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千葉ジェッツ熱烈ブースター座談会「GO JETS!は魔法の言葉」

チイコミ!

千葉ジェッツ熱烈ブースター座談会「GO JETS!は魔法の言葉」

今やBリーグ屈指の強豪となった千葉ジェッツ。

そこに至るまでには長い苦難の時代がありました。

弱い頃から試合を見続けてきたブースター3人に「僕らがジェッツを応援する理由」を聞きました。

(取材日/2024年9月13日)

左からマイコ―さん(47)、macさん(51)、JIROさん(43)。3人とも現住所または出身が船橋市という古参ブースター

千葉ジェッツとの出合い

―皆さんがジェッツにはまったのはいつからですか?

【mac(以下m)】縁あって、ジェッツができて最初のホームゲームを見に行くことになったんだよね。

2011年10月23日の船橋アリーナ、相手は横浜ビー・コルセアーズ。

元々バスケを見たこともなく興味もなかったんだけど、その試合、最後にブザービーターで逆転勝ちして。

勝利の瞬間は誰よりも興奮して「うわーーーーー!バスケって面白い!」。

それが始まりでした。

【マイコ―(以下マ)】僕はNBAのニックスのファンで元々バスケ好き。

その一方で千葉ロッテマリーンズのファンでもあったんだけど、ある時、試合前に球場の外周で行われるイベントに、立ち上げ前のジェッツがプロモーションで来ていたんです。

「地元にバスケチームができるんだ!これは見に行かなくちゃ」という気持ちでホーム開幕戦に。

でも本格的にどっぷりハマったのは富樫くんが加入した2016‐17シーズンからですね。

開幕ゲームで配られた記念Tシャツ。初代キャプテン佐藤博紀さんとチーム創設者の梶原健さんのサイン入り

【JIRO(以下J)】僕はNBAのスパーズのファンだったんですが、好きだったレジ―・ゲーリーというNBAの選手がたまたまジェッツのHCに就任したんです。

その2013‐14シーズンから見始めました。

学生時代からバスケをやっていたので、船橋アリーナで試合したこともあったんですが、学生の大会だとアリーナにコートを3面作って試合をするんですよ。

ジェッツができて、このアリーナでプロ仕様のバスケが行われるということに感動しました。

NBAで別々のチームを応援するマイコ―さんとJIROさん

―黎明期のジェッツは、今とはだいぶ様子が違ったんでしょうね

【マ】ホーム開幕戦に行ったとき、あまりにもガラガラでびっくりしたね。

超大物芸能人がゲストで来て、誰もが知る大ヒット曲を披露してくれたんだけど、今思えばよくあんなに観客の少ない所で歌ってくれたなあ…

【 J 】当時は観客600人ぐらいですよね。

【m】観客1000人超えが当時の夢。

初めて1000人を超えたときはすごくうれしくて、周りのみんなと万歳したよ。

―観客を集めるために、選手が船橋駅や津田沼駅に立ってチラシ配りをしていたそうですね

【m】あったね。朝のあいさつ運動。

―選手と直接話せたりしたんですか。今では考えられないですね

【 J 】試合後に船橋アリーナの2階(グッズ売り場の辺り)にパーティションを並べて選手のサイン会もやってたなあ。

特に予約とか抽選とかもなく、自由に好きな選手の所に並ぶスタイルでしたね。

選手にもらったサインを見せてくれたJIROさん。なぜかmacさんのサインも入っている(笑)

【マ】昔はファンと選手の距離がすごく近かったね。

【m】選手入場の時、自然に子どもたちが花道をつくる文化もあったね。

【マ】幼稚園生だった娘がコートサイドに下りてスタージェッツに遊んでもらったり、眠くなったら今でいうファーストクラスの席に寝かせていたり…お客さんが少なかったから、やりたい放題していたなあ(笑)

スタージェッツとマイコーさんの娘さん
特等席でお昼寝することも…

ジェッツがきっかけで生まれた絆

―皆さんはいつから親しくなったんですか?

