フィクションでは決して描き得ない“戦争そのもの”がスクリーンに出現 『ウォーフェア 戦地最前線』場面写真
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で国家の分断と内戦をリアルに描き議論を巻き起こした鬼才アレックス・ガーランド監督が、同作で軍事アドバイザーを務め、米軍特殊部隊の経歴を持つレイ・メンドーサを共同監督に迎え、彼のイラク戦争での実体験を極限まで再現。世界を席巻するA24製作の下、圧倒的没入感に挑んだ『ウォーフェア 戦地最前線(原題:WARFARE)』が、2026年1月16日(金)より公開される。このたび、2006年イラク戦争下、イラク・ラマディで実際にアメリカ軍特殊部隊が遂行した危険な任務の一部を、レイ・メンドーサが自身の戦場での実体験をもとに徹底再現した場面写真が解禁となった。
95分間、あなたを戦場に閉じ込める
本作は、メンドーサ監督が所属していた米軍特殊部隊での実体験を基に、同胞の兵士たちにも徹底した聞き取りを行い、脚本を執筆。彼らの頭の片隅に残る鮮烈なトラウマが、フィクションでは決して描き得ない“戦争そのもの”をスクリーンに出現させる。その圧倒的なリアリティに衝撃を受けた海外メディアからは「映画史上最も緊迫感のある戦闘再現(Wall Street Journal)」「地獄を描くことに躊躇がない(EMPIRE MAGAZINE)」「神経をすり減らす程の衝撃。他の戦争映画とは一線を画す(NPR)」など、大絶賛の声で迎えられた。さらには、The Hollywood reporterが本作を、アカデミー賞作品賞へのノミネートを予想し注目が集まっている。
舞台は2006年、アメリカ軍特殊部隊8名の小隊は、イラクの危険地帯・ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務に就いていた。ところが、想定よりも早く事態を察知した敵兵が先制攻撃を仕掛け、市街で突如全面衝突が始まる。退路もなく敵兵に完全包囲される中、重傷者が続出。部隊の指揮をとることを諦める者、本部との通信を断つ者、悲鳴を上げる者……負傷した仲間をひきずり放心状態の隊員たちに、さらなる銃弾が降り注ぐ。小隊は逃げ場のないウォーフェア(=戦闘)から如何にして脱出するのか——。
場面写真は、360度どこから銃撃が始まるかも分からない極限の緊張感の中、アルカイダの動きを監視し、狙撃する作戦遂行のため、戦闘には無関係のイラク人家族の家を深夜に占拠し、そこから敵兵を狙う兵士の姿が捉えられている。さらに、戦地に赴く前、束の間の時間に馬鹿騒ぎをする、どこにでもいる若者たちの無邪気な表情も映し出される一方で、突然押し入ってきたアメリカ軍特殊部隊に自宅を占拠され、怯えるイラク人家族の姿、突如勃発した戦闘に打って出る兵士たちや負傷する仲間の姿も映し出され、戦場のリアリティと日常の脆さが交錯、戦争という狂気が“ありふれた日常”を容赦なく引き裂いていく——その瞬間が鮮烈に焼き付けられたシーンが切りとられている。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』では軍事アドバイザーとしてリアリティあふれる戦闘シーンを設計し、自らもアメリカ軍特殊部隊として実際の戦争に参加したレイ・メンドーサ。本作を手がけた意義について、彼はこう語る。「『戦争を行う』という決定を下す人々に、決して忘れてほしくない。ほかのみんなが行かなくていいように、その要請に応えて戦場に立つ者たちがいるということ。そして、その多くはアメリカの若者たちだ」その言葉が突きつける現実とメッセージは、人々の胸に重くのしかかる。
『ウォーフェア 戦地最前線』は2026年1月16日 (金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開