殺陣が増え、キャストの練度も増した『NIKKE THE STAGE』再演──ゲネプロ公演の様子をレポート!
背中で魅せるガンガールRPG『勝利の女神:NIKKE』を舞台化した『NIKKE THE STAGE』(以下、ニケステ)。2024年に公演が行われ、リアルにニケたちが現れたかのようなキャラクター再現度、ゲームさながらのセクシーなバックショットなど、あまりのクオリティに指揮官たちの間で話題となりリピーターが続出。大好評のまま幕を降ろしました。
そんなニケステが再演決定! 7月3日(木)から7月6日(日)まで品川のClub eXで公演が行われています。
先日アニメイトタイムズでは稽古場の様子をレポートさせてもらいましたが、今回は公演前日に行われたゲネプロの様子をレポート。アツさあり、涙あり、笑いありで感情がジェットコースターとなった模様をお届けしていきます。
なお、公演内容のネタバレが満載となっていますので、「ネタバレなしで見に行きたい!」という方はご注意ください。
出演者(敬称略)
マリアン:真島なおみ(一人二役)
アニス:青山ひかる
ラピ:御寺ゆき
ネオン:篠崎こころ
ユニ:伊織いお
ミハラ:赤井沙希
ルドミラ:小日向ななせ
アリス:北澤早紀
スノーホワイト:小鳥遊あみ(AVAM)
シフティー:遥りさ
シュエン:黒木美佑
モダニア:真島なおみ(一人二役)
指揮官:中野郁海
【写真】『NIKKE THE STAGE』再演ゲネプロ公演の様子をレポート
1年経ってさらにパワーアップしたニケたち。衝撃の展開から舞台がスタート。
公演が始まる前、マリアン役の真島なおみさんよりキャストを代表しての挨拶があり、殺陣が増えてより激しいバトルが見れるようになったと再演の見どころを挙げます。
さらに、昨年見た人たちも「また来てよかった」と思ってもらえるよう、1から稽古をやり直したそう。「1年経ってさらにパワーアップしたニケたちを見に来てください」とコメントしていました。
その後、シフティーによる注意事項などの影ナレが行われ、いよいよ舞台が開幕です。
ライトが暗転すると、けたたましいアラート音そして墜落する音と共にスタート。
本公演は原作序盤のエピソードを丁寧になぞっており、原作の『NIKKE』を知らない人でも楽しめるよう、世界観の説明なども劇中で行われます。
ざっくり世界観を説明すると、謎の機械生命体・ラプチャーによって地上の人類は壊滅。地下へ逃げ込んだ人類は、人間と変わらない外見を持つ美少女ヒューマノイド・ニケを開発し、ラプチャーへの反撃を行っています。ただ、ラプチャーの戦力は強大で、なんとか一矢を報いながら地上での作戦行動を行っている……といったポストアポカリプス物になっています。
ステージにライトが当たると、ニケの一人・マリアンに指揮官が助けられるシーンからスタート。
前日に士官学校を卒業したばかりの超新米指揮官ですが、その指揮能力は高く、マリアンの力を借りながら今回の任務である行方不明のニケ捜索にあたります。
▲指揮官:中野郁海
▲マリアン:真島なおみ
途中ラプチャーたちの妨害にあいながらも捜索をしていると、さらに2人のニケ・ラピ、アニスと出会い、突発的ながら彼女たちも指揮下に加わって部隊を組むことになります。
▲ラピ:御寺ゆき
▲アニス:青山ひかる
急造部隊ですが、ニケたちの連携はバツグンで、ラプチャーたちをどんどん撃退。強敵であるロード級と遭遇したところでスクリーンにオープニングムービーが映し出されました。
本公演の特徴として、U字型のステージで、壇上を囲むように客席があり、お客さんは3方からステージを見る形となっています。その目線の高さに壇上があり、ステージ全体どころか壇上の外まで使ってバトルをするため、バトルシーンが非常に迫力あるものになっています。さらに原作さながら、障害物の影に隠れながら戦闘をする『NIKKE』のバックショットもたっぷり堪能することができ、まさにゲームの再現といえます。