【マ】僕とJIROさんは旧Twitter上で「NBAファン」ということで何となくお互いのことは知っていたんだけど、ジェッツをきっかけに一緒に試合を見るようになったね。

【 J 】macさんは「いつもスタンディングエリアで踊っているアフロの人」として有名だった。

今のゴールピットの辺りには座席がなくて、「スタンディングエリア」という名前で観客に開放されていて、そこで踊ったりしている人たちがいたんですよね。

【m】この格好のせいでみんなが僕のことを知っていて、「macさんですよね」って声を掛けてもらううちに、どんどん仲間が増えていきました。

他のチームのファンとも仲良くなって、今では全国各地にアフロをかぶっている仲間がいますよ。

スタンディングエリアの様子。ここで踊ったり声出ししたり、選手や審判に声を掛けていたとのこと

【 J 】試合を見るだけでなく、ジェッツをきっかけに、いろんなことを楽しんでいます。

【マ】そうそう、試合がない時の方が意外と楽しんでいる。

【m】オフシーズンが僕らにとってはオンシーズンだからね。「飲めるぞー!どっか遊びに行くぞー!」って。

【マ】オフもみんなで旅行したりね。

【 J 】この間は宇都宮へ。

どうせ行くならってことでブレックスアリーナ(※ライバル宇都宮ブレックスのホームアリーナ)で写真を撮ってきました。

【m】シーズン中も、試合後に飲みに行ったりも含めて楽しいんだよね。

【マ】もう十年来の付き合いになるんだね。

【 J 】この年になってから新たに10年続く友達ができるのは珍しいですよね。

【m】僕も10歳年下の友達ができるとは思っていなかったよ。

【マ】人生の後半を豊かにしてくれたジェッツに感謝です。

オフの旅行も楽しみ

魔の20連敗、コロナ禍…それでも僕らはジェッツと共に 

―バスケの魅力はどんなところだと思いますか?

【マ】細かい戦術まで理解しようとすると奥が深くて難しいけど、単純に選手のプレーを見るだけでも楽しめるし、試合展開が早くて初心者にも分かりやすいところですね。

【m】サッカーはなかなか点が入らないし、最悪0対0もあり得るけど。

【 J 】バスケは絶対0点で終わることはないですしね。

【m】最後2秒で逆転が起きる。

「それまでの40分何だったんだ」って思うけど(笑)

昔ジェッツが弱い頃ね、僕ら「魔の2秒」って言ってたんですけど、最後の2秒で逆転負けする試合が何回もあったんですよ。

【 J 】20連敗していた時(2013年)はそういうことの繰り返しでしたね。

弱いチームの典型です。

2011年。試合開始直前の船橋アリーナで応援に臨むmacさん

―大変な状況でしたね。逆に当時、良い意味で忘れられない試合はありませんか?

【m】同じ2013年、当時最強のスター軍団・東京(現アルバルク東京)に勝った墨田区総合体育館での試合。

勝った時はみんなで泣いて、スコアボードの前で記念写真を撮ったなあ。

【 J 】その試合で荒尾岳がすごいディフェンスでギブス(現越谷アルファ―ズ)を止めて、それがきっかけで岳さんが大好きになりました。

【マ】僕らは地味に頑張る選手、いわゆるロールプレーヤーが大好きなんだよね。

―今まで応援のモチベーションが下がったりすることはなかったんですか?

【m】20連敗の時はさすがに…。

でも逆に「これは楽しまなきゃ!」と思って、19連敗した時点で「20連敗したら坊主にする」って宣言したんですよ。

―そしたら…20連敗しちゃった

【m】しちゃいました(笑)

試合後に床屋さんに行って坊主にしましたよ。

20連敗したのに、僕の断髪で周りは盛り上がっていましたね…

―そんなこんなで結局ジェッツから気持ちは離れなかったんですね

【m】坊主にまでなったら、もう応援するしかないじゃないですか(笑)

独特の応援スタイルに、最初は奥様も反対されていたそうですが、今や公認となったmacさん

―JIROさんはいかがですか?

【 J 】コロナで現地観戦ができなくなった時は、さすがに気持ちが離れるんじゃないかと思ったけど、マスクをしていようが見に行くとやっぱり面白い。

結局ジェッツから離れることはなかったです。

声出し解禁になって僕の熱量は戻ったんですが、声出し応援の完全復活までは少し時間がかかりました。

最初の頃は全然お客さんの声援が戻ってこなくて。

【m】コロナ禍から応援を始めたお客さんもいるから、どうやって声を出したらいいのか分からなかったんだろうね。

【マ】声援の代わりに拍手が多かった。

拍手だと声が聞こえないんだよね。

【 J 】ようやく手応えをつかんだのは、3人で群馬(クレインサンダース)戦を見に行ったオプアリ(オープンハウスアリーナ太田)での試合。

最初負けていたけど4Qで大逆転して、原ちゃん(原修太選手)も「ブースターの声援がうれしかった」ってコメントしてくれた。

「ポテンシャルあるぞ、千葉ジェッツは!」と力が湧いてきた試合でした。

【マ】ジェッツがチャンピオンになった時はまだ声出し禁止だったから、声が出せる環境で今年チャンピオンになりたいね。

1万人のアリーナで。

声出し応援復活の手応えを感じたというオプアリ、アウェーの群馬戦

―マイコーさんは、応援のモチベーションが落ちたことは?

