釣りをしながら自由研究のススメ:身近な根魚をルアーで釣って観察してみよう
釣りそのものを、自由研究の題材としてみる。魚釣りは楽しいし、あるテーマを持って実践すれば、優れた研究ともなるだろう。ここでは、海の沿岸をフィールドとして、ライトタックル(軽量な竿、リール)で釣れる魚と釣りそのものを、自由研究の題材として勧めたい。特に夏に反応がいい「根魚」にテーマを絞れば、なかなかいい研究となるはずだ。目指せ5目で、現に追いかけて達成してみてほしい。
「デイ・ライトロック」を研究テーマに
夏は日中でも沿岸の根魚(ねざかな ※「ねぎょ」とも)の反応がよい。日中に小型の根魚を狙う釣りを、「デイ・ライトロック」と言う。大人もハマるこの釣り、どちらかといえば少年適正の方が高い。
楽しみながらできる釣りなので、ここに研究性を持たせるならば、まずテーマとして「身近な海の沿岸にはどんな魚がいるのか」を設定し、それを釣っていく中で明らかとしながら、目標は「5種類の魚を釣ってみること」としよう。
「ライトロックーム」には、専用タックル(竿とリール、しかけ)もあるが、メバリングタックルやアジングタックルやブラックバスタックルを流用してもいい。自分で持っているなら、それを使うといいし、ないならお家の人のものを借りよう。貯めたお小遣いから捻出して、釣り具をそろえてみるのもいいぞ~……。小学生にはあまりにも莫大な額ではあるが、8000円~15000円ほどで良い道具がそろう。
研究の目的「根魚」の存在を知る
海の沿岸にいる魚といえば、少年たちは何を想像するだろうか?アジ、サバ、イワシ……そんなところかな?冬の堤防では、カレイも釣れる。夏なら、キス釣りに行ったことがある人もいるかもしれない。
しかし、デイ・ライトロックでは、主に根魚を狙う。「ねざかな?なんじゃそりゃ」という感じかもしれない。一般に、根魚はあまりよく知られていない。一方で、釣り人にとって、彼らは隣人ともいうべき親しい存在で、特に「カサゴ」は釣れない地域がないほどの定番の魚だ。アジ?サバ?いやいや……どんな釣りをしていても、カサゴをはじめ、どうかすると本命よりも根魚が釣れることの方が多いくらい。
そんな根魚の存在を知ることがまず、少年たちにとって研究以前の「発見」であるに違いない。そこから、根魚の類を、釣って確認しながら突き詰めていこう。カサゴの他にも、いろんな種類がいるのだ。
ライトロックを日中実践、目指せ5目釣り
どのような竿とリールを使えばいいか、すなわち「タックル要件」については次の通り。
一般的なライトロックといえば、イソメなどの虫エサを模したワームを用いるものだが、釣果優先とするならサバの切り身など生エサを用いた方が早い。だが、ルアーフィッシングもついでに入門したいなら(楽しいから、ぜひ入門してみてほしい……)ここはワームまたはマイクロメタルジグというルアーを使ってみよう。ルアーをアクションさせて魚を食わせてやる感触は、ハマってしまうと「沼」である。
さて、釣れる魚は、次のようなものが想定される。
・カサゴ
・メバル
・キジハタ
・タケノコメバル
・ムラソイ
・クロソイ
・アナハゼ
・ハゼ(※根魚ではない)
その他地域によっては、アオハタやアカハタという種類も混じる。夏場はどれも小さなサイズで、基本的にリリースが推奨されるが、実はこれら根魚は実はほとんどすべてが抜群の食味を持つ高級魚だ。もし調理をお家の人に任せられるなら、25cm以上を超す中大型は持ち帰るところまでしてもいいだろう。
以上の根魚の種類の中から、5目釣りを達成できれば、釣果としても、研究成果としても立派だ。食用魚としての希少性・高級性にも、研究の中で触れたい。またどんな釣り方、時間帯に反応が良かったかも、まとめよう。あらかじめヒントを与えておくと、根魚は日の出間際または日没間際によく釣れる。
研究時の注意点「熱中症」
「デイ・ライトロック」は、夏の日差しをモロに浴びながらの釣りとなる。そうなると危険度が高いのが、やはり熱中症。熱中症とまではいかないまでも、暑さにうだってバテてしまったら、もう釣りはストップしてしまった方がいい。
何せ釣れ始めると立て続けに釣れて、楽しいので、つい熱中してしまうのだが、それで体調を崩しては元も子もない。引きぎわも考えながら、決して無理せずやっていこう。
<井上海生/TSURINEWSライター>