Yahoo! JAPAN

飯田ヒカル「誰か一人からでも憧れの先輩だと思ってもらえる役者になっていたい」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

声優グランプリ

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。今回は『学園アイドルマスター』の藤田ことね役や『君は冥土様。』の横谷李恋役などを演じる飯田ヒカルさんです。声優になるまでのお話から、今の日々のお仕事について、そして未来の目標までたっぷりと語っていただきました。

飯田ヒカル

いいだひかる●8月28日生まれ。ラクーンドッグ所属。主な出演作は、アニメ『君は冥土様。』(横谷李恋)、『Re:Monster』(ゴブリン)、『パズドラ』(サニー)、『星屑テレパス』(遠藤ともこ)、『お嬢と番犬くん』(まみ)、ゲーム『学園アイドルマスター』(藤田ことね)ほか。

公式HP:https://www.raccoon-dog.co.jp/talent/r18-iida.html
X:@Iida_Hikaru_828

★飯田さんの手書きプロフィール&コメント動画は2ページ目に!

声優を目指したきっかけはお友達のおばあちゃんの一言です

──まず最初に、飯田さんが声優を目指そうと思ったきっかけから教えてください。

もともとは、コロコロ夢が変わるような女の子だったんです。ケーキ屋さんになりたかったり、お母さんが看護師だったので看護師に憧れたり、魔法使いになりたいと思ったり。それが、小学5年生ぐらいの時に、仲良しのお友達のおばあちゃんに「声優になったら?」と言われたことをきっかけに、声優というお仕事を初めて知りました。そこからおうちに帰って声優を調べて、少しずつ意識するようになった感じです。

──「声優になったら?」と言われたのは、どうして?

その頃の私は、小学校でも声が高いことで有名だったんです。朝の会で私が話すと、周りがザワつくみたいな感じで(笑)。よくしゃべる子でもあったので、そのおばあちゃんも私の声が印象にあったんだと思います。

──声優という仕事を意識するようになってからは?

以前からアニメは好きで観ていたんですけど、エンドロールをしっかり見るようになりました。そこでアニメのキャラクターは、私と同じ人間が演じているんだと知って、そこからは勉強するような感じでアニメを観るようになったんです。

──それ以来、真っすぐに声優を目指して?

小学校時代は、まだ「声優になりたいな!」ぐらいだったんです。でも、中学校の国語の授業で音読を先生に褒められたことをきっかけに、「声優になろう!」と決めました。それまでも声を褒められることはあったんですが、感情を込めた声での表現を褒められることは初めてだったし、何より声に感情を込める音読が楽しかったんです。褒められて、心の底からうれしかったことを覚えています。

──中学生時代になろうと決めた声優に、実際になったきっかけは?

高校3年生の時に、福岡で開催された『声優スタジアム2017』で準グランプリを頂いたことがきっかけです。高校時代の私は演劇をやっていて、公演で舞台に立つこともありました。その活動の中で、同級生たちは年に1、2回、外部のオーディションを受けていたんです。でも、私だけ1回も受けていなかったんです。

──それは、どうしてだったんですか?

高校生の時の私は自信がなくて、自己肯定感がめちゃくちゃ低い女の子だったんです。だから、声優になろうとは思っているけど、何かのオーディションを受けて落ちてしまうのが怖かった。だけど、『声優スタジアム』は高校生までしか受けられないオーディションだったこともあって、だったら思い出作りとして参加してみようと。その結果、準グランプリを頂けたんです。でも、だからってすぐに声優の道に進めるとは思っていませんでした。高校3年生だったので、卒業後は大学に進学しようと思っていて、すでに願書も出していましたし。

──そこから一転、高校卒業後すぐに声優への道を歩みはじめたんですよね。

そうなんです。準グランプリを頂いた後、審査員の方に挨拶をさせていただいたんですが、そこで審査員の方に高校卒業後の進路を聞かれたので、大学に進学する予定だと答えたんです。そしたら、「君は自己評価が低すぎるけど、大学に進学せずすぐに声優の道に進んだほうがいい」と審査員の方に言われて、その時前に所属していた事務所の養成所の存在を教えていただきました。その言葉を信じて養成所で1年間学んだ後、声優のお仕事を始めた形です。

──小学校時代の友人のおばあちゃん、中学校時代に音読を褒めてくれた先生、そしてオーディションの審査員と、いろんな人たちの言葉に導かれて声優になった印象です。

本当に大きいですね。こうしてお話をして、周りの方々に恵まれているなって、あらためて今実感しています。

アルバイト時代のスタッフさんと再会したらすごく感動してくださって……

──デビュー当初のことを振り返ってみると、どんな事柄が思い出されますか?

