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【富士・田子の浦港 漁協食堂】目の前は海! セリ場で味わう「ぷりぷり生しらす丼」

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静岡・富士市にある田子の浦港 漁協食堂は、県内外から多くの観光客が訪れる食堂です。小さな漁港に多くの人が集まるその秘密は、鮮度抜群ぷりぷり食感の生シラスと食堂のロケーションにありました。

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海を感じるロケーション

東名高速道路・富士ICから車で南へ約15分。工業港としても知られている田子の浦港ですが、その一角に漁港があります。

漁協に所属する船は21隻、シラスのみが水揚げされる小さな漁港です。

海を見ながら食事ができるテーブル配置

漁協食堂は、セリが終わったばかりのセリ場にイスとテーブルを並べただけというシンプルな作りです。

テーブルは全て海を向いていて、漁船を見ながら食事ができます。荒天時には臨時休業することもありますが、この開放的なロケーションも人気のひとつ。

ペット同伴席が4テーブルあり、ペット連れでも訪れやすいのが特徴です。

ペット同伴席は4テーブル

おススメメニュー

田子の浦漁協の食堂担当・古江奈津子さんの一番のおススメは、生シラスが入荷した時にしか食べることができない貴重な「ぷりぷり生しらす丼(900円)です。

「ぷりぷり生しらす丼」(900円) 画像提供:田子の浦港 漁協食堂

田子の浦港 漁協食堂古江奈津子さん:
シラス一匹一匹を口の中でしっかりと感じることができるどんぶりです。生シラスが入荷した時のみ味わうことができます

続いてのおススメは、生シラスと釜揚げシラスの両方を味わうことができる「ハーフ丼(900円)

「ハーフ丼」(900円)

生シラスの入荷がない時には冷凍を使用しますが、採ってすぐに氷締めされていることもあり、言われて食べても冷凍とは思えない品質とおいしさを保っています。

未利用魚を活用「赤富士丼」

根強い人気があるのは「赤富士丼(1000円)です。

赤富士丼に使われているシラスは、他のどんぶりで使われているシラスよりも大きく、以前は市場に流通していなかった、いわゆる未利用魚でした。

「赤富士丼」(1000円)

規格外とはいえ鮮度が良いシラスを活用しようと生まれたどんぶりです。

特製だれに漬け込むことで、大きなシラスでも食べやすくなっています。同じく特製だれに漬けこんだ卵黄をトッピング。卵黄が絡んだシラスのトロっとした食感が、他にはない味わいです。

赤富士丼は、生シラスが苦手でも食べられると人気で、数量限定のため正午前に売り切れてしまうこともあります。

「紅白丼」(1000円)

他にも「海鮮丼」やマグロの「漬け丼」、「紅白丼」、小学生以下向けの「こども丼」など、あらゆる世代が楽しめるメニューがそろっています。

そして例えマグロ丼だったとしても、全てのメニューに田子の浦のシラスが付いてきます。

田子の浦のシラスが特別な理由

漁協食堂はお客さんの声から誕生したと、食堂担当の古江さんは言います。

食堂担当の古江奈津子さん

田子の浦港 漁協食堂・古江さん:
食堂ができる前は、お祭りなどイベントの際にどんぶりを提供していました。「どこに行ったら田子の浦シラスを買えるの?」「どこに行ったら食べられるの?」と聞かれるようになり、要望に応えて12~13年前から漁協で食事の販売を始めました

最初は土日のみの販売でしたが、今では休漁期間の1~3月を除くほぼ毎日営業しています。

画像提供:田子の浦港 漁協食堂

漁の解禁直後の春シラスや秋冬のシラスは、冷たい海水で身が締まり棒のようにしっかりしています。

夏のシラスは少し柔らかくさっぱりした味わい。季節によって見た目や味わいが異なるそうです。

漁協の芹澤豊組合長は、水揚げ量は県内で一番少ないかもしれないけれど、品質が良いので価格は一番高いと話します。

田子の浦漁業協同組合:芹澤豊 組合長
田子の浦のシラス漁は一艘の船で網を曳く一艘曳きが特徴です。一艘曳きは、短時間でシラスを船上に引き上げることができるため、生きたまま素早く氷締めできます。そのため、田子の浦のシラスは鮮度がよくてぷりぷりしています

田子の浦漁業協同組合 代表理事組合長:芹澤豊さん

田子の浦の生シラスは、地理的表示「GI」に登録されました。

GIは、特定の地域で生産された農林水産物や食品などの産品の名称を、その地域の知的財産として保護する制度で、信頼の証です。

田子の浦港 漁協食堂:古江さん
「生しらす」が2017年に、「釜揚げしらす」が2021年に追加登録されました。生とゆでたものの両方が登録されているのは、福井県の越前ガニと田子の浦のシラスだけです。

静岡県内では他の地域でもシラスはとれますが、田子の浦のシラスはミネラル豊富で冷たい富士山の伏流水で育まれているという特徴もあります。

画像提供:田子の浦港 漁協食堂

田子の浦漁協・芹澤 組合長:
今後の目標は市内外の1人でも多くの人に、田子の浦の生シラスを一度食べてもらうことです

田子の浦港 漁協食堂:古江さん:
2023年度は7万人が来てくれたので、次は10万人を目指したいです。賑わう田子の浦港を、良い形で次の世代に残していくのも目標です

芹澤組合長 調理場スタッフの高橋やよいさん

にぎわう田子の浦港を次の世代へ

2024年5月には、人工芝や富士ヒノキのベンチ、フォトパネルが設置され、新たなにぎわい空間ができました。

田子の浦港をモチーフにしたフォトパネル

ハートのサインをした指がシラスになっているオリジナルデザイン「しらすにきゅん」のTシャツも販売されていました。2年ほど前に登場したしらすにきゅんTシャツのデザインは、しらすコロッケの製造を依頼している会社の社長が考えてくれたそうです。

9月29日には田子の浦みなとマルシェ&朝市が予定されています。魚が買えるという珍しいマルシェに、皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。漁協食堂ではどんぶりの販売を予定しています。

詳しい情報は、田子の浦漁協食堂のHPやSNSをチェックしてください。

■店名 田子の浦港 漁港食堂
■住所 静岡県富士市前田866-6
■営業期間 4月1日~12月28日の毎日営業
※8月13日~16日はお盆休み
※台風の影響等によって臨時休業あり
■営業時間 10:30~13:30
■駐車場 あり(無料40台)
■問合せ 0545-61-1004

文・撮影/望月知世子 撮影/山口真未

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