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実はNG?愛犬とキスをするべきではない『3つの理由』

わんちゃんホンポ

ああもう、可愛い君が愛おしい

「キスとは、接吻(せっぷん)あるいは口づけする様である。唇を相手の頰・唇、手などに接触させ、親愛・友愛・愛情などを示すこと。俗に、チュウとも言う」。キスについて調べてみたところ、当然ですがこのように表記されていました。全くその通りですね。

私たち愛犬家は、犬のかわいい顔を見るとキスしたくなります。いえ、むくれていても、たとえ汚れているときでさえ、やはりキスしたい気持ちになります。それはすべて愛しさの表現なのですね。しかし、キスの方法によってはこんな危険性をはらんでいるかもしれません。

さあ、見てまいりましょう。あなたのキスは大丈夫!?

こんなキスはNGだ

1.いつでも、どこでも

まるで、ここは私と愛犬だけの世界であるかのように、いつでも、どこでも、何度でも愛犬とキスをする飼主さんを見かけます。キスは愛情表現であり自然に催してしまうものだから仕方のないこととしても、はた目から見て「ちょっとあれはないよね...」と、引かれてしまう場合はNGかも?愛犬とのキスはほどほどに、人目を少々気につつ節度を持ってするのが良さそうです。

2.誰でも、かれでも

犬は相手の口元をなめるという習性を持っています。それは、子犬だったころに母犬が口内で咀嚼した食べ物を分け与えてもらっていた記憶に由来しますが、同時に、目上の者に対しあなたがボスです。と、自身の方が相手よりも目下であると伝える行為でもあります。

口元をなめる(キス)行為は、犬がもともと持っている習性ではありますが、現代社会を生きる犬にとってはこの行為を日常的に癖付けない方が良いと私は思っています。

なぜなら、犬は「家族にはいいけど、他人にはしてはいけない行為」という区分けが分かりにくい生き物です。家族以外でも好意を寄せる人に対しては同じように口元をなめてしまうでしょう。それをみなさんが喜んでくれるといいのですが、そうではないことが多いからです。

3. 感染

愛犬とキスをするべきではない理由。今回、最も重要なのはこちら「感染」です。

それは、ズーノーシス(人獣共通感染症)。簡単に言うと、人と動物の間で移し合う可能性のある病気をこう呼びます。ここで言う動物とは、例えば馬、牛、猫、鳥、亀などの脊椎(せきつい)を持つ動物のこと。その中には犬も含まれます。

家族である愛犬と言えども人とは違う菌を保有していますので感染の可能性はゼロではありません。ですから、人と犬の唾液が直接交わるような口と口での濃厚なキスはNGです。

このズーノーシスについては現在世界では約20種類、日本では約50種種類があるとされています。そのうち犬から人へ移る可能性のあるものは以下のようなものがあげられます。

✔パスツレラ感染症
✔日本脳炎
✔レプトスピラ症
✔ブルセラ病
✔皮膚糸状菌症
✔狂犬病     

 その他

悲しいことですが、ズーノーシスの話題がニュースとしてトピックスされるたびに、犬との接触を過剰に怖がる方も世の中には一定数いらっしゃいます。そうした方々から「犬に触っちゃダメ。病気が移るから!」などという言葉をぶつけられると、飼主さんはとても辛い気持ちになってしまいますね。

ズーノーシスについて動物愛護法では「人と動物の共通感染 症」と表記しています。動物だけが一方的に人へ病気を媒介するというわけではなく、逆に人から動物へ移してしまうというパターンもありますよ、といったような配慮ある表記に感じられます。

犬、猫、鳥、爬虫類、そして人もまた、数々の菌を保有している動物です。お互いにとってリスクのある病気の媒介を防ぐには、まずは正しい知識を持つこと。

実際の感染を予防するだけでなく、ニュースの切れ端や大げさな一部の意見に左右されないためにも、ズーノーシスについて理解を深めることが大事です。

まとめ

日本で2006年6月1日に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」では、「どうぶつとヒトの間で感染する病気(ズーノーシス)の知識を持ち、予防することが飼い主さんの責務であること」と定められています。

環境や他者への配慮をし、ズーノーシスについても知識を深めながら、愛犬への愛情表現をしたいですね。愛犬への正しいキスは、飼主としての責務を全うすることにつながるのかもしれません。


(獣医師監修:平松育子)

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