驚くポイントはまだまだあり、あのセクシーすぎるキャラクターの衣装を再現しているだけでなく、キャラクターのモーションや言動も完コピ、中には声まで原作そっくりなキャストも居て、「どうやってここまで再現できるメンバーを集めたんだ……?」と見ていてびっくりするほどでした。
そんな再現度高すぎなニケたち全員がカッコよく登場、キャラクター紹介と共にポーズを決めていくオープニングが終わり、改めてロード級との戦闘後から舞台が再開します。
指揮官たちやニケたちの拠点である「アーク」と通信が復活。管制官のシフティーからの情報により、開幕冒頭の墜落する音は指揮官の乗っていた輸送機の撃墜音であり、その原因がマリアンのせいだったと発覚します。
▲シフティー:遥りさ
そのことをラピが問い詰めると、マリアンは豹変。暴走したかのように「ここです」と繰り返し、それと共に巨大なラプチャー・ブラックスミスが現れます。ブラックスミスはニケを捕獲してラプチャーのパーツにしてしまうという恐ろしいラプチャーで、マリアンはラプチャーの侵食により操られ、ブラックスミスの元にニケたちを誘導する罠として使われていたのでした。
マリアンを助けるべくブラックスミスに突撃する指揮官とラピ&アニス。指揮官の冷静な分析により、なんとかブラックスミスを撃破するも、マリアンは脳までラプチャーに侵食されており、手遅れな状態でした。
ヒューマノイドであるニケは脳さえ無事ならば何度でもボディを作り直して復活できますが、逆に言えば脳をやられてしまうとアウト。軍規により暴走したニケは指揮官の手で銃殺処分しなければいけませんが、ニケたちを人間と同等の大事な仲間と思っている指揮官はそれを躊躇います。
そんな指揮官の様子を見て、一瞬だけ意識を取り戻したマリアン。指揮官にお礼を告げながら、指揮官の持つ銃に手をかけたところで暗転。一発の銃声と共に、舞台は「アーク」へと移り変わっていきます。
最初の仲間であり、献身的で指揮官想いのマリアンの暴走と死。あまりに過酷な世界観を突きつける展開に思わず息を呑み、そしてその非常さに思わず涙してしまうほどでした。
<次ページ:新たな仲間ネオンを加え、カウンターズ出撃!>
新たな仲間ネオンを加え、カウンターズ出撃!
アークに戻った指揮官、ラピ、アニス、さらにネオンという新戦力が加入し、「カウンターズ」小隊として新たなミッションに挑んでいきます。
▲ネオン:篠崎こころ
ここからはネオンとアニスの明るいキャラたちの絡みもあり、先程までの重い雰囲気が少しゆるんでブリーフィングパートなどではギャグシーンなども繰り広げられていきました。
しかし魅せるところはとことん魅せる。いざ任務が始まると、バトルに次ぐバトルで息もつかせず、大量のラプチャーたちを銃で薙ぎ払っていきます。
「カウンターズ」小隊は少人数かつ新米指揮官という編成でありながら、異例の戦果を挙げ続けるのですが、調査対象である重要施設の破壊(撤退のためやむを得ず)から最前線基地送りになってしまいます。
そこではニケたちの製造を行う三大企業のひとつ、ミシリスのCEOであり、軍司令部と同等の権力を持つシュエンの命令により、部隊の指揮系統を超えてシュエン傘下のニケ・ミハラ、ユニと共闘することになります。
▲シュエン:黒木美佑
▲ミハラ:赤井沙希
▲ユニ:伊織いお
その任務の末に出会ったのはまさかの知能を持ち人語を話すラプチャー・トーカティブ。その言葉の端々から人間やニケへの殺意を感じつつ、しかし同時に人間とコミュニケーションを取れるラプチャーが存在するという事実は全員に衝撃を与えました。
トーカティブの圧倒的な強さの前に手も足も出ないカウンターズの面々。そんな時、謎のニケが現れ、彼女の手助けによりなんとか脱出。アークに戻った指揮官は事態の報告を行うと共に、トーカティブやその手がかりとなりそうな謎のニケを追う新たな命令を受けました。
<次ページ:謎のニケを追って雪に覆われた北部へ。そこで敵として現れたのは……!?>
謎のニケを追って雪に覆われた北部へ。そこで敵として現れたのは……!?
