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神戸ピーポーNo.14「津川恵理(つがわ えり)」さん。「パイ山」跡をデザインした建築家

神戸ジャーナル

神戸ピーポーNo.14「津川恵理(つがわえり)」さん。「パイ山」跡をデザインした建築家

神戸に住んでいる人&活動する人を紹介する「神戸ピーポー」。今回は、建築家「津川恵理」さんをご紹介します。

津川さんは、灘区生まれの32歳で、三宮の待ち合わせスポット「パイ山」跡の「さんきたアモーレ広場」をデザインした人です。

職業は「建築家」ですが、2019年に三宮本通商店街で周囲が映る風船を並べ人がどう動くかをみるアートな「都市実験」を企画したりもしています。

津川さんの第一印象は、落ち着いた低めの声でテンポよい話し口調、目の表情がとても豊かで、人を惹きつける魅力を持った人。

子供の頃はダンスなど身体で自分を表現する「パフォーマー」に憧れていたという津川さん。パフォーマンス(振る舞い)に「その人がにじみ出る」ところに魅力を感じたそうです。

建築の道を目指したのは、高校時代で、得意な理系の学部の中で「クリエイティブ」な仕事っぽい!ということで選んだそう。なんとなく、でも自分を表現できる道を選びとってきました。

ちなみに「苦手」だったのが「国語」で、「Q:登場人物の気持ちを答えなさい」という問いに「100人いれば100通りの答えがあるはずなのに…」と違和感を感じて好きになれなかったんだとか。

大学卒業後は、日本の会社に就職し建築家として「集合住宅」や「東京五輪の選手村」などのプロジェクトを担当。

ただ、建築という枠の中で考えることへの息苦しさを感じて、アメリカのNYにある建築事務所「DS+R(ディーエスアール)」の門をたたきます。

「DS+R」は、印象的なデザインの建物や公共スペースをいくつも手掛ける建築事務所で、その仕事は「建築」だけにとどまらず「レディー・ガガ」の肉で作った「ミート・ドレス」や「アート」「演劇」なども手掛けてます。

ここで働きたい!という人が世界中にいるそうですが、津川さんは日本の文化庁の研修制度を利用することで1年間夢の環境に身を置けることに。

すべてが「実験的」なNYでの仕事、建物の設計はもちろん、美術展覧会の展示作品、演劇の演出から「プラダのバッグ」まで関わることになります。

これがその「プラダのバック」の試作品。女性の「権威」を表すという「肩」に装着し、「クラッチバック」にもなるというもので、実際に商品化。普通には想像できないデザインかと。

建築にとどまらない仕事に取り組む中で、発想の世界を広げた津川さん。

NYでの生活が終盤に差し掛かったときに、たまたま地元神戸の「パイ山」跡のデザインコンペが行われることを知り、重ねた経験の集大成として挑戦することを決めました。

子どもの頃よく通っていた「パイ山」、目指したのは「人をパフォーマンスさせる」広場。

いろんな人が使う公共のスペースだからこそ、100人いれば100通り、過ごし方に「違い」が表れた方が「豊か」というコンセプトです。

高さの違う「ボックス」をたくさん置いてみる?

「階段状」のものを作ってみる?

いろんなパターンを想像したり、他の人にない発想を追い求めアート作品などを観たりする中で、たどり着いたのがいくつもの「円」を組み合わせたデザイン。

徐々に斜めになっている「円」が、人によって違う膝の高さにフィットしたり、机としても使えたり、どんな姿勢でも何をするのでも「自由にパフォーマンスできる(振る舞える)」というもの。

NYでの仕事をこなしながら、就業後から深夜まで構想だけで丸1か月、体力が行きつくところまで考え抜いたという津川さん「苦しいですけど…生み出す瞬間はめちゃめちゃ楽しいです」と笑ってました。

ちなみに「まさか、あんな奇抜な提案を神戸市がとると、全く思ってなかった(笑)」とも。

できあがった広場で、津川さんが「スゴイものできちゃったな…」と驚いているのが、宇宙船が浮いているようなアルミニウムの大きな「円盤」。

何とも言えない金属の曲線は「造船技術」使った職人技なんだそう。

建築の枠を出て協力者を探せば「なんとかなる」と考えられるのも津川さんの強みです。

10月2日、広場のオープニングセレモニーでは、津川さんが企画したダンスパフォーマンスが行われました。

津川さんは、ここまでの規模ではないものの、一部分を使ってダンスや音楽などのパフォーマンスが行われるような広場になったらと考えてます。

日常的な待ち合わせの場所で、思わぬ世界と出会う「面白さ」が魅力になることを期待しているみたい。

津川さんの他の作品には、「ポーラ美術館」のお客さんを「並ばされてる感なく誘導する装置」が注目を集めていたり、「山口情報芸術センター(YCAM)」のデジタル芸術作品がお披露目されたばかりだったりします。

「スケール(規模)に関わらず、作ることであれば何でもやりたい」と話していたので、これまでの発想にとらわれない「お家」なんかも見てみたい気がします。

最後に、新しい広場の「愛称」は何がいいか?と聞いてみました。

「難しいなぁ~分からへんなぁ~よく宇宙っぽいねっとは言われるんですけど。「パイ山」っていう微妙な…ちょっと下品やねんけどカワイイみたいな名前が関西っぽくていいなって思ってたんですけどね…」

「それは市民の人に付けてもらいたいです」とのことでした。

神戸ピーポー No.14「津川恵理」さん コメント

神戸との関係
灘区で生まれ育ちました。山と海と地形があり、大好きな街です。何より、神戸は空気の匂いが他の都市とは違う、神戸空港へ降り立つ度にいつも落ち着きます。

おすすめスポット
旧居留地での散歩は昔から好きです。建物の高さに制限があり、通りに降り注ぐ日光と、広い幅員の明るい舗装の通りを歩いてるだけで気分が良くなります。

ひと言
旧パイ山の広場が、今までよりより一層、神戸市民の方へ愛されることを願っています…!

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