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マルチアングラーの堤防釣りの思い出メシは【振舞われたカニ鍋で食中毒】

TSURINEWS

カニ鍋(提供:PhotoAC)

編集部から年末の特集記事としてお願いされたテーマは、ズバリ「釣りご飯」。私の場合、釣りの食事ではかなりトホホな体験をしてきました。今回は、そのご飯の思い出を語っていきたいと思います。

たった一つのコロッケ【友人編】

以前、横須賀三春町の海釣り公園近くの堤防で、友人T君と釣りをしていた時の話です。友人の家に行きそこから、自転車だったと思いますが、1時間くらいかけて横須賀の三春町まで行き、釣り具をオリンピックで購入。堤防でカレイやアイナメなどを狙いますが、外は極寒で尚且つ、堤防の上は風が強く吹き付けます。

友人と凍えた手でイソメを付け、手返しよく入れなおします。12時か1時頃だったと思いますが、腹が減り、AVE(エイヴィ)と言うスーパーで買い物をしようと、K君と自分の財布の中の残高を見せ合うと、なんと!二人で150円(笑)。目が合い大爆笑し、「どうする?」と二人でハモる始末です。

150円で買えるもの…、と二人で出した結論はコロッケ。なんで!?と思う方もいるかもしれません。今の自分も思います(笑)。その時なぜあったかい汁物(カップ麺等)にしなかったのか?今では……悔いやまれます。お店でアツアツの揚げたてコロッケを1個買い、自分が持ち、堤防の上に置き竿を確認しに少し離れます。

コロッケ(提供:PhotoAC)

コロッケを海に落とす

自分「半分に割って、コロッケ食べようぜ」と戻り、半分にコロッケを割ろうとフードパックを開けようとゴムを取ります。しかし、寒さで手の感覚がなく、コロッケを持ったその時!!!アツアツコロッケが海のほうにダイブ(笑)。

コロッケがスローモーションで海に落ちていき、落ちた後の海に浮いた油を、二人で呆然と見ながら立ち尽くします。T君、本当は怒りたかったと思いますが、「もう寒いから帰ろう。」と一言。

20cmのマコガレイをキャッチ

腹もなり、寒さも増しアタリもなく帰ろうとした時です。竿に違和感があり、巻いていても手の感覚がなくわかりません。かすかにブルブルとあるだけ、巻く手も早くなり、上げてくると小さい20cmのマコガレイです。その時、二人で感動したのを覚えています。

「カレイは家で食おう!」T君。凍える手で自転車をこぎ、大事にカレイをT君の家まで持っていきます。T君の家に着き、二人とも腹ペコに加え体が冷え切っている状態です。お母さんが気を使ってくれて、ご飯をごちそうになることに。

T君がお母さんに「見て釣れた!これも食べる」と言うと、お母さんカレイを見て沈黙。少し間があき、一言「こんな小さいの、持ってくんなよ!」と一言。

私とT君は、外の寒さより……お母さんの言葉で凍り付いたのは、今でもわすれられない一言です(笑)。そのカレイはちゃんと処理していただき、その日に美味しくいただいたのでした。

貰ったカニ鍋で食中毒

二十歳前のことです。従兄のT君と大黒ふ頭でカレイやシーバス、メバルなどが爆釣と新聞を見てふたりで即行動。川崎の上州屋さんでイソメや仕掛けを買い、自転車で爆走。14時位に川崎をでて、着いたのは4時すぎ、風も強く小雨も降り始め最悪な状態です。

仕掛けをセットし、近くで買ったホットコーヒーはすでにぬるく、手もかじかんできます。雨に濡れた状態で釣りをやりますが、寒さが半端じゃない。

20時まで頑張りましたが、何も釣れず帰ることに。帰り道にテントを張り、釣りキャンプをやっている、20代半ばであろう3人組の方たちが、ずぶ濡れの自分たちをみて「鍋あるから一緒に食べない?」と声をかけてくれ、テントに行き、温かいお茶とタオルを頂き、本当に感謝しかありませんでした。

鍋が出来たと容器に人数分よそって頂き、みんなで乾杯。カニが、いっぱい入っていたので、二人とも興奮して食べたのを覚えています。

カニ鍋(提供:PhotoAC)

急にお腹の調子が悪くなる

みんなで鍋を完食し、お礼を言い、解散することになり、自分たちは雨の中、自転車を漕ぎはじめ30分くらい経ったときでしょうか?なんかお腹がキュルキュル(笑)。コンビニのトイレ行こうとT君に話をしたのですが、返事がありません。

おかしいと思い、後ろを走っていたT君を見ると顔が何とも言えない顔で、モゴモゴ。よ~く、聞いてみると小さい声で「やばい……やばい……。」と自分に問いかけています。「何が?」と問うと、「腹と……気持ち悪い」と返答が返ってきました。

気持ち悪い!?どっかトイレかコンビニないかな?と必死に探しますが、当時そんなにコンビニはありませんでした。お尻に負担をかけるとすぐにも肛門から○○しそうなので、立ちこぎに(笑)。

コンビニに駆け込む

T君は上も下もやばい状態なので早くしないと大変なことになります。20分ぐらい走り何とかコンビニに、しかしここで問題が…。トイレが男子用一つしかないのでジャンケンで決めることに。ジャンケンは自分が勝ち入ろうとした時、T君が土下座をして「おねがい……。ケンタで。」と言うので譲りました(笑)。

入ったのはいいのですが、なかなか出てきません。自分もお腹がまずくなってきたので、店員さんに事情を説明します。

「女子トイレ借りたいのですが……すいません、カニ鍋食べて食中毒かもしれません。」と言うと「ずぶ濡れですね!大丈夫ですか?」と店員さん。自分は「雨より…、下痢。下痢です。」と言うと「大変っすね!いいっすよ~!」と言います。

家に帰っても体調は戻らず

そこからが地獄のはじまりでした……。家に帰っても下痢は止まらず、夜も眠れずゲッソリ。あれから何回の下痢したのであろうか、次の日まで続きました。

従兄のT君は会社でほぼトイレ状態で、同僚に病院に連れていかれ、点滴を打ち、1日入院したらしいです。あったか鍋を囲んでいるときは幸せだったのに。あれから知らない人の鍋は、お断りしています(笑)。

<荒木清/TSURINEWSライター>

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