最初のお仕事はゲームのアフレコだったんですが、自分のセリフがあることにすごく感動しました。初めてのアニメのアフレコは、『天華百剣 ~めいじ館へようこそ!~』の透し正宗ちゃんという女の子の役だったんですけど、オーディションを受けて役を頂きました。合格ですと言われた時のことは、何時頃にどの場所で言われたかとか、今でも全部覚えています。うれしすぎて覚えているんですけど、言われた後の記憶はむしろ曖昧で、時が止まったような感覚でした。『天華百剣』では庖丁三姉妹という3人組ユニットで挿入歌も担当させていただき、たくさんの貴重な経験を積ませてもらったなと思っています。

──デビュー当時は、大変なこともあったかと思います。

親から「自分に必要なお金は自分で稼ぎなさい」と教えられて育ったので、上京してからは1円も親にもらったことはなくて、デビュー当時はアルバイトを最大で3つ掛け持ちしていたこともあったんです。その時期は、体力的に大変だったなと思います。レッスンをして、それが終わってからアルバイトをして、次の日はオーディションとか。

──印象に残っているアルバイトは?

当時の自宅から自転車で行ける距離に温泉施設があって、そこでの経験は印象深いです。「声優として仕事をしていくなら、(将来的にいろんな役柄を演じるうえでも)やったことのないアルバイトをしたほうがいいんじゃない?」と友人にアドバイスされて始めたんですけど、働いてみたら賄いもおいしくて、温泉にも入れて、すごく楽しくアルバイトをさせていただきまして(笑)。それ以来、温泉が大好きになりました!

──体力的にも時間的にも大変ななか、それでも頑張れたのは声優への想い、”私はこの仕事で生きていくんだ”という強い気持ちがデビュー当時の時点でしっかりとあったからですかね?

そうです。もちろん苦しい時もたくさんありましたけど、それ以上にみんなが楽しむ作品に自分の声が乗っている、素晴らしい絵に自分の声が乗っていることが、どんなつらいことよりもうれしくて。キャラクターから自分の声が聞こえてくる感動は、やっぱり超えられないです。その感動を味わったら、どんなに大変でも頑張ることができました。

──そこから現在までにいろんな作品に出演されていますが、自分の中でターニングポイントになった作品・役柄というと?

あえて挙げるとすると『君は冥土様。』の横谷李恋役でしょうか。私にとって、初めての30分枠アニメへの出演だったんです。李恋ちゃんは主人公の妹で11歳なんですけど、実際の私も兄が二人いる妹属性なので、子供時代にお兄ちゃんたちに甘えていたことを思い出したりして、楽しく李恋ちゃんを演じることができたなって思います。アフレコ現場の雰囲気も温かくて、共演者やスタッフの皆さんも全員優しくて、自由に伸び伸びと李恋ちゃんを演じることができました。

──『君は冥土様。』で、特に印象に残っているのは?

第3話です。李恋ちゃんのすべての表情がかわいすぎて、自分で見ながら何度も止めて見惚れていました(笑)。あんなに全部がかわいい李恋ちゃんに自分の声を乗せられて、本当にうれしかったです。

──声優以外のお仕事では、2024年から舞台にも立っています。

高校時代に演劇をやっていたこともあって、いつか舞台に立つことは目標の一つではありました。舞台ではアフレコの時と違って自分の生身が見えるので、そこでは高校時代に舞台に立った経験が活かされたかなと思います。自分ではない誰かになるという部分では声優のお仕事と一緒ですが、直接人対人で演技をしてぶつかり合えるという意味では、アフレコとはまた違うかなと思いますし、そこに関しては同じ演技でも別の楽しさをかみしめながら舞台に立たせていただきました。

──プライベートについても聞いていきたいのですが、飯田さんが今ハマっているものを三つ挙げてもらうとすると?

今に限った話ではないんですが、温泉、お寿司、ラーメンです! 温泉はアルバイトをした時にハマったんですが、忘れられない温泉の思い出があるんですよ。以前、あるコンテンツで各地の温泉とコラボする企画があったのですが、たまたま私がデビュー当時にアルバイトをしていた温泉もコラボ対象になっていて。コラボ中、その温泉施設を訪れた時にアルバイト時代のスタッフさんと再会したら、すごく感動してくださったんです。少しは恩返しができたかなって、私もうれしくなりました。

──お寿司とラーメンは?

お寿司もそうなんですけど、子供の頃からお刺身が好きで、家族からは“猫娘”って呼ばれていたぐらいなんです(笑)。『ゲゲゲの鬼太郎』の猫娘じゃなくて、お魚が大好きな娘だから“猫娘”だって(笑)。

──お寿司のネタでは何が好きなんですか?

