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新宿三丁目『クレッソニエール』のワンプレートランチは“本場”フランスの味を存分に楽しめる

さんたつ

“フランス料理”と聞くと、気取ったイメージやコース料理を思い浮かべる人もいるだろう。ランチであっても、都内のフレンチレストランではそれなりに値段が張る。なかなかハードルが高いフレンチを気軽にいただくには、新宿三丁目にある『クレッソニエール』へ足を運ぶといいだろう。ランチで人気のワンプレート料理がおすすめだ。

伝統を重んじたシェフが作る“本場”フレンチの定番

地下鉄新宿三丁目駅に直結するビルの地下1階に店を構える『クレッソニエール』。JR新宿駅からは、新宿通りの地下に伸びるメトロプロムナードを通っても行きやすい。

地上側からビルに入る場合、ファーストキッチン(右)が目印になる。左手の自動ドアから『クレッソニエール』へ。

『クレッソニエール』のこだわりは、“本場と同じ”フレンチの味。2005年の開店以来、フランスの伝統を重んじた郷土料理が人気を集めている。

『CRESSONNIÈRE(クレッソニエール)』は、フランス語で「クレソン畑」という意味だそう。

南フランスの料理を得意とするオーナーシェフの味を受け継いだ、店長兼料理長の武田昌巳さん。「和食や中華やイタリアンのように、フレンチの食文化を日本に根づかせたい」という想いで、フランスを代表する伝統料理をメニューにラインナップしている。

「フレンチだからといって、かしこまった料理ばかりではないんですよ。うちではフランスの店で食べられる料理と同じように、フランス人になじみのある味を大切にしています。日本人がそばやうどんを選ぶような感覚で、普段から食べてもらえるようなフランス料理です」。

ホールで接客する際、料理にぴったりのワインを提案できるようにソムリエの資格を取得したという武田さん。

武田さんには、「フランス料理を“本場”と同じ味で広めたい」という信念がある。「その国の料理の味や作り方を自由に変えてしまってはいけない」と日本人の舌に合わせてアレンジはせずに、フランスの歴史や文化に敬意をもって厨房に立っている。

ランチで気軽にいただけるワンプレート料理

フランス料理をもっと気軽に楽しんでもらえるようにと、ランチではワンプレートで料理を提供している。肉や魚のソテーがメインの日替わりランチ1350円は、平日限定の人気メニュー。フォンドヴォーや粒マスタードなどを使った多彩なソースで、フランス料理の醍醐味を味わえる。

この日は1日20食限定の、丸ごとトマトの肉詰めロースト プロヴァンス風1650円をチョイス。オーブン当初からの看板メニューだ。

銀のトレイで運ばれてくるワンプレート料理。目の前でプレートの蓋が開き、丸ごとトマトがお目見え!

トマトや野菜の肉詰めは南フランスならではのスペシャルな料理のひとつで、「フランスで広く親しまれている味そのものを、お客さんに味わっていただきたい」と武田さん。

肉厚のトマトはジューシーで、中にはスパイスがほどよく効いた挽肉がぎっしり。トマトの甘みと酸味が引き立っている。

トマトをくりぬいた中に、あらかじめ火を入れた挽肉のタネを詰め込んでオーブンで焼き上げる。ソースはトマトの中身を煮詰めたもの。 “丸ごとトマト”なだけに、トマトそのもののおいしさを存分に引き出した逸品だ。

トマトの肉詰め、バターライス、マッシュポテトが一緒に盛られているので、ソースを絡めながら食べられる。

細かく刻んだと玉ねぎとパプリカを一緒に炒めたバターライスは、玉ねぎの旨味が凝縮されていて味わい深い。マッシュポテトはなめらかでやさしい味つけ。ねっとり感があって、ソースにつけて食べるとまた旨い。

トマトの肉詰めを崩してソースをたっぷり絡め、バターライスとマッシュポテトを混ぜていただくのも美味。

「混ぜて食べてもおいしいと思いますよ」という武田さんのひと言で、思い切ってプレートに盛られた料理たちをまぜまぜまぜ……。「こんな風にしてフランス料理を食べたことってないなあ」と思いながら口に運ぶと、なんとも絶品!!

