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ビジュアル面から明かされるオリジナルキャラクター「ユーリ」の制作秘話──アニメ『グノーシア』リレーインタビュー第5回 キャラクター原案・ことりさん×総作画監督・松浦有紗さん

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年10月11日より放送がスタートしたTVアニメ『グノーシア』。

舞台は宇宙を漂う一隻の宇宙船、星間航行船D.Q.O.。人間に擬態した未知の存在「グノーシア」を排除するため、乗員たちは毎日1人ずつ、話し合いと投票によって“疑わしき者”をコールドスリープさせていきます。

しかし、主人公・ユーリは、どんな選択をしても“1日目”に戻ってしまう——そんなタイムリープの渦中にいました。

極限状況の中で交わされる会話を通じて、少しずつ明かされていく乗員たちの本音や秘密。信じるべき相手は誰なのか。何が正しい選択なのか。繰り返されるループの先に待つものとは——。

人狼ゲームをベースにしながらも、SF要素やキャラクタードラマを掛け合わせた独自の体験型ゲームとして熱狂的な支持を集めてきた『グノーシア』。その唯一無二の世界を映像として立ち上げるにあたり、制作陣はどのような試行錯誤を重ねてきたのでしょうか。

第5回は、原作ゲーム開発を手がけたプチデポットの画像担当およびキャラクター原案・ことりさんと、アニメのキャラクターデザイン・総作画監督を務める松浦有紗さんに、キャラクター制作の舞台裏や作品への想いを伺いました。

 

 

【写真】アニメ『グノーシア』リレーインタビュー第5回 ことり×松浦有紗

オリジナルキャラクター「ユーリ」のビジュアルが決まるまで

──最初にお二人が初めてやり取りをされた時、どんなことを話されたのでしょうか。

キャラクターデザイン・総作画監督 松浦有紗さん(以下、松浦):最初は会議室のような場所でご挨拶をさせていただきました。その後、制作のメンバーで夜ご飯をご一緒したときに席が近かったこともあって、いろいろお話ししましたよね。お互いのキャリアのことや、どうやって絵を描く仕事に就いたのか……というようなことを。

原作 画像担当 キャラクター原案 ことりさん(以下、ことり):そうでしたね。私は最初に(TVアニメの)設定資料をいただいたときに「すごく綺麗に描いてくださってありがとうございます」とお礼を伝えた記憶があります。

──制作のプロセスはどのように進められたのでしょうか?

松浦:まず、ことりさんの原案イラストやスチルのデータをいただいて、それを見ながらベースとなるキャラクターのラフを作成していきました。正面・横・後ろの立ち絵や表情をいくつか描いて、チェック用として提出するという流れですね。

あとはプチデポット・リーダーの川勝徹さんとことりさんに確認していただいて、修正があれば反映していくという形でした。

ことり:原作にない部分を描く必要があるときに「こういうイメージなんです」と言葉で伝えるくらいで、基本的にはお任せしていました。どのキャラも本当に素敵に描いていただいて、ありがたかったです。

一部キャラ性やポーズなどの面で調整をお願いすることもありましたが、ほぼ一発OKのキャラが多かったように思います。

──松浦さんは、ことりさんのイラストを初めてご覧になったとき、どんな印象を受けられましたか?

松浦:すごく綺麗で、水彩チックな柔らかい空気感があると感じました。絵に湿度があるというか……1枚で完結する力を持っている印象でした。

ただアニメになると線がどうしてもはっきりしてしまうので、ことりさんの絵のにじみやウェットな質感をどう表現するかを考えました。特にアップになったとき唇などは、グロスをつけたような質感を描き込むように心がけています。

──アニメ化に際して、制作時に一番苦労なさったキャラクターは?

ことり:一番やり取りが多かったのはジナだったんじゃないかな、と。

松浦:確実にジナですね(笑)。

ことり:最初にいただいた立ち絵を拝見したときに「ちょっとセクシー寄りかな」と感じたんです。個人的には、割と清純な印象のキャラクターだと考えていまして。

特に、原作のシナリオ担当がとても思い入れのあるキャラクターだったので、丁寧に確認させていただきました。例えば「このポーズは少しジナらしくないかもしれません」といったことをお伝えしまして。

松浦:ご意見をいただいて、ポーズ修正を中心に進めさせていただきました。キャラクターを表現する上でポーズはとても大事だと思っているので、率直なご意見が聞けて良かったなと思います。

ことり:本当にそういった細かいやり取りが多かったですね。でも基本的に、どのキャラクターも綺麗に仕上げていただいて、とてもありがたかったです。

──本アニメの主人公でもあるオリジナルキャラクター「ユーリ」について聞かせてください。ビジュアルはどのように決まっていったのでしょうか?

