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「ニコラス・ホルトとダメな結婚を繰り返してきた(笑)」『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』エル・ファニング直撃インタビュー

海外ドラマNAVI

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アカデミー賞®作品賞ほか10部門にノミネートされた2018年の映画『女王陛下のお気に入り』の脚本家トニー・マクナマラが贈るブラックユーモアをちりばめた新たな宮廷歴史ドラマ『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』が、スーパー!ドラマTVにて2月15日(月)22:00より独占日本初放送となる。18世紀のロシア帝国を舞台に、同国の黄金時代を築き上げた史上最長在位の女帝エカチェリーナの若き日を描いており、『女王陛下のお気に入り』と同じくシニカルなユーモアとヒューマンドラマが混在する。2020年5月の米Huluでの配信直後から大きな話題を呼び、7月にはシーズン2の更新が決まり、9月に発表されたエミー賞ではコメディ部門の監督賞と脚本賞にノミネートされた。同作でドラマ初主演を果たしたエル・ファニング(『マレフィセント』シリーズ)を直撃! 主演だけでなく製作総指揮も務める彼女に、政略結婚をした皇帝ピョートル大帝との複雑な夫婦生活や作品の独特なトーン、同じく子役出身の姉ダコタとの関係などについて語ってもらった。

――本作であなたは主演のほかに製作総指揮も務めていますが、エカチェリーナの物語をどんなきっかけで知ることになったのですか?

まず、プロデューサーを務められたことを幸運に思うわ。こんなに大きな作品規模のシリーズを手掛けるのは初めてだから。脚本を執筆しているトニー・マクナマラが、エカチェリーナを演じる気はあるかって言ってくれたのがそもそもの始まりなの。その時、製作に関わりたいかも聞いてくれたのよね。そんなわけで製作に関わるようになって、Huluへのプレゼン時や製作現場にも立ち会ったわ。すごく新鮮でワクワクする経験だった。

エカチェリーナと似たことをいろいろやっている気分だった。それまで経験したことがない(プロデューサーという)役割を果たすことになり、今までとは違った形のパワーを手にしているわけだから。つまり、撮影中のエカチェリーナと私の生活はある意味、かなりシンクロしていたの。といっても、エカチェリーナの物語はとても風変わりで、トニーの描き方は史実とはかなり異なっていて、私のコミカルな面を引き出したエカチェリーナはとても地に足の着いたキャラクターだから、歴史ドラマはとっつきにくいと思っている視聴者にも興味を持ってもらえると思う。18世紀のストーリーだけど現代的なアレンジを加えているところも個人的に気に入っているの。

――ということは、歴史ドラマというよりも現代的な作品と呼べるのでしょうか?

もちろん歴史は元になっているけど、史実にがんじがらめになっているわけではないの。私たちは気ままに振る舞い、時には新しいストーリーを生み出したりもする。ただ、多くはその時代に忠実に作られているわ。トニーは当時についてリサーチしていく中で面白いものを見つけ出すの。例えば、妊娠したかどうかを調べる方法は、小麦の上におしっこをすることだったといったことをね。当時の人たちは本当にそうやってたのよ! そういう、作品に合うトーンのものを盛り込んでいるわ。

私たちは自分たちなりのエカチェリーナを描きたいの。彼女のことを実際には知らないわけだから、こういう人物だったんじゃないかという姿をね。彼女についての記録は多くない。外見を描いた肖像画などはあるけど、彼女が実際にどんなことをしたのか、様々なことを率先して行った、フェミニストのアイコンである彼女の人となりを示す要素は存在しないのよ。だから私個人は彼女を演じるにあたって、いくつかの要素をかき集めて、みんなが見たことがないようなまったく新しいエカチェリーナを生み出したの。すごく面白かった。

――女性が持つ力について描かれている点が『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』を彷彿とさせますが、『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』はほかにはない独特な作品です。あなた自身はこの作品の独自性はどんなところにあると考えていますか?

作品のトーンにあると思う。トニーが描き出す世界はとにかく新鮮で、現代に生きる私たちにとっては一種の現実逃避が味わえるの。もちろんセットや衣装は豪華絢爛で、見ているだけで楽しいしね。そして、フェミニストの物語でもある。

シリーズ開始当初のエカチェリーナはとても若くて世間知らずだったけど、シーズン1の全10話を通して視聴者は彼女の成長を目にしていく。男尊女卑の世界で、彼女は自分の権利や意見を主張するようになるの。そんなストーリーを面白いやり方で伝えることができるのは、本当に素敵なことだわ。

キャストがまた素晴らしくて、みんな仲良しで、撮影現場ではしょっちゅう笑ってるの。そんな仲の良さが画面からも伝わるはずよ。どのキャラクターも特異性があって、それぞれのストーリーを持った人間味のあるキャラクターだから、みんな自分たちが演じる役柄が大好きなの。そんなところが作品にも表れていると思う。

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――プロデューサーとして、「これは譲れない」といったこだわりはありましたか?

