「これもクワガタなんですね!!」一番人気、だけど知られざる姿も… 森の住人が解説
連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」
札幌にある「滝野すずらん丘陵公園」の「滝野の森ゾーン」から、森の住人KENTAが、自然の魅力や楽しみ方を伝える連載です。
子どもたちに大人気「クワガタ」
夏休み真っ最中です!今年の北海道は昨年までのように30度を超えるような日もなく、「北海道らしい」夏になっています。
前回、満を持して?昆虫の話をしましたが、まだ夏は続くので今回も虫の話をしたいと思います。
今回のテーマは・・・・・「クワガタ」!
そうです。みんな大好き、子どもたちにも大人気のクワガタの話です!
自分が今働いている滝野の森にもこの時期になると「クワガタはいますか?」「どこに行けば見られますか?」と質問してくるお客様がたくさんいます。世界には100万種以上の昆虫がいると言われていて、滝野の森だけでも800種以上(多分もっといますが)昆虫がいる中で、クワガタは毎年一番人気です。
クワガタは「コウチュウ(甲虫)」というグループに属していて、固い羽根を持っているのが特徴です。その中でもクワガタは大きなはさみのような「あご」を持っていて、とてもかっこよくて強い虫です。
みんなが知っている「クワガタ」
北海道の森で見られるクワガタの中で人気も知名度も高いのが「ミヤマクワガタ」。
ミヤマクワガタは頭が角ばっていて大きなあごを持つのが特徴です。ちなみにこの大きなあごを持っているのはオスです。
そしてライバルとなるのが「ノコギリクワガタ」。大きさはミヤマクワガタと同じくらいですが、少し赤みがあり全体が丸みを帯びているのが特徴です。
みなさんがイメージしたり名前を知っているクワガタもこの2種類が多いのではないでしょうか?
ただ、実は北海道で見られるクワガタはこれだけではありません!今回はミヤマでもノコギリでもない、知られざるクワガタたちについて紹介していきます!
小さな小さなクワガタ
まず紹介するのが「アカアシクワガタ」
ミヤマクワガタやノコギリクワガタと比べて少し小ぶりで、その名の通り足が赤いのが特徴です。体全体につやがあって引き締まった感じに見えます。
続いて紹介するのが「スジクワガタ」
こちらも名前の通り背中の羽の部分にうっすら筋があります。大きさはアカアシクワガタよりさらに小さくて、一番小さいものだと2センチメートルほど!
あまりの小ささに初めて見た人は「これもクワガタなんですね!!」と驚いてます。スジクワガタは比較的見つける機会も多くて、樹液の出る木をよく見てみると頭を突っ込んでいることがあります。
出会えたらラッキー
最後に紹介するのが、実は個人的にイチオシのクワガタ!その名も「オニクワガタ」
大きさは小さめのスジクワガタと同じくらいで、且つアカアシクワガタと同じくつやがあり黒く輝いています!
一番の注目ポイントは何と言ってもそり上がった「あご」!
横から見るとそのそり上がり方が良くわかります!(そして実は先が二つに割れてます!)
名前もいいですね!小さいのに「オニ」がついてます。
このオニクワガタ、実はミヤマクワガタやノコギリクワガタよりも出会う機会が少ないので虫好きな人たちの中では結構人気があります。
このように一口に「クワガタ」と言ってもいろんな種類がいます。体の大きなミヤマクワガタやノコギリクワガタだけではなく、小さなクワガタたちにも注目してみてください。そして「クワガタ=夜」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、意外に昼間にも見つかることがあります。
この時期の森にはクワガタ以外にも様々な昆虫たちもいます。さらに夏の森にはカエル、ヘビ、カタツムリなど昆虫以外の生きものたちもたくさんいるので、名前は知ってるけど本物を見たことがない生きものや、テレビやネット、図鑑でしか見たことがない生きものたちも出会える可能性があります。今年の夏は馴染みのある生きものをきっかけに森を大冒険してみませんか?
連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」
文:森の住人 KENTA
国営滝野すずらん丘陵公園 自然環境マネージャー。1978年札幌生まれ京都育ち。約6年間のサラリーマン生活を経て、森についての知識・経験ゼロの状態で滝野の森ゾーンの担当になり、様々なイベントの企画や広報、森づくりなどを担当。公園内にヒグマが侵入した際は専門家と一緒に現場の最前線で調査を担当。滝野の森staffXにて監視カメラを使った野生動物たちのリアルな様子などを発信中。
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は記事執筆時(2026年7月)の情報に基づきます。