ことり:最初にアニメの制作チームに、性別で分けた3パターンの原案ラフをお渡ししました。ある程度ストーリーが固まってから「すこし少年っぽいキャラクターを」とリクエストをいただきました。結果、最初に描いた案を松浦さんにブラッシュアップしていただく形になりましたよね。

松浦:最初の案をほぼそのまま落とし込みつつ、要望があった「少年っぽさ」をすこし加えました。ことりさんが追加案で描いてくださった“ラフの半ズボンにスパッツ”という要素を参考にしています。髪型は、3パターンのうち汎バージョンの髪型……一部を後ろで三つ編みのようにしているデザインを採用させていただきました。

ことり:原作でも、ユーザーが性別を「男・女・汎」の3つから選べるというのは大きな特徴だと思っていたので。ユーリを作る上でも「3」という数字は意識していました。だから三つ編みを意図的に入れたんです。

松浦:最初の案とすこし少年っぽい案をミックスした結果、今のユーリのデザインが完成したんだと思います。

 

「SF的な要素をしっかり表現したい」という思いから生まれたキャラクターたち

──『グノーシア』には様々なキャラクターが登場しますが、オトメやしげみちといった「人ならざる存在、一見して人間と識別しづらいキャラクター」については、どのように生み出されていったのでしょうか。

ことり:作品の世界観から、SF的な要素をしっかり表現したいと考えていました。だからこそ、人間ではない存在も登場させたいなと。知性化動物といえばイルカかサルが定番ですが、私はサルよりイルカの方が好きだったので、オトメはイルカになりました。しげみちは……本当に出オチ要員というか(笑)。

松浦:しげみちって、大きい目が特徴なんですよね。なので、監督の市川さんとも「表情を大きく動かしてみましょう」とお話ししていて。線が少なくて描きやすいので、すごくコミカルにも動かしやすいキャラクターでした。

そういう意味では、オトメは逆に構造が複雑で。宇宙服のようなヘルメットの中に水が入っている設定なので、ことりさんから後ろ姿・横顔・ヘルメットを外した姿など、詳細な資料をいただいたんです。その上で社内で仮の3Dモデルを作成してもらい、ヘルメットが正しく装着できるかを検証しました。

ことり:ありがとうございます。本当にお手数をおかけしました(笑)。

──お二人それぞれ、思い入れのあるキャラクターを挙げるとしたら?

ことり:私はシピですね。シピはゲーム制作時も私が担当するような感じがあって、シナリオや細かいセリフにも、シピを含む何人かは必ず私のチェックが入るキャラクターで。

最初はそこまで思い入れがあったわけではなかったんですけど……ゲームをプレイしたとき、私が人狼確定して孤立していたターンがあって。そのときシピの部屋に行ったら、すごく優しいセリフをかけてもらったんです。

ただ実はそれはバグで、本来出る予定じゃないセリフだったんですけど(笑)。それ以来、思い入れのあるキャラクターになりました。

松浦:私はククルシカです。デザイン時に「どうすれば人形らしさを表現できるか」をすごく考えました。瞳や唇の処理を他のキャラクターと変えて、ドール写真を参考に描いたんです。アップになったときの肌の質感で「人形らしさ」を感じさせられるよう意識しました。

──ちなみに、乗員がグノーシア化したときの表情について、ことりさんは原作制作時にどんなことを考えながら描かれていたのでしょう?

ことり:「とにかくみんなをびっくりさせたい」「怖がらせたい」という意識で取り組んでいました。普段の表情から豹変する感じを意識していましたね。

──映像でキャラクターが動く姿をご覧になって、どんな気持ちになられましたか?

ことり:正直「作画の大変なキャラクターで申し訳ない」と思っていました。想像以上に細かく動いていて、「こんなに描いていただいて大丈夫なんだろうか」と心配になったくらいです。本当にすごいなと感動しました。

松浦:制作に携わっている立場なのですが、しっかり(キャラクターを)動かせた実感があります。派手に動くカットはもちろん見どころですが、今回は特に止め絵でも見栄えするカットというのも大切にしています。

今後も本編では1枚で映えるようなショットがどんどん出てくるので、視聴者の皆さんにはぜひ楽しみにして欲しいですね。

 

アニメならではの“表情の変化”に注目

──今回、TVアニメ『グノーシア』に関わる中で、刺激を受けた点を教えてください。

松浦:今回、キャラクターデザイン・総作画監督に加えて、演出としても数話担当させていただきました。チェックのやり取りを通じて常に刺激を受けていましたし、アフレコ現場に川勝さんが毎週名古屋から来てくださって感想をいただけたのも励みになりました。原作サイドとここまで密にお話しできる現場は今までなかったので、貴重な経験になりましたね。

ことり:自分が作っていなかったSF的なギミックを、アニメ用に作っていただけたことが刺激でした。宇宙船の全体モデルや衣装の細かなパーツなど、3Dで構築していく部分が本当にすごいなと。完成した映像が放送されるのをすごく楽しみにしています。

──最後に、第5話をご覧になった皆さんへ向けてメッセージをお願いします。

松浦:「グノーシアでした」と明かされる瞬間の表情の変化に注目していただきたいです。その怖さやギャップは、演出と合わせて、ゾッとする瞬間を狙って力を込めて描きました。

ことり:先ほども少し触れましたが、ゲームでは出てこなかった宇宙船のさまざまな場所や細かいギミック……例えば「エレベーターはどうなっているのか」といった部分まで、アニメでは表現されています。ゲームでは見られなかった、アニメならではの作り込まれた世界を味わっていただけたら嬉しいです。

 

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