その質問は前にもされたことがあるの。ちょっと待ってね。前はなんて答えたんだっけ...。キャスティングでは、それぞれの役に合った人を起用することを心がけると同時に、多様性を採り入れることも意識した。それはトニーや私自身がこの作品にもたらしたいと思っているものだから。だって、白人しか出ない歴史ドラマなんて誰も見たくないでしょ? 独特のトーンを持つこの作品を視聴者に身近に感じてもらいたいから、あらゆるタイプの人に出てほしい。それが当初から私たちが大事にしていることで、今後も新しいキャラクターが何人か登場する予定なの。


――マクナマラと一緒に企画の初期から関わっているそうですが、あなた自身のアイデアがどんなところで生かされたかを教えてください。

ちょっと待ってね。いろいろあるから。まず、トニーは自分が書いたものに対するこだわりが強いから、私たちはアドリブをしたりはできないの。そういう意味では、私たちは脚本に忠実に演じることになったけど、一部で変更を加えることもできた。というのも、トニーは若い女の子じゃないから(笑) そういう点で彼とコラボレートすることができたわ。彼から何か聞かれると、私はエカチェリーナになった気分で答えるの。彼女の一種の尊大さが大好きだから、トニーにはエカチェリーナの美しさや自信のほか、多少尊大な面も引き出してほしい。そこが彼女を演じる上で本当に面白いところだから。そんなわけで、トニーとは演技のバランスについてよく話すわ。

あと、比類なき夫ピョートルを演じたニコラス・ホルトとの共演にも触れないとね。彼とエカチェリーナの関係を薄っぺらなものにはしたくなかった。すごく複雑な夫婦関係を作り上げたかったの。だから、ニック(ニコラス)と私はそのことでトニーとたくさん話し合った。トニーが描いてくれたエカチェリーナとピョートルのあるシーンは、脚本にすると8ページくらいにわたる長いもので、覚えるのが大変だったけど、楽しく演じることができた。ニックという"スパーリング・パートナー"を相手にするのは面白い体験で、二人の特別な関係こそが私がこの作品にもたらしたかったものなの。これで答えになっているかしら。

――この作品におけるコミカルな要素は主にあなたとニコラスの関係によってもたらされていますが、お二人のケミストリーを生み出すためにどんなことをされたのですか?

昔、映画(2014年公開の『マッド・ガンズ』)で共演したことがあるの。たしか私が14歳で、彼が21歳くらいの時にね(編集注:ニコラスはエルの9歳上の1989年生まれ)。その作品の中で結婚もしてたのよ! 複雑で変わった結婚だったけど。つまり、私たちは演技としてダメな結婚を繰り返してきたのよね(笑) そんなわけですでにお互いのことを知っていたから、今回再び共演することになって本当にいい友達になったし、仕事の上でもぴったりなの。仕事の仕方がすごく似てるから、彼との共演はとても楽しいわ。

もしかしたら、どちらも子役出身なのも影響しているのかも。彼も私もとても幼い頃から演技をしていたから、お互いへの理解があるの。お互いを軽く殴り合うのも大好きよ。エカチェリーナとピョートルが劇中でやってるみたいにね。そういうことすべてがこのストーリーを伝える上で役立っているの。

相手がニックだからこそね。彼のおかげで、ピョートルは邪悪なキャラクターにもかかわらず、すごく面白いしカリスマにあふれていて、視聴者に愛されるようなキャラクターになっている。ピョートルを魅力的に見せるのは難題のはずなのに、ニックは苦労することなんて何もないみたいにあっさりと成し遂げるの。そんな彼を尊敬してるわ。そんな風に尊敬する人がいると、その人のために現場で自分の最善を尽くしたくなるの。

ニックとは刺激を与え合っていて、最高の関係よ。彼となら濃厚で長丁場のシーンをやるのも楽しいの。シーズン2でのピョートルとの関係も面白いので注目してほしいわ。

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――第1話でのピョートルはとにかく軽薄で、人に好かれるような人物にはとても見えませんよね。台本を読んだ時、あるいは撮影現場に来た時の彼の第一印象はいかがでしたか?

