「寝不足でも大丈夫」は大間違い! 放置すると危険な“睡眠負債”とは!?【1週間で勝手にぐっすり眠れる体になるすごい方法】
実は眠れていない? 増えている「行動誘発性睡眠不足症候群」とは
最近、SNSなどでも耳にする「行動誘発性睡眠不足症候群」。仕事や勉強、SNSやゲームに時間を費やし、睡眠時間を削って慢性的な睡眠不足に陥り、本来のパフォーマンスが発揮できていない状態をいいます。
「秒で眠れる」「朝はつらいけど昼になれば平気」と睡眠を削った生活をして「睡眠負債」をため込んでいる人や、平日の睡眠時間が4〜6時間で、週末に10時間以上寝て「リセットした」気になっている人。このようなタイプは「行動誘発性睡眠不足症候群」に陥っている可能性が。少々眠くても何とかなっているので、自分では気づかないのが厄介な点です。
このような生活は、特に脳の前頭前野の機能を低下させ、計画性や集中力、そして判断力に悪影響を及ぼします。また、記憶に関わる海馬や感情のコントロールに関わる扁桃体、さらには脳の老廃物排出システムにもダメージを与えるため、認知症のリスクを高める危険性もあるのです。
そして最も恐ろしいのは、機能が低下した状態が「自分の実力」だと誤認してしまうこと。睡眠不足が積み重なると、脳は低パフォーマンスの状態を新たな基準として記憶し、無意識のうちに自らの能力の限界を下げ、パフォーマンスを低下させてしまいます。睡眠は日々の行動や思考力の基盤。「寝る間も惜しんで頑張る」ことが美徳とされた時代は終わりました。自分の能力を最大限に発揮するためには、まず睡眠を見直すことが一番の近道です。
放っておくと怖い「睡眠負債」
睡眠不足は心や体にとっての「負債」となり、最初は何とかなっても、積み重なるとやがて「破綻」を迎えます。
「睡眠負債」とは、睡眠不足が積み重なり、心身に悪影響を及ぼしている状態のことです。睡眠不足が続くと、疲労回復が困難になり、免疫力低下や生活習慣病のリスク増加など、さまざまな問題を引き起こします。
「睡眠不足」と「不眠」の違い
「睡眠不足」と「不眠」は、どちらも睡眠に関わる状態ですが、原因と症状に違いがあります。
睡眠不足
意図的に睡眠時間を削っている、生活リズムの乱れなど、眠ろうと思えば眠れるが、睡眠時間が不足している状態。日中の活動時間帯に眠気や倦怠感がある。
【睡眠障害の1つ「行動誘発性睡眠不足症候群」とは】
仕事や学業などの忙しさから睡眠時間を削らざるを得ない状況、スマホやゲームなどを夜中まで行うことで、睡眠不足が慢性的になり発症する。集中力や記憶力の低下、気分の落ち込み、イライラといった症状があるが、多くの人は睡眠不足が要因だとは考えていないことが多い。
不眠
寝ようと思っても寝られない、夜中や朝早くなどに目が覚めてしまう、十分に睡眠時間が足りていても寝た気がしない、といった睡眠の質や量に問題がある状態。
【出典】『1週間で勝手にぐっすり眠れる体になるすごい方法』著:石川泰弘/監修:新見正則