ミハラ&ユニとはここでお別れし、謎のニケの目撃情報があったという北部へ向かうカウンターズ。雪と氷に閉ざされた大地で調査を進めるのですが、自爆するラプチャーの攻撃で雪崩が発生。巻き込まれたメンバーたちは散り散りになってしまいます。
指揮官が目を覚ますと、そこには北部で活動しているアンリミテッド部隊のルドミラとアリスという2人のニケが。彼女らに助けられた指揮官はカウンターズのメンバーと無事合流し、謎のニケの情報を集約しているという研究所をラプチャーから奪還していきます。
▲ルドミラ:小日向ななせ
▲アリス:北澤早紀
情報によると、謎のニケもといコードネーム・スノーホワイトは北部の各地を定期的に巡回しているような動きがあるため、次に出現しそうな位置を特定して、そこに向かうことに。研究所の維持のため残るアンリミテッド部隊に別れを告げ、特定した地点へと向かっていきます。
ところが、研究所のデータは改ざんされており、目標地点で待っていたのはトーカティブと大量のラプチャーたち。罠に落ちたカウンターズ部隊は再び敗走し、指揮官はトーカティブの手に落ちてしまいます。
目的は不明ですが、指揮官を尋問するトーカティブ。逆に自身の感じている疑問をぶつけ返す指揮官。それぞれの思惑が交錯しつつも、交渉が決裂しそうなその瞬間、再びスノーホワイトが現れ、圧倒的な強さでトーカティブを撃破。
▲スノーホワイト:小鳥遊あみ(AVAM)
スノーホワイトがトーカティブにとどめを刺そうとした瞬間、今度は人間を裏切りラプチャー側に着いたニケ、通称・ヘレティックと呼ばれるうちのひとりモダニアが襲ってきます。
▲モダニア:真島なおみ(一人二役)
ニケ以上の能力を持つモダニアのパワーに、逆にピンチになってしまうスノーホワイト。しかしここでカウンターズの3人もついに到着! 全員の力をあわせてモダニアを追い詰めます。
ここでモダニアが顔につけていたプロテクターが破損。そこに現れたのは、なんとマリアンと同じ顔でした。指揮官が思わず「マリアン」と呼びかけるとモダニアの様子がおかしくなり暴走。その後、モダニアが起こした爆発から命からがら逃げ延び、ルドミラやアニス、スノーホワイトの助力もありなんとかアークへと帰還するのでした。
トーカティブと交戦して生き残り、ヘレティックやスノーホワイトとも接触しながら生き延び続けているカウンターズはその戦果と特異性から、新たに特殊別働隊として地上で自由に活動する権利を得ます。
次なる任務はモダニアとなってしまったマリアンの救出。気合を新たに、再び任務に出撃するカウンターズのメンバーというところで閉幕となりました。
ここまで物語の要所だけ抜粋して紹介してきましたが、合間にはニケたちのコミュニケーションや葛藤、それぞれの立場から見た厳しい世界情勢など、様々な視点から原作である『NIKKE』の世界観を完璧に表現しています。
原作ファンであればあの感動と興奮をもう一度、という形で楽しめますし、原作を知らない方でも激しいアクションとその中に垣間見えるセクシーな要素、そして戦闘用の兵器であると自覚しながらも、交流によって人よりも人らしい面を魅せるニケたちの姿に惹き込まれること間違いなし。
ニケステから『NIKKE』を始めたくなるという方も出てくる内容となっていましたので、ぜひ再演の期間に足を運んでみてください!
[取材・文:二城利月]