Yahoo! JAPAN

一度は見たい廃墟の美しさ「軍艦島(端島)」へ上陸してきた〜

レクリム

長崎港から航路で約40分。

港から南西に約18kmの沖合いに位置する端島(はしま)は、通称軍艦島として知られ、南北に約480m、東西に約160m、周囲約1200m、面積約65000mという小さな海底炭鉱の島です。

岸壁が島全体を囲い、高層鉄筋アパートが立ち並ぶその外観が軍艦『土佐』に似ていることから軍艦島と呼ばれるようになりました。

炭坑閉山後、長い眠りについていた端島炭坑は、2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」 の構成資産の一つとして世界文化遺産に登録されました。

そんな軍艦島は公共交通で行くことはできません。

上陸ツアーに申込み、船に揺られること約40分。

進行方向に現れた巨大軍艦のようなシルエットをした島、それが軍艦島。

そして、上陸です!

そんな軍艦島の魅力を、軍艦島上陸ツアーガイドの浜口さんに教えてもらいました!

軍艦島とは

軍艦島が無人島となるまで、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか?

軍艦島は1810年に石炭発見され、1890年に三菱が買収しました。石炭の採掘が盛んに行われ、最盛期の1960年には5267人の島民が住んでいたんですよ。人口密度は当時の東京の18.4倍以上です。

ひっ迫した暮らしを強いられていたのでしょうか?

そうでもないんですよ。島の暮らしは裕福で三種の神器が入るのも早く、映画館やパチンコもあったそうです。

えー!意外にバブリーだったんですね!

日本で唯一の黒字炭鉱だったこともあって、景気も良く、会社や労働組合が喧嘩することなく穏やかに閉山したこという歴史もあります。

そんな当時の様子も交えながら、第一見学広場〜第三見学広場をご案内しますね。

第一見学広場

こちらは第一見学広場です。軍艦島は台風、波などの自然要因で全体的にどんどん廃墟化が進んでいるんです。

ということは当時も過酷な環境だったんでしょうね・・・。そこまでして軍艦島の石炭採掘に力を入れていたのはやはり希少な資源が潤沢に眠っていたからなのでしょうか?

そうですね、炭素含有量が 83%から 90%という極めて良質な瀝青炭という石炭が採掘されていて、過酷な環境の中でも大規模に採炭が進められていたんですよ。

当時の採掘された石炭の用途は、家庭用ではなく八幡製鉄所のような工場に下ろされていました。

そんな採炭の歴史の中でも一年くらい石炭が事故で掘れない年があったり、苦労も多々あったようです。

あちらの頂上部に見えるのは3号棟、奥には007スカイフォールのセットモデルとして使用された65号棟が見えます。

それぞれの建物にはどのような用途があったのでしょうか?

頂上部にあるオーシャンビューの3号棟は、6畳二間と8畳一間、キッチン・バストイレ付きの部屋にお偉いさんが住まわれていました。

コの字型で左から 9階・9階・10階建ての65号棟は軍艦島最大の建造物で、中には歯科医院や美容院があったほかに、屋上には保育所があったんです。みんな階段で登っていたんですよ。

9階建ての屋上まで階段ですか!なかなか鍛えられそうですね!

こちらの突き当たりに見えるのは、当時日本一高層だった7階建ての小中学校合同校舎です。軍艦島の面積が狭いことで、高さのある建築になったんです。1962年当時、最盛期の小中学校の生徒数は1169人でした。

保育園は9階建の屋上まで階段で登っていましたが、小中学校では当時最新鋭であったエレベーターが設置されていました。

そんなに生徒数が多かったんですね!どこをとっても意外性ばかりです!そんな校舎まで連続している骨組みは一体どんな姿だったんですか?

ベルトコンベアの跡です。校舎のある生活圏でも、採炭場である要素は色濃いので、アパートの真ん中を突っ切ったベルトコンベアを、24時間動かしていました。

炭鉱を暮らしが入り混じっている様式が軍艦島独特ですね。

第二見学広場

お次は第二見学広場です。頂上部の給水タンクもまたよく見えますね。

第一見学広場との違い、特徴的な部分などはあるのでしょうか?

生活圏が主軸であった第一見学広場に加えて、第二見学広場はレンガの壁の背後に、炭坑の中枢であった総合事務所があるなど、炭鉱夫の仕事の面影が残るエリアです。

炭鉱夫の仕事はどのようなものだったのでしょうか?

炭鉱夫の仕事環境は過酷なもので、地下環境の気温は40度近くの所もあったり、湿度も95%以上あったりします。岩盤浴の中で8時間以上作業するような感じですね。

すごい環境ですね!内陸の炭鉱とは違う、離島ならではの苦労もあったのでしょうか?

