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「登場人物それぞれがユーリにだけ心を開く瞬間がある」──アニメ『グノーシア』リレーインタビュー第4回 ユーリ役・安済知佳さん

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年10月11日より放送がスタートしたTVアニメ『グノーシア』。

舞台は宇宙を漂う一隻の宇宙船、星間航行船D.Q.O.。人間に擬態した未知の存在「グノーシア」を排除するため、乗員たちは毎日1人ずつ、話し合いと投票によって“疑わしき者”をコールドスリープさせていきます。

しかし、主人公・ユーリは、どんな選択をしても“1日目”に戻ってしまう——そんなタイムリープの渦中にいました。

極限状況の中で交わされる会話を通じて、少しずつ明かされていく乗員たちの本音や秘密。信じるべき相手は誰なのか。何が正しい選択なのか。繰り返されるループの先に待つものとは——。

そんな謎に満ちた物語を彩るキャラクターたちを、キャスト陣はどのように演じたのでしょうか。

第4回目は、ユーリ役の安済知佳さんにアフレコ現場でのエピソードや演技に込めた想いを伺いました。

 

 

【写真】アニメ『グノーシア』リレーインタビュー第4回 ユーリ役・安済知佳

オーディションでは声優人生初の出来事が

──原作やシナリオに初めて触れたとき、どんな印象を持ちましたか?

安済知佳(以下、安済):最初にこの作品と出会ったのは、オーディション用の資料を読んだときでした。もともと人気のインディーゲームということもあって、世界観がとても丁寧に作り込まれているなと感じましたし、「どの役でもいいからこの世界に入りたい」と思うほど、魅力的な作品でした。

なかでも、原作のデザイナーとアニメではキャラクター原案を担当されていることりさんのイラストがとても印象的で。鮮やかな色使いと柔らかいタッチに心惹かれました。でもゲームの内容は所謂人狼。そのギャップに「なんて面白そうな作品!」とワクワクしました。

資料を読みながら、「この世界はどんなふうに広がっていくんだろう」と、どんどん惹き込まれていったのを覚えています。

──ユーリ役はオーディションで決まったそうですね。

安済:はい、そうです。実は最初に受けたのは、いわゆる“LOOP1組”のキャラクターで、たしかセツやSQだったと思います。でもそのときはご縁がなくて……。しばらくしてから「今度は主人公役のオーディションがあります」とご連絡をいただいて。

オリジナルキャラクターであり、あの個性的な登場人物たちと向き合っていくゲームでいうプレイヤーの役どころ。

まさにこの世界に入りたいと思っていたわたしにとって最高に魅力的なキャラクターでした。しかも男女問わずOKという募集だったので、「これはぜひ挑戦したい!」と強く思ったのを覚えています。

──そのオーディションで、特に印象に残っていることはありますか?

安済:テープオーディションを経て、スタジオオーディションがあったのですが、待合室に私しかいなくて「早めに来ちゃったのかな?」と思っていたら、なんとその日は私ひとりだけの審査だったみたいで。

すごく丁寧にディレクションしていただいて、終わった直後に「合格です」とその場で結果をいただいたんです。本当に驚きました。その場で結果を伝えられたのは、声優人生で初めての経験でした。

──ゲームも実際にプレイされたとのことですが、いかがでしたか?

安済:まず、圧倒的なループの数に「これは果てしないな……」と圧倒されました(笑)。登場キャラクターも多くて、それぞれに物語があるので、自分ひとりで全貌を把握するのはなかなか大変で。

なので、実際のプレイに加えて、実況動画や考察サイトも参考にしながら、『グノーシア』という広大な宇宙を、できるだけ多角的に捉えるようにしていきました。

実況されている方々の考察や捉え方が多彩で、それを引き出しているこの作品の面白さにも改めて感動しました。キャラクターの魅力やゲームシステムがとても緻密で、議論の流れの中で「あの一言、伏線だったの!?」と気づかされる場面も多くて。「これをアニメでどう描くんだろう?」と、ワクワクしながらアフレコに臨みました。

 

「ご飯で言う白米になりたいと思っていました(笑)」

──ユーリはアニメオリジナルのキャラクターですが、どんな印象を持ちましたか?

安済:見た目は中性的で可愛らしい印象なんですけど、言葉づかいがしっかりしていて、どこか生真面目なところがあるなと感じました。あまりラフな言い回しをしないところが、ループする世界に真っ直ぐ向き合おうとする芯の強さに通じている気がします。

一方で、ふとした瞬間に“抜け”があるというか、少し不安定なところもあって……。そこが逆に人間らしくて、魅力的だと感じました。

──プレイヤー視点でもあるユーリを演じるうえで、意識されたことはありますか?

安済:完璧でもなく、議論に強いわけでもなく、詰めが甘いとも思える未成熟な感性で、登場人物みんなと対話していく。いつも一生懸命。だから応援したくなるし、登場人物それぞれがユーリにだけ心を開く瞬間がある。

そのピュアな魅力を出せたらいいなと思いましたし、とにかく個性が強い人たちを相手にするので、誰と話しても合う、ご飯で言う白米になりたいと思っていました(笑)。あとユーリ自身も“何も知らない状態から物語に巻き込まれていく”立場なので、私もできるだけフラットな気持ちで臨むことを意識していました。

共演される皆さんが本当に素晴らしくて、「お芝居にきちんと反応していけば、自然とユーリが立ち上がってくるはず」と信じて、全力で飛び込むような感覚で演じていました。

──音響監督とのやりとりで、印象に残っていることは?

