市川團十郎の襲名披露と市川新之助の初舞台を豪華出演者と魅力的な演目でみせる 襲名披露興行の掉尾を飾る『十月大歌舞伎』が開幕
2024年10月10日(木)大阪松竹座にて「市川海老蔵改め 十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目 市川新之助初舞台 『十月大歌舞伎』」が開幕した。
本公演は、令和4(2022)年から2年にわたり各地で行われてきた、襲名披露興行の掉尾を飾るもの。大阪では、團十郎の襲名披露と新之助の初舞台を、豪華な出演者と魅力的な演目で寿ぐ。
昼の部は、成田屋所縁の通し狂言『雷神不動北山櫻』を上演。團十郎が鳴神上人、粂寺弾正、早雲王子、安倍清行、不動明王の5役を勤め、豪快な荒事、早替り、大立廻りを繰り広げて魅了する。最後は不動明王の姿で空中浮遊を披露し、客席を圧倒。『毛抜』の小野春道に中村梅玉、『鳴神』の雲の絶間姫に中村雀右衛門など、豪華な配役でおくる、勧善懲悪の物語だ。
夜の部は、『義経千本桜』「鳥居前」、『一條大蔵譚』「奥殿」に続き、『口上』、『連獅子』の豪華見取り狂言でおくる。襲名披露『口上』では、團十郎、新之助に加え、中村梅玉、中村雀右衛門、中村鴈治郎、中村扇雀をはじめ10名の出演者がずらりと居並び、一人ひとりからお祝いの言葉が述べられる。團十郎、新之助からは、観客へ感謝と挨拶が述べられ、最後は團十郎が「にらみ」を披露した。
そして、今回初めて親子で披露する『連獅子』が切狂言となる。二人が舞台に登場すると、客席が待ってましたとばかりの拍手で迎え、團十郎と、初役で勤める新之助を見守る。前半は獅子の子落としになぞらえた踊りを丁寧に披露し、後半は親子で息の合った毛振りや勇壮な獅子の舞を見せると、劇場が割れんばかりの拍手と「成田屋!」のかけ声に包まれ、興奮のなか、幕となった。
大阪松竹座『十月大歌舞伎』は26日(土)が千穐楽。締めくくりを迎える成田屋の襲名披露興行に期待しよう。