【マ】小さな起伏はあったとしても、応援への熱量は変わらないです。

僕は勝ち負けじゃないんです。

NBAで応援しているニックスというチームも何十年もの間、1回も優勝していないけど、チームのカルチャーやコミュニティーが好きでずっと応援している。

ジェッツもブースター仲間がいるから楽しいんです。

【m】そうそう、1人でアリーナに行っても面白くない。

行ったらこの2人がいるから面白い。

友達に会えるから行きたくなる。

【マ】結局、勝っても負けても僕らは楽しいんですよ。

過去の千葉ジェッツの記事を見ながら「懐かしい~」と思い出語りをする3人

アリーナに行く理由。今日も仲間の笑顔が見たいから

―いまコミュニティーの話が出ましたが、千葉ジェッツのコミュニティーは心地いいということですね?

【m】JIROさん主催のブースターパーティーに、この間は130人も集まったよね。

【 J 】こんな素人のおじさんの呼びかけに集まってくれて、ありがたいですね(笑)

「初めて来ました」「いつも1人で観戦してます」という人たちが集まって「今度一緒に行きましょ」という話になる。

応援していても、なかなか隣の人と積極的に話せない人も多いと思うけど、パーティーで知り合って仲良くなったり、macさんを見つけて声を掛けて来たりして輪が広がっていく。

【m】ブースターみんな仲いいんだろうね。

【 J 】チームが作り出しているあたたかさのおかげもあるのかな、と思う。

【マ】そう、試合もいいけどジェッツのコミュニティーが好きなんだよね。

6月に行われたブースターパーティー

【 J 】こうやって最初はバラバラに集まってきた人たちの心が集まって、試合中に選手が素晴らしいプレーをした時などに会場が一体となって、ぶわあーーって盛り上がる時が一番気持ちいい。

さらに僕らの声が応援となって選手の力になり、さらにまたいいプレーが出て…と考えるとたまらなく「いいなあ」って思う。

一緒に応援してその感じを体感してもらいたいですね。

【m】試合後に選手が「〇〇コールがとてもうれしかったです」なんてコメントしてくれると「少しでも力になれたのかな」とブースター冥利に尽きるよね。

それぞれ好きなことを見つけて自由に観戦しよう

【m】僕はアウェー観戦も好きなんですよ。

敵地で勝った時の快感は何ともいえないし、他のチームのブースターさんとの交流も楽しみ。

試合後に相手ブースターが100人ぐらい集まってくれて「一緒に写真とりましょう」と大撮影会をしたこともあったなあ。

【 J 】そういうのがバスケットのいいところだなって。

SNS上ではもめていることもあるんですけど、実際会う人はみんな優しくて、いい人ばかり。

お互いリスペクトし合っている。

最後は握手して別れる関係でいたいですよね。

―これから初めてバスケを見ようと思っている人にメッセージをお願いします。

【マ】難しいことは考えずに、まずは会場に来てもらって、点が入ったら一緒に「わーーー」って盛り上がるだけで、多分ハマると思う。

演出もすごいし。

ミーハーでいいんです。

【 J 】ジェッツは富樫君も渡邊雄太もいるから、バスケ観戦の入り口としては最高ですよね。

【m】僕なんか最近チア目的で行ってますからね。

女性ファンはイケメンを探しに来てもいいと思うし。

―いろんなファンがいますよね。

スタージェッツのファン、ジャンボくんのファン、撮影が好きな人…

【マ】多様性があっていいんですよね。 

【 J 】楽しいことがいっぱいありますからね。

【m】応援したければすればいいし、したくなければ座っていてもいい。

バスケを見たければ見ればいい。それでいいんじゃないかな。

【 J 】応援するにしても自由でいい。

ジェッツの応援は簡単。

曲の合間にとりあえず「GO JETS!」って言っておけばいいので。

【m】南船橋駅を降りて赤い服着てる人がいたら「GO JETS!」って言ってみてください。

だいたい「GO JETS!」って返ってきますから。

【マ】「GO JETS!」って魔法の言葉ですよね。

―ありがとうございました

合言葉はGO JETS!

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