第1話の脚本に限って言うなら、たしかに「これまで会った中で一番、虫唾が走るような、邪悪な人」って感じだったわね。彼は恐怖をもって人々を押さえつけ、残忍な行為に喜びを見出していたから。でもそれは第1話だけの話よ。またニックの話に戻るけど、彼が演じたピョートルは何層にも重なっているようなタイプの人間で、中身はまるで子どもなの。おもちゃで遊んで、母親のことが大好きで、そんなママを亡くしたことを悲しんでいるのよ。そういう中身がゆえに、エカチェリーナはピョートルに同情するの。「お気の毒に」ってね。私自身もそういう風に彼のことを見ているわ。

たしかに酷いこともするけど、彼は見た目よりも実際は賢いの。周りにはそう見せていないけどね。彼が良き仲間になるか、楽しみにしてて。

――本作ではセックスが重要な要素の一つですね。それに関して大変だった点はありますか?

本物のエカチェリーナにとってたしかにセックスは大事な要素よね。彼女は性的に奔放で、多くの愛人がいた。それはつまり、彼女がいかに時代に先行していて、自由だったかを示しているわけだから、私たちはその要素も当然、作品に採り入れたかった。そこには下品な要素もあるわ。特にニックのキャラクター(ピョートル)に関してね。現場にはラブシーン専門のコーディネーターがいたから、それが大きな助けになった。私自身はそういう人と仕事をするのは初めてだったんだけど、彼女は私たちと一緒にシーンの振り付けを考えてくれて、みんなが居心地の悪い思いをすることなく、ちゃんと守られていると感じながらも自由を味わえるような環境作りをしてくれた。おかげで私たちは気ままに安心して演じることができたの。

あと、ニックと、愛人役のセバスチャン(・デ・ソウザ)の存在にも助けられた。エカチェリーナと彼らとのセックスは大きく異なっていて、ピョートルとは何のロマンスもないの。それに対してセバスチャン演じるキャラクターとの関係はとても愛らしく、美しいものにしたかった。そういう二面性を意識しながらコーディネーターと一緒に取り組み、どちらの男性とのラブシーンにも、とても安心して臨むことができた。それこそが大事なことだったわ。

――本作にはフィクションの要素もありますが、一部では史実に基づきながら、一部は基づいていないようなキャラクターをどのように演じたのですか?

第1話を撮り始めたばかりの頃、"全部リサーチする? 歴史の本を引っ張り出して参照すべき?"と考えていたの。でも私が調べていたらトニーが「本はしまっていい。大丈夫だ。エカチェリーナの人生についてすべての事実を知ろうとしなくていい。もっと楽しもう」と言ってくれたの。それで気づいたわ。私たちがこの作品のために参考にすべき青写真は脚本であって、史実に縛られる必要はないんだってね。

エカチェリーナについて学んだことの一つは、彼女がローラーコースターを発明したということね。みんなが知っているかどうかは分からないけど、私自身はそれを知った時、彼女の性格が分かるような気がした。そんなものを発明するなんて、すごく楽しい人で、クールだったに違いないもの。エカチェリーナのそういう面はほかの業績からも明らかよね。彼女は啓蒙思想を採り入れ、女性の教育や科学の発展に寄与した。ロシアの発展のために尽くしたの。そういう点も本作で描いているわ。ただ、それと同時に、私たちは堅苦しい作品にはしないように気を付けてるの。歴史ドラマって時々、やけにドラマチックで視聴者を置いてけぼりにしちゃうでしょ。でも本作では事実を織り交ぜつつも、楽しめるものにしたいから。

――エカチェリーナには様々な逸話がありますよね。その中には、本当かどうか疑わしいものも存在します。脚本を受け取る前に、どのくらい彼女についてご存じでしたか?

前から彼女のことは知っていた。ロシアの女帝であったことはもちろん、死にざまを含めた逸話についてもね。その中の酷い噂のことを考えると悲しくなるわ。あれは、一部の人たちが彼女の悪い噂を流すことで、ロシアのためにエカチェリーナが成し遂げたこと、彼女の遺産を消そうとしたということだと思うから。本当はそういう噂じゃなくて貢献こそが広く知られているべきなのにね。

エカチェリーナについて学校で教わった記憶がないの。多分少しは聞いたんだろうけど、あまり覚えてないのよ。だから私自身、この作品を通して本当に彼女について多くのことを学んだし、作品を見た人たちもいろんなことが知れると思う。そういう噂について劇中で面白い形でほのめかしていたりもするけど、それ以上のことを伝えているの。そんなわけで、彼女がきちんと輝ける機会が来て幸せよ。それこそが彼女にふさわしいから!

