メキシコ・シティ(メキシコ)を訪ねて~作家・秋山秀一「旅の記憶(37)」
訪れた国や地域90以上、海外への旅は228回。旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。
秋山秀一さん
旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』『旅にでる、エッセイを書く』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
破壊されたアステカ帝国の跡地に建つ街
メキシコ・シティの観光拠点、ソカロ(中央広場)に面して、北側にアメリカ大陸最大の大聖堂、メトロポリタン・カテドラルが建ち、東側に国立宮殿が建っている。
もともとここは、アステカ帝国の都テノチティトランだった。
スペイン人の征服者コルテスによって破壊され、その廃墟の上にメキシコ・シティが建設された。
今、アステカ帝国時代の痕跡は、大聖堂に隣接する大神殿テンプル・マヨールの遺構によって見ることができる。
ソカロからラテンアメリカ・タワーまで、さまざまな店が並ぶ人気のマデロ通りを歩く。
途中、街角の似顔絵かきを発見。
大勢の視線を浴びる中、似顔絵を描いてもらった。
市民憩いの公園から大通りに出て散策
ラテンアメリカ・タワーの展望台からは、すぐ下に、総大理石造りの大劇場、べジャス・アルテス宮殿が見える。
その左手に市民の憩いの緑地アラメダ公園が広がっている。
西の方向を見ると、ファレス通りがあり、さらにレフォルマ大通りに面して建つ高層のビル群が眺められる。
アラメダ公園で、焼きトウモロコシを食べた。粒は大きく、硬かった。
公園から、西へ、メキシコ・シティのシャンゼリゼと称される、レフォルマ大通りを、独立記念塔のある独立広場まで歩いた。
街路樹、遊歩道、自転車専用レーン、バス専用レーンのある気持ちの良い道だ。
市内遊覧観光バスの車体には、革命記念塔と独立記念塔の上に立つ、アンヘルの名称で親しまれている天使像が描かれている。(文・写真/秋山秀一)