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大分トリニータ シーズン総括 一体感はあったが、もろさも表面化【大分県】

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若手の成長で来季への期待が高まる

今季のリーグ戦成績

9位 勝ち点62 17勝11分14敗 54得点・56失点

 

 J1昇格には手が届かなかったが、実戦の中で若手を育てながら、最終盤までプレーオフ争いを演じたのは評価できる。完全に軸となった弓場将輝だけでなく、西川幸之介も守護神として経験値を積み、プロ5年目の高畑奎汰は左サイドで確固たる地位を築いた。また、新卒の松尾勇佑、保田堅心らも後半戦から出場機会を伸ばし、来季への期待を感じさせたのも収穫だ。

 

 もちろん、若さゆえの試合運びの拙さはあり、それが昇格を逃した大きな要因の一つでもある。西山哲平GMは「序盤は粘り強さや勝利への執着心、一体感が勝ちに結びづけたが、後半は残念な結果になった。特に今季は軽い失点が多く、自分たちのペースで試合を進めていても、どこかで失点する。90分の戦い中で試合をコントロールできなかった。もったいない試合が多く、失点の部分は最後まで改善されなかった」と振り返る。

 

最終戦で得点した弓場将輝

 

 今季は下平隆宏監督が2年目を迎え、トップダウンの指示から、スタッフ、選手と共にチームを創る「共創」宣言を掲げた。練習前に選手、練習後にスタッフが毎回発言する場を設けた。弓場は「何でも言いやすい雰囲気があり、まとまっていく感じがあった」と振り返る。選手の主体性を重んじたことで、一体感が生まれ、快進撃を巻き起こした。しかし、後半戦は対策を練られ、自分たちのスタイルであった「攻守の切り替えが速いサッカー」を出せない時期が続く。さらに下平監督の頭を悩ませたのは、けが人の続出だった。試合ごとにメンバーを変え、それに伴って戦術やシステム変更も余儀なくされる。ある主力選手は「システムが変わり、ハイプレスが希薄になった。重視するものが変わり、何を押し出せばいいのか正解が分からなくなった」と語る。西山GMも「選手に自由を与えていたので、もう少しやるべきことを整備してあげてもよかった」と反省点を挙げた。

 

 ラスト4試合はこれまで掲げた「共創」から、下平監督が狙いとする戦術、システムを押し出した「独創」にかじを振り切った。これが功を奏したのだから皮肉なものだ。キャプテンの梅崎司は「監督はこのサッカーをしたかったんだと思う。ラスト4試合で形にできただけに惜しかった」と悔やむ。来季は監督が代わり、現有戦力の維持が基本路線となる。限られた戦力で結果を求めながら、より育成に重きを置くことになるが、もろさを排除して高みを目指したい。

 

終盤戦で存在感を示した保田堅心

 

 

(柚野真也)

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