生エビがこの世でいちばん好きな食べ物で、お寿司屋さんに行ったら最初に生エビを食べて、最後も生エビで締めていたんです。でも、食べすぎてエビアレルギーになってしまいまして(笑)。なので、今はサーモンですかね。あとはツブ貝とかサワラ、カンパチが好きです。

──ラーメンは、福岡出身なのでやはり豚骨ラーメンが好き?

そうですね。でも今は豚骨ラーメン以外も好きになりました。上京したばかりの頃は、豚骨ラーメンしか認めないって思ってたんです。でも、北海道に旅行した時に「すみれ」の味噌ラーメンを食べて、豚骨ラーメン以外もおいしいんだと気づきました。それ以来、東京でも味噌ラーメンを食べたり、最近は二郎系にもハマっていて。心は豚骨ラーメンにあり、なんですけど(笑)。

──ハマっていること三つのうち、二つが食ですね。

今は、コンビニのチョコミントフェアにもハマっています。いろんなチョコミントのメニューを食べ比べるんです。テンションが上がりますね(笑)。食べ物の以外だと、YouTubeを観ることも好きです。特にハマっているのは、平坂寛さんという方のチャンネル。生物が大好きな方なんですけど、いろんな生物に刺されてみたり、その生物の毒を自分で試すんです。興味深いし、すごく面白いんですよ。

──最後に、読者にメッセージをお願いします。

「声優図鑑」に載るのは夢の一つだったんですが、これも皆さんが応援してくださったおかげですので、まずは感謝の気持ちをお伝えしたいです。本当にありがとうございます! これからも自分にとっても、そして応援してくださっている方にとっても素晴らしい未来が描けるように、作品と役に日々ぶつかって、演技にどんどん向き合って、役者として精進していきますので、どうかこれからもよろしくお願いします!

~声優未来予想図~

Q:これからどんな声優を目指したいですか?

1年後の私
今はかわいい系の女の子を演じさせていただくことが多いんですが、これまでに演じたことのない役柄を演じて、この1年間で役者としての引き出しを増やしたいです。

3年後の私
今は『学園アイドルマスター』の藤田ことねちゃん役で知ってくださっている方が多いんですけど、3年後は「飯田ヒカルと言えば、○○だよね」という役柄、代表作をもっと増やしていきたいなって思います。

5年後の私
キャリアを重ねて後輩も増えていると思うので、先輩としてかっこいいなと思ってもらえるような演技をしていたいです。誰か一人からでも憧れの先輩だと思ってもらえる役者になっていたいと思います。

10年後の私
心身ともに健康で、何も悩まず、その時その時を楽しみながら、純粋な気持ちで演技をしているのが理想です。そのうえで、どんどん出演作を増やしていって、応援してくださるファンの方にしっかり恩返しができている10年後であればいいなと思います。

撮影/玉井美世子 ヘアメイク/GiGGLE
取材・文/大久保和則

飯田ヒカルさん手書きプロフィール

飯田ヒカルさんコメント動画

▼動画URLはこちら
https://youtu.be/Dlm5LAi8SpU


「声優図鑑」に出てほしい声優リクエストを募集中!

[contact-form-7]

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 川西賢志郎、じろう、田中直樹、塚地武雅、西田尚美、水上恒司の出演が決定!内村光良のコント番組「LIFE!」〜マーベラーに捧げるコント〜出演メンバー発表&チケット先行販売開始!

    WWSチャンネル
  2. マギー、大人可愛いブラックコーデにファン「ホンマスタイルがめちゃくちゃ良いなぁ!!」の声

    WWSチャンネル
  3. バイリンジボーイが解散を発表 2026年2月にラストワンマンライブを開催【コメントあり】

    SPICE
  4. 入野自由、2026年春に東京・大阪・福岡、3都市巡るライブツアー開催決定

    SPICE
  5. 世界中で愛される「モンチッチの専門店」がオープン【京都市東山区】

    きょうとくらす
  6. とにかくごはんが進むよ。切って炒めるだけの「ピーマン」のウマい食べ方

    4MEEE
  7. <義母との旅行に100万!?>義姉「お母さんの希望を叶えてあげたい」家計がピンチ!【まんが】

    ママスタセレクト
  8. 地元の味覚を取り入れた新メニューも!朝食メニューリニューアル(室蘭市)

    北海道Likers
  9. 【11/29-12/1 富山おでかけ】16種類の鍋料理を楽しめるグルメフェス開催! 砺波・氷見・高岡ではイルミ点灯式も

    nan-nan 富山の情報
  10. 猫への愛が強すぎるとやりがちなNG行為6選 その行動が愛猫を困らせているかも…

    ねこちゃんホンポ