日本美術の「知られざる鉱脈」を掘り起こす展覧会 ― 大阪中之島美術館で2025年に開催
推定復元 伊藤若冲《釈迦十六羅漢図屛風》 (左から)山下裕二(明治学院大学教授、本展監修)、林野雅人(大阪中之島美術館 主任学芸員)
これまでほとんど注目されていなかった「知られざる鉱脈」としての日本美術に焦点を当てた展覧会が大阪で開催されることになり、記者発表が行われた。
近年、日本美術は、江戸時代の画家・伊藤若冲を筆頭にブームといえる状況が続いているが、若冲も2000年に京都で開かれた特別展の前は、一般の人にとっては「知られざる鉱脈」だった。
展覧会は明治学院大学教授の山下裕二氏が監修。
伊藤若冲、曽我蕭白、長澤蘆雪らの奇想の画家をはじめ、霊彩、式部輝忠など室町水墨画、原田直次郎、狩野一信など幕末・明治の画家、不染鉄、牧島如鳩など大正・昭和期の画家、さらに縄文土器から現代美術まで、幅広い作品を紹介する。
この日の記者発表では、展覧会に出展する2点の作品が披露され、伊藤若冲の《釈迦十六羅漢図屛風》は、戦災によって焼失したと思われる屛風で、最新のデジタル技術で復元。
伊藤若冲の《竹鶴図屛風》と円山応挙の《梅鯉図屛風》は、若冲と応挙がそれぞれ一隻ずつ手掛けた屛風で、これまでにまったく類例がない。金箔の質も同一のため、発注者が金屏風を仕立て、若冲と応挙に画題を指定して依頼したものとみられている。
「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」は大阪中之島美術館 4階展示室で、2025年6月21日(土)~8月31日(日)に開催。ちょうど大阪万博の会期中に開催される。
伊藤若冲《竹鶴図屛風》、円山応挙《梅鯉図屛風》