ありますね。水が貴重だったので海水を沸かしたお風呂に作業着のまま入浴したり、土地が限られていることもあって、地下に潜っていく2層に分かれたエレベーターには壁がなく、1層ごとに最大25人が詰めて乗っていました。

スカイツリー+2メートルの深度まで平均秒速7メートルで降下していましたんですよ。

それ、もうほとんど落下と変わらないですね・・・(笑)

レンガ造りの建造物もなかなか風化していますね。

台風のたびに屋根が飛んでいくので、長崎市も諦めて作らなくなったんです。手すりも台風のたびに飛んでいきますし、内海なのに建物全部にかかるくらいの波が来るんです。

ひぇ〜!また年月が経つと景観が変わってきそうですね。

あちらの角は喫煙エリアだった場所です。地下は火気厳禁なので、炭鉱夫たちが8時間分のタバコを吸い溜めていた場所です。

あの補強された階段はなんですか?

これは第二竪坑へ行くために設けられた桟橋への昇降階段部分、第二竪坑坑口桟橋跡です。

他の第二竪坑の遺構は全て崩壊していて、現存する遺構はこれだけなんです。

軍艦島の炭鉱では公式には215人の人が亡くなったと記録されており、一人でもお亡くなりになると、仲間たちはお声がけしながらご遺体を運んだそうです。

過酷な環境での作業は死傷者も多かったんですね・・・。

事故などで死傷したひとをエレベーターで上げ、ご自宅までは必ず運んだようです。

ちょっと辛い話になってしまったのですが、ここでトリビアです。

お!なんでしょうか?

世界遺産と言われる軍艦島は、実は軍艦島自体は世界遺産ではなく、壁がメインなんです。

その壁の中でも、明治時代に熊本から持ってきた砂岩で作られたものが世界遺産になっていて、長崎市の大浦天主堂と同じ小山秀(こやまひいで)氏の設計なんです。

へー!すごいトリビアですね!

第三見学広場

最後に、こちらは第三見学広場です。アパートが崩壊する可能性があるので通路もここで終わってるんです。

ここから見える30号棟は2020年3月にアパートの上から崩壊しました。

ここから見える建物にはどのような人々が入居していたのでしょうか?

頂上部に見えた幹部クラスのアパートに比べ、こちらは下請け、孫請けが入居していたアパートです。

内地の県庁の一般職の平均月収が2万円(現在の約33万円に相当)ほどだった頃に、孫請けでも月給4万(現在の66万円に相当)くらいもらっていたという人もいます。

軍艦島の平均月収、高いですね!

リスクも伴うのでそう言った部分はとても優遇されていました。給与面だけではなく、電気代が8円で使い放題だったり、夜は電話が深夜料金として安いので20時になったら人が集まっていました。

ほんと、まるで映画の世界のような特殊な暮らしですね!

軍艦島には日本の産業革命を支えた人々の余韻がありました

軍艦島には遺構を介し、現代の暮らしからは想像もつかず、当時の内地の人々からも想像のつかない特異な生活様式の余韻が漂っていました。

厳しい自然環境の中で崩れゆく軍艦島は、年々その姿を変えていきます。

その変化もまた歴史となり、いつ上陸ができなくなるかわからない有限の体験はとても価値のあるものだと感じました。

軍艦島は厳しい自然環境に晒されていても総合平均上陸率94%、出航率91.9%と、比較的高確率で上陸することができます。ぜひ長崎市の観光と合わせてお越しください!

軍艦島(端島)のスポット情報

営業時間

・午前便:9:00〜13:15

・午後便:12:00〜16:30

乗船料金

※()内は特定日料金:土日祝日、春休み(3月20日~4月7日)、GW(4月28日~5月6日)、夏休み(7月20日~8月31日)、冬休み(12月23日~1月7日)

※団体料金は15名様以上でご利用いただけます

※3歳未満のお子様は安全上の理由によりご乗船できません

軍艦島入場料金

※乗船料と別に入場料がかかります

アクセス:長崎県長崎市常盤町1-60(常盤ターミナル) → 長崎県長崎市高島町端島

・車

長崎駅から約5分

長崎自動車道長崎ICからながさき出島道路へ→大浦海岸通交差点付近

※常盤ターミナルには『お客様専用駐車場』及び『駐輪場』はありません

・電車

長崎駅 → [路面電車長崎電軌3号系統4分] → 市民会館 → [路面電車長崎電軌5号系統13分] → 大浦海岸通 → 常盤ターミナル → [フェリー40分] → 軍艦島

・バス

長崎空港 → [エアポートライナー50分] → 長崎新地ターミナル → 常盤ターミナル → [フェリー40分] → 軍艦島

※上記の内容は、株式会社ユニバーサルワーカーズが運営する軍艦島コンシェルジュの情報です

※ 軍艦島へ上陸するには各船会社が運航している軍艦島上陸ツアーに参加する必要があります。ただし、天候等により上陸できない場合があります。乗船に関する予約・お問い合わせ等は、各船会社までお問い合わせください。

やまさ海運(株)

軍艦島クルーズ(株)

(株)シーマン商会

軍艦島コンシェルジュ
https://www.gunkanjima-concierge.com/plan_joriku/

取材・執筆:

KOH

【関連記事】

おすすめの記事