【激安】500円でバターチキンカレー&デザートまで!どうして安いの?買うことでつながる自立支援
バターチキンカレーが税込み500円に、しっかりしたお弁当が300円!?
札幌のアノ激安店は、なぜ安いのか?安さの秘密に迫ります。
帝国データバンクの調査によると、2月の食品値上げ数は1626品目となりました。
視聴者からの疑問や悩みを調査するHBC報道部のもんすけ調査隊にこんな一報が…。
《依頼人(ハッピー・エンドさん・40代札幌在住)》
「何でも値上がりしているのに、なぜか激安の飲食店があります。なぜ安いのでしょう?」
この物価高の時代に、安く食べられるのはうれしい!
やってきたのは、札幌市厚別区にあるカフェ「シナノガーデン コスモス」。
看板には500円ランチの文字。ナポリタンも、500円です。
確かにメニューを見ると激安なのはよくわかりますが、内容は大丈夫なの?
そう思って、500円の週替わりランチ、バターチキンカレーを注文すると…
スープにサラダ、デザートがついて、ボリューム満点!とてもワンコインとは思えません。
ナポリタンも、ウインナーやピーマン、タマネギがごろごろ入って500円です。
食パンは1斤240円!
美味しそうなオレンジレアチーズケーキも270円、サンドイッチも、ボリューム満点で450円です。## 障害のある人たちが訓練中
なぜ、こんなにも安いのでしょうか?
それは、ここが就労継続支援サービスの福祉施設だから。
障害のある人たちが知識やスキルを身に着けるための福祉施設なのです。
就労継続支援には、雇用契約を結ぶA型と、自分のペースで働けるB型があります。
こちらの施設はB型で、17人が働いています。
通っているお客さんも「接客も問題ないし、安いのであれば、すごくいい」と話します。
さらに中央区の「かでる2・7」2階には、同じ系列店の「カフェ ド マデル」があり、札幌中心部でありながら、日替わり定食が600円で食べられます。
毎日食べられる豚汁セットは500円です。
さらに就労継続支援は、飲食店だけではありません。
コストを抑える「企業努力」
やってきたのは地下鉄・大通駅2番出口、すぐ近くにある「ピアハーブ大通店」。
こちらも就労継続支援B型のお店です。
こちらのピアハーブでは、300円の「にくじゃが弁当」を始め、いなり弁当やザンギ弁当など、多種多様な弁当が300円から400円で買えちゃいます!
物価の高騰もあってか、オープンの午前8時から1時間ほどで売り切れるほど大人気。
ほかにも、150円のケーキや野菜、果物なども特価で販売しています。
ピアハーブを運営する日本園芸療法士協会の瀬山和子理事長は「障害者の枠の中だけじゃなくて、一般の人の中で売っていこうと、人の見えるところで私たちを見てもらおうって」と話します。
ピアハーブでは、この価格にするために、自分たちの畑で作物を作り、調理から弁当箱の組み立て、フタの印刷まで自分たちで行うことでコストを限界まで抑えているのだそう。
「以前は『障害者だ』と言って去っていく人もいた。でも今は一切なく、本人たちは自信がついて、接客ができるようになった」と瀬山理事長は教えてくれました。
「日常の自立」支えあうには
ほかにも就労継続支援には、こんなお店も…
やってきたのは、中央区にある「花のアウトレット市場」。
規格外の10円の花を始め、普通の花屋さんよりも安く花を買うことができます。
日本心のバリアフリー協会の杉本梢代表理事はこうした事業について「就労というよりは日常の自立」だと話します。
「障害を理由に働けないというのは、精神的にも生活的にも苦しい。事業所に行くだけで、『やらなければいけないことがある』と、気持ち的にも安定する。どんどん利用して、就労継続支援について知って欲しい」
調査結果です。
依頼のあった飲食店が安い理由は、障害者が技術を身につける就労継続支援の事業所だから。
就労継続支援B型は、月に約70時間ほど作業して、全国平均で月1万6507円、北海道で1万9523円と工賃が安いのが現状です。
あくまで就労継続支援は、技術を身につけて社会に出るための職業訓練所のような場所。
国の決まりで「自分達の生産活動の利益からしか工賃を支払うことができない」ので、これくらいの金額になってしまうようです。
だから私たちが、利用することが工賃アップに繋がります。
障害者への理解が広がって、通常の価格でも営業できるようになれば、障害者の工賃も上げられるので、そんな社会になって欲しいですね。
文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年2月23日)の情報に基づきます。