Yahoo! JAPAN

美術ライターおすすめ 布を楽しむ展覧会

TBSラジオ

日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。

ゲストは、美術ライターの浦島茂世さん です。

今回のテーマは「布」
芸術の秋、おしゃれの秋。半袖から長袖、Tシャツからカットソー、セーターと装いが変わっていく季節です。そんなときだから、「布地」に関心が向きがち。ということで、いい感じの布がたくさん出てくる展覧会を紹介していただきました。

101歳まで現役だった染色家・柚木沙弥郎 永遠のいま!

柚木沙弥郎とは?
東京オペラシティアートギャラリー「柚木沙弥郎 永遠のいま」
柚木沙弥郎は、1922年に生まれ。2024年(去年)、101歳で生涯を閉じるまで、ずっと現役でいた染色家。戦後、岡山の大原美術館に就職。民藝運動の主要メンバーであった芹沢銈介の型染に出会って染色の道へ。

作品の特徴
モダンで大胆、そして鮮やかなデザインの布地を自らデザインして染め上げる作品が特徴です。染色作品だけでなく、絵本やハンガ、立体作品など様々なジャンルの作品も手がけています。2000年代に入ると、そのおしゃれなデザインが若い世代にも注目され始め、老若男女に愛される存在となりました。ものすごい大胆で、あざやかなデザインの布地を作り上げるだけでなく、絵本や版画、立体作品などさまざまなジャンルの作品を作り上げていきましたとさ。

展覧会の見どころ
力強くかっこいいデザインは、「自分の部屋に飾ったらどうだろう」と想像させるインテリア欲も刺激します。展覧会場ではグッズも販売されているので、小さなアイテムから柚木沙弥郎の世界を取り入れることもできます。

「柚木沙弥郎 永遠のいま」。
会期は、12 月21日・日曜日まで。
会場は、東京オペラシティ アートギャラリー。
京王新線・初台駅から徒歩5分の場所にあります。
休館日は、毎週月曜日。開館時間は、午前11時から夜7時。
入場料は、一般 1,600円、大学生・高校生 1,000円、中学生以下 無料です。

三人の女性の、服と人生の物語!装いの翼!

ちひろ美術館・東京「装いの翼 いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子」

絵本画家・いわさきちひろ、詩人・茨木のり子、美術作家・岡上淑子。
3人はジャンルも違うし、年齢もちょっとずつ違い、そして交流ありませんでしたが、恵まれた幼少期を過ごし、青春時代が戦争まっただなかという点に共通点があります。そんな3人は「装い」に着目した展覧会。

この3人のうち一人でも知っていたらぜひ行ってほしい展覧会。その好きな一人を深く知れるし、のこりのすごい二人を知ることができるという、一粒で3度おいしい展覧会であります。特に、岡上淑子のコラージュ作品は、数十年前とは思えないほど斬新なものが多いので見ていただきたいです。

見どころ
作品だけでなく、愛用品や服も展示されているため、それぞれの人柄や生き方も垣間見ることができます。特に岩崎千弘さんの絵は、子供の頃に読んだ「窓際のトットちゃん」などで見てきたものの、改めて大人の目で見ると、そのにじみを利用した輪郭線の描き方など、高度なテクニックに気づかされます。


「装いの翼 いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子」。
会期は、来年2026年2月1日・日曜日まで。
会場は、ちひろ美術館・東京。
西武新宿線「上井草駅」から徒歩7分の場所にあります。
休館日は、毎週月曜日。開館時間は、午前10時から午後5時。
入館料は、大人1200円、18歳以下・高校生以下無料です。

美の世界に没入!アール・デコとモード!

三菱一号館美術館「アール・デコとモード ―京都服飾文化財団(KCI)コレクションを中心に」

アールデコとは?
フランス語で「装飾」を意味する「アール・デコラシオン(Art Decoration)」の略。1920年代の様式を総称してアールデコと呼びます。第一次世界大戦後の短い平和の時代に、世界中の文化や様式がフランスに流入し、それらが混ざり合って生まれた新しいスタイルです。

2025年は、パリで開催された展示。
「モード」が中心的な主題のひとつであった装飾芸術の博覧会=「通称アール・デコ博覧会」から100年目という記念すべき年。これを記念して、アール・デコのドレスやアクセサリーなどを見ていく豪華絢爛でうっとりする展覧会。

見どころ
シャネルをはじめとする有名デザイナーの作品や、当時の装飾美術を堪能できます。この時代は職業婦人の増加、女性のスポーツ参加など、女性にとって大きな転換点となった時代でもあり、社会背景も含めて楽しむことができます。

とにかくかわいい、美しい、うっとり、、、と美の世界に没入できる展覧会。シャネルやポワレなど、いまのファッションの基礎を作ってくれた人たちの服が怒涛のように出てきます。キャプションを読んでいると脳内に大内順子(という人が昔いた)が蘇ってきます。

「アール・デコとモード」。
会期は、来年2026年1月25日・日曜日まで。
会場は、三菱一号館美術館。
JR「東京駅」から徒歩5分、東京メトロ千代田線「二重橋前駅」から徒歩3分のところにあります。
観覧料は、一般:2,300円、大学生・専門学校生:1,300円、高校生:1,000円、中学生以下 無料です。

浦島茂世さん
神奈川県鎌倉市出身。
大学では美学美術史を専攻し、1920年代の西洋美術・工芸について学ばれます。
卒業後は、国内外で年間150以上の美術館やギャラリーへ足を運び、常日頃、美術の最前線を取材されています。
また、著書に『東京のちいさな美術館めぐり』『猫と藤田嗣治』があるほか、博物館学芸員免許もお持ちでいらっしゃいます。
美術の面白さをわかりやすく伝える“美術ライター”、浦島茂世さんです。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 11/15(土)~12/25(木)蓼科高原の英国式庭園がライトアップ『バラクラ Magical Lighting2025』長野県民&同伴者限定で入場無料期間あり!【2025-2026年 長野県イルミネーション】@茅野市

    Web-Komachi
  2. 「マーク&ロナ」を展開するキューブの第3四半期決算は国内成長続くもコスト増で利益圧迫

    セブツー
  3. 高知発・新世代アーティストAwaysteeeem、初のEP「BPM DRESSED IN BLACK」をリリース

    SPICE
  4. 新潟県内の人気パン店が弥彦に集結! 「ニイガタコネルクラブ パンマルシェ」11月24日開催

    にいがた経済新聞
  5. 【大根あったら絶対作って!】「手が止まらない」「子供もパクパク食べた」のり塩チーズ大根もちレシピ

    BuzzFeed Japan
  6. 市川市文化会館で開催の『『魔法使いの約束』オーケストラコンサート- Musica Fragmenta -』 プレオーダー2次先行受付がスタート

    SPICE
  7. 「まつこ」号に名誉賞 にしそわ牧場が出品 伊賀産肉牛共進会

    伊賀タウン情報YOU
  8. 【七五三で事件です!?】七五三しなかった理由。まさかの真実が…【まんが】#ママスタショート

    ママスタセレクト
  9. 【武蔵野S】関東馬は上位人気馬をケアしておけばOK? 過去10年の傾向から見えてくる3連単を的中させる軸馬の狙い方

    ラブすぽ
  10. 【ポケモン新作スマホケース】北欧柄がかわいすぎる!大人かわいくて使いやすい全5種出たよ♪

    ウレぴあ総研