安済:台本に「……」がとにかく多かったんです。最初は全部真面目に拾って演じていたんですが、それだと少し頼りない印象になってしまって。「ここはあえて無視していいです」とディレクションをいただいてからは、間の取り方にも少しずつ慣れていきました。

アクションバトルのような派手な演出がないぶん、テンポと緊張感で物語を引っ張っていく必要がありましたし、言葉も難しいので「どこを際立たせるか」を細かくディレクションいただきました。音響監督の納谷さんのディレクションはいつも丁寧で考えも明確で心強かったです。

──第4話まで放送されましたが、物語が進むにつれて、ユーリはどんどん議論が上手になっていきますね。

安済:そうですね。ゲームでは“ステータス”という概念があって、直感やステルスなどの数値が成長していくのですが、ユーリもどんどん成長していくんだなと。

嘘のつき方もどんどん上手くなっていって、「意外とロジカルじゃん」と感じた瞬間もありました(笑)。最初はまっさらな状態で、少しずつ経験を積んでいく。その成長のグラデーションを、ちゃんとお芝居に乗せられていたらいいなと思っています。

──ユーリ以外で、特に気になったキャラクターや、印象に残っているキャラ同士の関係性があれば教えてください。

安済:どのキャラも魅力的で「箱推し」状態ですが、関係性でいうとセツと沙明。沙明の詳細についてはこの先の展開になるので伏せますが、2人の掛け合いのシーンは、作中でもかなりお気に入りの場面なので、楽しみにしていて欲しいです。

あとはしげみちとオトメも好きです。キャストを知ったときは、あまりに(配役が)ぴったりで「それだ!」と思わず声が出ました(笑)。

──もしご自身が『グノーシア』の世界にいたら、どんな立ち位置で動くと思いますか?

安済:グノーシア側よりは、守護天使をやりたいです!自分の発言で引っ張るというよりは、周囲の声を聞いて「誰を守るべきか」を判断する方が得意かもしれません。でもきっとみんなの議論が凄過ぎて、すぐ流されて守るべき人じゃない人を守ってしまうんだろうな……(笑)。

 

「心地よい苦しみをたくさん味わえた現場でした」

──今回、『グノーシア』の現場に参加して、刺激を受けた点を教えてください。

安済:本当に皆さんすごい方ばかりで……。言葉で戦うこの作品の中で、それぞれのキャラが説得力をもって立っている。その中に混ざって芝居をすること自体が刺激でしたし毎回感情を大きく動かされていました。

刺激が強過ぎて気持ちが持っていかれる日々で、心地よい苦しみをたくさん味わえた現場でした。そしてとにかく楽しかったです!

──本作では“嘘をつく”“正体を隠す”といった、キャラクター自身も“演じる”シーンが多く描かれています。ご自身が役者として役を演じるうえで、大切にしていることを教えてください。

安済:めちゃめちゃあります。最近は特にこれ、も実はあります。でもそれをお客様に知られて、その背景を踏まえて物語やキャラクターを観られるのが苦手で……なので秘密です!インタビューにとても不向きで申し訳ありません……。あ!ある意味、裏側をみせないことが大切にしてることになるのですかね…?

──では安済さんご自身がお仕事の中で「楽しい」と思うのはどんなときですか?

安済:掛け合いの中で、相手のお芝居に思いがけず心を動かされたときですね。前提として常に心は動かしていますが、いい意味で想定外がきた時に、わたしの台詞も想定外の息や感情で言うことになる。そしてそれが想定より正解を叩き出した時の感覚はいつも楽しいです。

──最後に、読者や視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

安済:ゲームをプレイされた方には、「あ、ここ原作では描かれていなかった!」と感じてもらえるような演出が随所にちりばめられています。時間の流れや会話の間に感情がにじんでいて、美術も含めてキャラクターたちが立体的に感じられると思います。

一方で、アニメから『グノーシア』の世界に入った方にとっては、「なんなんだこれは!?」の連続かもしれません(笑)。でも、実はその“謎”こそがこの作品の一番の魅力。「グノーシアって何?」「銀の鍵とは?」と、気になることが次々に出てくると思いますが、ぜひ最後までじっくり追いかけてみてください。

原作者の川勝さんが「このアニメは“ユーリの宇宙”を描いた物語」とおっしゃっていて、その言葉がとても印象に残っています。アニメを観て「グノーシアの世界って面白いな」と思っていただけたら、ぜひゲームでも“自分だけの宇宙”を体験してみてほしいです。

アニメ版では、ここからさらに個性豊かなキャラクターたちが続々と登場しますし、キャストの皆さんのお芝居も本当に素晴らしいので、ぜひ最後まで『グノーシア』の世界を楽しんでいただけたらと思います。

 

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