルメPro】高知に来たら是非食べてほしい絶品やみつきのニラ塩焼きそば「廣末屋」フードジャーナリスト・マッキー牧元の高知満腹日記
4度目の廣末屋である。
なぜか高知に来ると、無性にここの「ニラ塩焼きそば」を食べたくなる。
初めて高知に来た人を、連れてきたくなる。
高知県香南市夜須町にあるお好み焼き屋、「廣末屋」は、そんな店である。
「カウンター座った人は、笑うね。ニラ入れた瞬間、なぜか笑うね」
いつも快活な、店主の広末京子さんは言われた。
それはニラの量が想像を超えているからである。
普通で2束半。大盛りで4束も入れる。
スーパーで売られているニラ一束が、一人前に4束ほど投入される光景を想像してみて欲しい。
そりゃみんな笑うよな。
では作り方を実況しよう。
まず豚バラ薄切り肉を、5枚焼く。
次にイカを焼く。
豚バラ肉5枚を、コテで一口大に切る。
人参の細切りとイカとニラの茎を加えて炒める。
初めての人はこのニラ茎で、もうニラの出番はないと思ってしまう。
ここで謎のタレ(これがニラ塩焼きそばの名前の由縁である塩ダレ)をメジャーカップで計って入れ、混ぜる。
炒めた野菜や肉の上に麺を乗せ、ほぐしていく。
普通なら、これで出来上がりといってもおかしくない状態であるが、廣末屋のニラ塩焼きそばはここで主役の登場なのである。
ザルに入れられたニラを掴んで、麺の上にバサッと乗せる。
「おおっなんたる量!」と、皆ここで驚く。あまりの量に笑い出す。
だが、まだまだ甘い。
さらにもう2つかみ、バサッバサッと乗せるのである。
この時点で明らかに、麺よりニラのほうが多い。
麺の2倍以上はあろう。
具と麺の逆転である。
かくして鉄板の上には、ニラの山がそびえ立つ。
もはやニラのチョモランマである。
その後、麺と混ぜられ加熱されて、ニラはしなやかになりカサが減っていくが、一面ニラである。
料理名は、「ニラ塩焼きそば」であるが、もはや「そば入りニラの塩焼き」といった方が正しい。
ニラ塩焼きそばが湯気をあげて、目の前に移動される。
仕上げに、揚げ玉と海苔、糸唐辛子を乗せ、完成である。
ニラと聞くと、匂いが強いじゃないか。
歯に挟まるのじゃないか。
食べた後に前歯に付着するのじゃないか。
そう心配する向きもあろう。
だが、ここのニラは、近所の畑で収穫したばかりの新鮮なニラなので、そんな心配は無用である。
「ジャキジャキッ。ジャキジャキッ」。
噛むごとに威勢のいい音を立てるニラが愛おしい。
そんなニラの食感と柔らかい麺が織りなす、硬軟の食感対比がクセになる。
しなっとした麺が口元に登って、噛んだ瞬間、後からニラの勇壮な食感が現れるのであった。
筋張ったところが微塵もなく、歯に挟まる気配も一切ない。
麺とダンスを踊りながら消えていく。
後に残るは、青々とした香りである。
タレも濃すぎることなく、ニラの風味を生かしている。
途中でレモンをかけて、味の変化をすれば余計に箸を運ぶ速度が加速する。
ほら、どうです。
食べたくなってきたでしょう。
4度も足を運んだ理由がわかるでしょうに。
これが、高知に来たなら必ず食べてほしい「廣末屋」のニラ塩焼きそばなんですよ。
店舗情報
廣末屋
住所:高知県香南市夜須町上夜須182-1
電話:0887-54-3226
営業時間:11:00~14:00 17:00~22:00(オーダーストップ21:00)
定休日:第4月曜日、1月1日~4日
※営業時間・定休日は変更になることがあります