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【初対面】地下アイドルのチェキ会に参加して「作曲者です」と言ってみた結果

ロケットニュース24

ライブハウスで日夜活動する地下アイドル。ライブだけじゃなく、ダンスレッスン、ボーカルレッスン、SNS投稿、ビラ配り、横のつながりを作るなど、その地道さはインディーズバンドみたいだ。2011年にバンドデビューした私(中澤)としてはなんだか重なるものがある。

ゆえに、たまに地下アイドルに曲を提供させていただいている私。普段は書いたら終わりでアイドルに会う機会はないんだけど、今回手掛けた地下アイドルは挨拶してみることにした。チェキ会で。

・目黒鹿鳴館

なぜ今回挨拶してみようと思ったのかと言うと、デビューのハコがメジャー感のある場所じゃなくて目黒鹿鳴館だったというのが大きい。距離が近いガチの地下アイドルなのである。

また、別に有名人でもない私の音楽の仕事は、基本、クリエイター仲間から「手伝って」みたいな感じで来るんだけど、今回は運営さんから直で依頼されているので、そういう意味でもいつもより距離が近かったわけ。

・どうやって挨拶したらいいか分からないので

とは言え、アイドルに挨拶したことがないから、挨拶の仕方が分からない。自分のポジショニングがよく分からないのだ。私のような三下が偉そうにふるまっていいはずがない。

何より、売れないバンドマンとして最前線でステージに立っている人をリスペクトしている。かと言って平伏するのも気持ち悪い気がする。

そこでライブ終わりにチェキ券を購入してみた

ライブ終わりのチェキ撮影会は、もはや地下アイドル界でお馴染みの光景と言えるが、ちょっと話もできるのが良いところ。価格は1枚1000円だった。ちなみに、運営さんいわく、今回はデビュー特別価格らしい。

・アイドルオタクに話を聞いてみた

インディーズバンド時代、1000円のCDを売るのに四苦八苦した身としては、チェキ1枚1000円も高いような気がする。

しかし、会場でたまたま話した色んなアイドルを追いかけているという地下アイドルオタクさんに話を聞いてみたところ、「まあ安め」とのこと。「価格設定は色々あるけど2000円以上も普通」という回答だった。

その人は遠征もしたりするそうで、地方に行って推しに誰も並んでいない場合、悲しませないためにチケットを買いまくって何周もするんだとか。今までチェキ代で3~400万円は使ったという。う~む、熱い。火傷しそうだ。

何か使命感めいたものを感じた。こういう好きの速度が肉体を通り越している熱さがあるのは、これくらいの規模のアイドルイベントならではかもしれない。

・はじめまして、作曲者です

逆に言うと、そういう人がいるくらいだから、飽和の時代とは言えアンダーグラウンドは死んでないような気もした。今回のイベントは3マンだったが、この中からスターが生まれる可能性だってあるだろう。

さて置き、チェキの順番が回ってきた。チェキ撮影の時間は1分程度でその間に話ができるらしい。

チェキ撮影前にはじめましての挨拶。こういう場だからこそ礼儀は大切だ。続いて、「作曲者の中澤です」と挨拶してみたところ、それぞれの反応は以下の通り。

澪南(みおな)さん「えッ! 凄い!! あんなかっこいい曲書けるなんて凄いですね!」

RiKO(りこ)さん「えっ、ありがとうございます! 私あの曲一番好きなんです。聞いた時、出だしは絶対自分で歌いたいと思ってたら割り当てられてめっちゃ嬉しかったんですよね……」

MiU(みう)さん「えー!! 盛り上げやすい曲をありがとうございます」

凛月(りつき)さん「えっ、チェキ会で!? 今来る!? っていうか、Tシャツメタリカやん……!」

──軽めの寝起きドッキリみたいになってしまったが、反応にそれぞれの人柄が現れているような気がした。そして、直後に撮ったチェキはみんなしっかりキメている。すでにプロ意識を感じた。

・刹那に生きる

そんなアイドルの名前は『GE’LMINATii(ジェルミナティ)』。コンセプトはヴィジュアル系アイドルで、作家陣には元D-SHADEのKENさんとか、アーバンギャルドの松永天馬さんとかも名を連ねている。

D-SHADEはテレビで見てたし、アーバンギャルドは私がデビューした当時ライブハウス界隈の売れっ子でライブも観に行ったことがあるから、なんか感慨深い。

当時のバンドが止まった時点で、もう道は交わることはないだろうと思っていたけど、続けていればそんな雲上人たちと名前が並ぶこともあるんだなあ。まあ、道が交わったと言えるほどのものではないけれど、私こそ『GE’LMINATii』にありがとうと言いたい

90年代ヴィジュアル系の時代からアンダーグラウンドの最前線であり続ける目黒鹿鳴館。羽ばたいていったスターたちのサインを横目に今夜もまた新しい物語が始まる。

ライブの輝きは一瞬。その刹那に賭ける生死は未だライブハウスだけのものだ。はたして、彼女たちは分厚いコンクリートを突き破って地上に花を咲かせることができるだろうか。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼ちなみに、私が作詞作曲した曲はこちら。ライブでも盛り上がってて嬉しかったです。

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