Yahoo! JAPAN

「心打たれる経験」「人生の大切な教訓」天才双子ピアニストが震災支援!映画『デュオ 1/2のピアニスト』インタビュー&来日映像公開

映画評論・情報サイト BANGER!!!

「心打たれる経験」「人生の大切な教訓」天才双子ピアニストが震災支援!映画『デュオ 1/2のピアニスト』インタビュー&来日映像公開

オスカー制覇『コーダ あいのうた』プロデューサー最新作

実在するフランスの双子の天才ピアニスト、プレネ姉妹の数奇な運命と人生をモデルに、難病により夢を奪われた双子姉妹の苦難と葛藤と成功の物語を描いた、映画『デュオ 1/2のピアニスト』が全国で絶賛上映中だ。

公開直後からSNSでは、「実話だったことに驚いた!」「実話…世界は知らないことばかりで素敵だ」「実際の奇跡の演奏をぜひ見てみたい」などと、奇跡の実話を基に制作された本作へ驚きと感動が巻き起こっている。

このたび、そんな天才ピアニストのモデルとなった双子の姉ディアンさんへのインタビューが実現。さらに2003年に日本で開催されたコンサート映像も到着した。

『デュオ 1/2のピアニスト』© 2024 / JERICO – ONE WORLD FILMS – STUDIOCANAL – FRANCE 3 CINEMA

遺伝性の難病を乗り越えた“驚きのアイデア”とは?

本作のモデルとなったディアン&オドレイ・プレネは幼い頃にピアノを始め、ソロ・デュオとして数々のコンクールで受賞。その頃から2台のピアノで演奏するピアニストを夢見ていた。映画にも登場する、実在するドイツの名門カールスルーエ音楽院に入学したディアン&オドレイは、音楽院に通いながらヨーロッパ各国で音楽を学び、着実にピアノ・デュオとしてのキャリアを積み上げていた。ところが、2人の両手は骨が弱くなっていく遺伝性の難病に見舞われ、それは演奏中に骨折するほど深刻だった。

そんな絶望の淵に立たされた2人は一度ピアノから離れるも、改めて自分たちにとって“ピアノがすべて”であることに気づく。そして、リハビリで医師に教わった関節に頼らない手の動かし方からインスピレーションを受け、妹ジャンヌが新しい演奏法を思いつくのだった。

『デュオ 1/2のピアニスト』© 2024 / JERICO – ONE WORLD FILMS – STUDIOCANAL – FRANCE 3 CINEMA

モデルのディアン&オドレイは実際に、どうこの試練を乗り越えたのだろうか? 同じ病気に見舞われながら個人差もあったそうで、姉ディアンは「より重い病状だった私が、最初に考案しました。そして、私たちは共に試行錯誤を重ねながら、この演奏法を完成させたのです」と、世界的に見ても唯一無二の2人の演奏法が生まれた経緯を明かす。

『デュオ 1/2のピアニスト』© 2024 / JERICO – ONE WORLD FILMS – STUDIOCANAL – FRANCE 3 CINEMA

2人の演奏でもう1つ特徴的なのが、背中合わせで演奏するスタイル。これについてディアンは「私たちは、コンサートで観客がピアニストの手元を見られないことに常々不満を抱いていました。そこで、背中合わせで演奏することで、両方の鍵盤を見ることができることを思いついたのです。この演奏スタイルは観客から高く評価されていますが、私たちにはさらなる挑戦が加わりました。舞台に立つと、まるでアクロバットのように命綱なしで演奏している感覚になります」と語る。

2人はピアニストにとって致命的な手の病気を乗り越えただけでなく、これまで抱えていたジレンマをも克服し、逆境を大きなチャンスに変えたのだ。

『デュオ 1/2のピアニスト』© 2024 / JERICO – ONE WORLD FILMS – STUDIOCANAL – FRANCE 3 CINEMA

貴重映像! 復興支援で来日コンサート

難病を克服し世界中で活躍を広げる中、実は日本にも来演していたディアン&オドレイ。偶然パリで出会った日本人をきっかけに日本との繋がりが生まれ、2011年東日本大震災のニュースを知り、「コンサートの収益を被災地に寄付したい」という想いから、2013年ついに日本公演が実現。今回、東京で開催されたそのコンサートの一部映像が公開された。

2人は演奏前に、とても流暢な日本語を披露。妹オドレイは幼い頃から日本が大好きで、独学で日本語の勉強をしており、この日のためにディアンも一緒に日本語を猛特訓したという。そして、1曲目に演奏するアンドレ・ギャニオンの「ノクターン」では、ピアノに手を置くタイミングをもピタリと合わせ、そこには“背中合わせ”でお互いが見えていない状態とは思えない奇跡の瞬間が。山田耕筰の「赤とんぼ」など日本で親しまれる曲を2人の演奏法にアレンジした演奏も披露している。

「彼らが今も幸せに暮らしていることを心から願っています」

ディアンはこの東京公演について「観客の反応は非常に温かく、感動に包まれました。忘れられない思い出です。コンサート後、私たちは被災地のいくつかを訪れ、支援団体のメンバーと会う機会を得ました。その中には、震災で全てを失った方々もいました。それでも彼らは温かく迎えてくれ、笑顔を絶やしませんでした。その姿に、胸が締めつけられる思いでした。本当に心を打たれる経験であり、人生の大切な教訓となりました。彼らが今も幸せに暮らしていることを心から願っています」と振り返り、今も日本と被災地へ馳せる想いを語る。

そんな日本とも縁のあるディアン&オドレイの奇跡の実話を基に、双子の天才ピアニストの半生を描いた本作。生み出した本人ですら難易度の高さを示す演奏法を、主演のカミーユ・ラザとメラニー・ロベールが猛特訓の末その演技シーンを披露し、感動のクライマックスが生まれている。情熱を絶やさず、唯一無二の演奏法で世界中に奇跡の音色を響かせた双子姉妹の物語を、ぜひ劇場で目に焼き付けてほしい。

『デュオ 1/2のピアニスト』© 2024 / JERICO – ONE WORLD FILMS – STUDIOCANAL – FRANCE 3 CINEMA

夢を絶たれた天才ピアニストの双子姉妹が、ある“ひらめき”によって生み出した唯一無二の奇跡の旋律。ピアノへのかけがえのない想いに気づいた時、“1/2のピアニスト”が最上級の“ソリスト”に生まれ変わる――。未だかつて誰も見たことのない、映画史に残る感動のクライマックスとは?

映画『デュオ 1/2のピアニスト』は全国で絶賛上映中

【関連記事】

おすすめの記事