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――もしタイムマシンがあってあの時代に行けるとしたら、本物のエカチェリーナとピョートルにどんなことを言いたいですか?

ワオ。そうね、ピョートルと一緒にパーティに出たいかな。彼は面白いパーティを開いてくれるだろうから楽しめそう。そしてエカチェリーナに関しては、そうね...何を聞こうかな? 彼女はきっと素敵な人だから、私の演技が正しいと思うかを聞いてみるかも。私の演技を気に入ってくれるかは分からないけどね。

――本作ではゴージャスな衣装も見どころですが、どのドレスがお気に入りでしたか?

答えるのは難しいわね。本当にたくさんの衣装があったから。衣装部門がすごく頑張ってくれて、すべてが手作りなの。刺繍やフィッティングに何時間もかかった。どんなシルエットが効果的か、何の素材がいいかといったことにもこだわったから、とにかく美しい出来よ。ただ、その中でどうしても一つ選ぶなら...シーズン1のラストでエカチェリーナが着た明るいピンクの衣装ね。彼女の女性らしさや若さをよく表していると思うから。21回目の誕生日を迎えた彼女が、ある決意を固めた記念すべき日に着ていた服でもあるし。当時あんなに派手なピンクの衣装を着るなんて、すごく大胆な選択だったと思う。この作品では衣装からエカチェリーナの変化が見られるのも面白い点よ。シーズンを通して、彼女が身に着ける服の色合いが変わっていくの。シーズン1が素晴らしい出来だったので、新シーズンでより良い衣装を見せるのは大変かもしれないわ。

――あなたはキャリア初期に『CSI』『クリミナル・マインド』など様々なドラマにゲスト出演していましたが、主演はこれが初になりますね。映画では主演もされていましたが、そちらと比べて、ドラマの現場はいかがですか?

明らかに違うわね。ドラマ製作は映画よりももっと時間がかかるから。とはいえ、映画よりもずっと速いペースで物事が進んでいくので、絶え間なく慌ただしい感じね。ただし、役への取り組み方はどちらでも変わらないの。そういう意味では違いは感じないわ。

――お姉さんのダコタもほぼ同時期にドラマ(『エイリアニスト』)に出ていますよね。姉妹でお互いの仕事について話したり、刺激を受け合ったりされているのでしょうか?

ええ、そうしてるわ。『エイリアニスト』をブダペストで撮影中の姉に会いに行ったことがあるの。私が撮影している時も、(撮影が休みとなる)週末に二人で会っているし、姉が私のいるロンドンまで訪ねてきてくれたこともある。お互いに支え合っているし、それぞれのセットを訪問するのが大好きなの。

特に楽しみなのが、もうすぐ映画で共演することね。しかも姉妹を演じるのよ! 『The Nightingale(原題)』という作品で、そろそろ撮影開始になるわ。これまでちゃんと共演したことがなかったから嬉しいの。姉のことをずっと尊敬してきたし、お互いのことを理解しているから、初共演がとにかく楽しみよ。

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――日本でもエカチェリーナは知られた存在です。そんな日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

彼女が有名だなんてクールね! そんなみなさんに私が演じたバージョンのエカチェリーナと作品を気に入ってもらえればと思うわ。見て笑って泣いて、何かを学んでもらえたら嬉しい。『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』はコメディだけど、リスクも冒しているし、すごくドラマチックな要素もあるの。ぜひ楽しみながら最後まで見てみてね。(シーズン1は)全10話なので全部でおよそ10時間あるけど、いろんな出来事がスピーディーに進んでいくわ。

――本作の原題は「THE GREAT」ですが、この作品であなたにとって素晴らしい(great)こととは?

たくさんあるけど、一つ挙げるならエカチェリーナが辿る道筋かしら。シーズン1最終話を撮り終わった時、すごく誇らしかったし達成感があった。そのエピソードの最後で、彼女は一人の女性として大きく成長し、自分らしくなっている。それは私が何よりも誇りに思っているものだし、素晴らしいことよ。彼女にはこれからもやらなければならないことがいろいろあるけど、自らの使命を果たすことがこの作品の美しいところでもある。それがテーマなの。自分が心から大事だと思うものを成し遂げるということがね。エカチェリーナはロシアを美しく民主的な国にしたい。それこそが彼女の使命であり、私がこの作品で気に入っているところなの。素敵なメッセージだと思うわ。

『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』はスーパー!ドラマTVにて2月15日(月)22:00より独占日本初放送。
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『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』
© 2021 MRC II Distribution Company L.P.

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