「フレンチだからと気負わずに、その人なりにおいしく食べてもらいたい」という武田さん。格式張らず好きに食べてもいいことを教えていただき、フレンチに少々緊張していた筆者は肩の力が抜け、食事が楽しくなってきた。

自家製パンはやわらかく、ソースとの相性抜群。パンとバターは追加で注文できる(1個各170円)。

フランス料理にパンは付き物。続けてパンにもソースをつけてみようと思い、全粒粉のパンをひとちぎり。パンにトマトソースをたっぷりしみこませ、マッシュポテトもきれいにすくい、ソースも余すことなく完食!

セットのスープは日替わりで、この日はカリフラワーのスープ。まろやかな口あたりで、ほどよく塩味が効いた上品な味だ。

ライオンヘッドのスープボールはフランス伝統のフォルム。ライオンの顔を指ではさんで持つとスプーンですくいやすい。

スープはプラス700円(小)または1000円(大)で、店自慢のオニオングラタンスープに変更できる。ただし1日10食限定で、20分ほど時間がかかるそうなので、ゆっくりランチができる時にぜひいただいてみたい。

このほか、ワンプレート料理にはオプションで、キャロットラペとキャベツのマヨネーズ和えのサラダや、デザート各250円をつけることもできる。(許されるならば)昼からワインも一緒に頼んで、フランスの定番料理をゆっくり贅沢に堪能したいところだ。

フランス料理を愛するプロが集結し、新たな歴史を刻む

オーナーシェフの田中彰伯氏は、パリや南フランスの一流レストランで名を揚げた名料理人。日本へ帰国後、1993年に南青山にフランス料理店「レ・クリスタリーヌ」を開店した。2001年、渋谷宮益坂に「コンコンブル」、2005年にその姉妹店『クレッソニエール』を新宿三丁目で立ち上げた。

フレンチの巨匠・田中彰伯氏(左)に師事し、フランス料理の基本を一から学んだ武田さん。

武田さんは30代で田中氏と出会い、南青山と渋谷の店で腕を磨いた。その後、新宿店の立ち上げを任され、料理長として店を切り盛りしてきた。

本場さながらのパリのビストロの雰囲気が漂う店内。ランチの後はディナーのしつらえに変わる。

愛弟子を想う田中氏の優しさが、店内にさり気なく貼られている“お知らせ”から伝わってくる。武田さんがソムリエとしてホールに立つ時に、お客さんに親しんでもらえるようにと田中氏が掲示したそうだ。

「当店のシェフは無口でムッとしておりますが、決しておこっているわけではありません。笑顔で対応いたします」。

2021年8月、コロナ禍の影響で「コンコンブル」は惜しまれながら閉店し、『クレッソニエール』はWシェフ体制となった。「コンコンブル」の料理長だった奥村憲治さんが作る特製のオニオングラタンスープが新宿店でまた食べられると、渋谷店のファンだったお客さんたちは大喜びで新宿まで足を延ばすそうだ。

左から料理長No.2の奥村憲治さん、料理長No.1の武田昌巳さん、支配人の山田光明さん。

武田さんと奥村さん、2人の名料理長による伝統に裏打ちされたフレンチと、「レ・クリスタリーヌ」で給仕長を務めた支配人・山田光明さんの一流のおもてなし。フランス料理をこよなく愛する3人は力を合わせ、これからも“本場”フランスの味で多くのお客さんを魅了していくだろう。新たな『クレッソニエール』の歴史は、まだ始まったばかりだ。

クレッソニエール(くれっそにえーる)
住所:東京都新宿区新宿3-4-8 京王フレンテ新宿三丁目B1F/営業時間:11:00~15:00LO・18:00~21:00LO/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄新宿駅から徒歩5分、地下鉄新宿三丁目駅直結

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=コバヤシヒロミ

アート・サプライ
編集プロダクション
1971年創業の編プロ。「旅&食&散策」ジャンルに強く、情報誌では子供向けから鉄道やドライブでの大人旅まで。さらにグルメ系ではラーメンや唐揚げ専門情報誌をはじめ、日本全国うまいもの紹介なども手掛けている。

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