Yahoo! JAPAN

学者からVTuberまで多様な人々が発信する、現代日本における民俗学のあり方とは【眠れなくなるほど面白い 図解 民俗学の話】

ラブすぽ

学者からVTuberまで多様な人々が発信する、現代日本における民俗学のあり方とは【眠れなくなるほど面白い 図解 民俗学の話】

現代日本における民俗学のあり方

時代とともに領域を広げる民俗学

現在、民俗学を学んだ人にどんな働き先があるかというと、大学所属の教員・研究者のほかに、各地の博物館という選択肢もあります。

たとえば、県や市町村といった地方自治体が設置する人文系の博物館には、「歴史」と「考古」に加え、それぞれの地域に関連した「民俗」の展示が用意されています。この展示の企画・制作などを行っているのが、各博物館に学芸員として勤務する民俗学者たちです。

彼らは展示以外にも、ワークショップや住民参加型調査など、さまざまな博物館活動を通して地域の人びとと対話し、新たな地域文化をつくりあげる公共文化コーディネーターの役割を果たしています。また、県史や市町村史などの「自治体史」の編纂も、彼らの主要な活動の1つです。

近年は、民俗学の調査・研究方法や研究成果を民俗学以外の世界で応用する「アプライド民俗学(応用民俗学)」も増えています。アーティストがある場所に一定期間滞在し、そこで民俗学的リサーチや作品制作を行う「アーティスト・イン・レジデンス」はその一例です。

さらにもう1つ、民俗学の新たな動きとして、サブカルチャーやソーシャルメディアなどとの高い親和性のもとで民俗学の探究、発信活動をする、在野の人びとを担い手とした「ポピュラー民俗学」も活発化しています。

現代社会における「民俗学」の役割と進化

公共民俗学

博物館に学芸員として勤務する民俗学者による「博物館民俗学」ばかりでなく、福祉や医療の現場で老人からその人の人生や民俗を聞き取る(傾聴する)ことで、心理療法や血の通った介護に役立てるなど、「公共民俗学」の実践の場は広がり続けている。

アプライド民俗学(応用民俗学)

民俗学の研究を、実際の社会問題の解決やコミュニティ開発などに応用・実践する分野。民俗学を芸術や批評・エッセイなど別の表現に応用するという意味で、アーティストや作家の活動に関わる民俗学も「アプライド民俗学」といえる。

ポピュラー民俗学

民俗学を深く学び、自らフィールドワークを行いその成果をSNSで発信するインフルエンサーなどによる活動。たとえば、VTuberの諸星めぐるさんは、民俗学の研究から学んだ知識を独自にアレンジし、「諸星めぐる Megu.ch」というコンテンツをYouTube上で発信している。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 民俗学の話』監修:島村恭則

【監修者紹介】
島村恭則(しまむら・たかのり)
民俗学者。関西学院大学社会学部長・教授。1967(昭和42)年、東京都生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。文学博士(筑波大学)。国立歴史民俗博物館教官、韓国・翰林大学校客員教授、東京大学客員教授などを歴任。日本各地で民俗学調査を行うとともに、韓国・中国での調査・研究も行う。
近年は、世界民俗学史をふまえた民俗学理論の研究、とくに民俗学を国際的・学際的な「ヴァナキュラー文化研究」として再編成する議論を展開している。
著書に『みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?』(平凡社)、『民俗学を生きる ヴァナキュラー研究への道』(晃洋書房)、『これからの時代を生き抜くための民俗学入門』(辰巳出版)、『昔話の民俗学入門 民間伝承の秘密を読み解く』(創元社)、編著に『現代民俗学入門 身近な風習の秘密を解き明かす』(創元社)などがある。

おすすめの記事

新着記事

  1. 「若松ハーベストスプリング」14店舗で開催 <若松トマト&たまご>使用の限定グルメ【北九州市若松区】

    北九州ノコト
  2. ゴルフの円運動は『三角形』で極める!武道の極意から学ぶ理想のダウンブローと直線スイング

    ラブすぽ
  3. ゴルフの遠心力は『首』で稼ぐ!頭の突っ込みを防ぎ飛距離を伸ばすアドレスの作り方

    ラブすぽ
  4. 【ローソンストア100】ロールケーキ9切れが171円は衝撃!5月の「デカ盛りチャレンジ」お得すぎ。

    東京バーゲンマニア
  5. 古地図にも載っていない「消えた東の峰」! 富士山がきれいなフォルムになった大崩壊の歴史【眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話】

    ラブすぽ
  6. 毎日配信!少年アシベ「夏休みの生活」森下裕美/ゴマフアザラシの“ゴマちゃん”をめぐる名作ギャグ4コマ

    ふたまん++
  7. 【エントリー受付中】「人が集まる新潟」テーマに地域活動を表彰 長谷川電気工業所がアワード開催

    にいがた経済新聞
  8. 上前津|大須で楽しむ台湾朝食!えびの風味とパクチーの香りが美味しい本場仕込みのピリ辛台湾粥

    ナゴレコ
  9. アヘン戦争が起こらざるをえない「世界史的な必然性」とは何だったのか【世界史のリテラシー:岡本隆司】

    NHK出版デジタルマガジン
  10. ゴルフの『体重移動』は自分でするな!慣性と連鎖を利用して勝手に飛ぶ『Sスイング』の極意

    ラブすぽ