【延長保育】6割が利用 半数が罪悪感…親たちを苦しめる“ギルティ子育て“の正体と抜け出すヒント
延長保育の利用に罪悪感を抱く親は半数以上。「ギルティ子育て」を生む社会の仕組みと葛藤の正体を、コクリコラボのアンケート結果から徹底解剖。罪悪感を手放し、親子が前向きに日々を過ごすためのヒントをご紹介。
▶驚愕の実例! 幼稚園・保育園の「謎ルール」ってある?<アンケート結果>「今日もまたお迎えが最後になってしまった……」「子どもに我慢させているんじゃないか」と、延長保育の利用に自己嫌悪を感じることはありませんか?
仕事やリフレッシュのために「利用して良い」と頭ではわかっていても、心の奥で葛藤を感じてしまう保護者は少なくありません。制度として用意されているにもかかわらず、なぜ後ろめたさを感じてしまうのでしょうか。
コクリコラボでは、延長保育に関するアンケートを実施しました。この記事では、その結果から見えてきた利用実態やママたちのリアルな声、そして罪悪感の正体と向き合いながら、私たちが前向きに子育てを楽しむためのヒントを探っていきます。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に2026年2月24日~3月9日 インターネット上で実施。有効回答数は143件。
延長保育の利用率は6割超! 多くの家庭が「日常的に」利用している実態
コクリコラボアンケート
コクリコアンケートによると、延長保育を利用した経験がある家庭は63.4%と、全体の6割以上の家庭が利用していることがわかりました。
コクリコラボアンケート
延長保育の利用経験がある家庭に利用頻度を聞いたところ、「ほぼ毎日」が30%、「週に数回」が18.9%と、約半数が日常的に延長保育を利用している結果になりました。延長保育は「たまに使うもの」ではなく、多くの家庭にとって生活を支える存在になっていることがうかがえます。
コクリコラボアンケート
延長保育を利用する理由でもっとも多かったのは、「仕事時間が長いため」という回答でした。そのほかにも、「自分のリフレッシュのため」「きょうだいの面倒を見るため」「自身の通院のため」といった声が寄せられています。
延長保育は単に「仕事のため」だけでなく、子育て家庭が日々の生活を回していくうえで、さまざまな場面で活用されていることがわかります。
延長保育に「罪悪感」を抱く親は半数以上
コクリコラボアンケート
延長保育の利用に対し、「心理的なハードル(罪悪感など)は感じますか?」という問いには、「とても感じる」が13.3%、「時々感じる」が40%でした。これらを合わせると、半数以上の保護者が延長保育に対して何らかの罪悪感を抱いていることがわかります。
延長保育は多くの家庭を支える制度である一方で、その利用に対して葛藤を感じてしまうという、複雑な側面も見えてきました。
延長保育で感じた悩みや葛藤
アンケートに寄せられた、延長保育の悩みや葛藤の声をご紹介します。
・朝から嫌だなぁ~といわれることもある。(50代/中3、中1の男の子、小3の女の子のママ)・どうしても子どもなので「今日は行きたくない」という日もあり、そんなときは無理して行かせている罪悪感があります。(40代/14歳、12歳、8歳の女の子のママ)
子どもの言葉に心が揺れる、という声が多く寄せられました。何気ない一言であっても、「子どもに我慢させているのではないか」という思いにつながり、罪悪感を抱くきっかけになっているようです。
・親にはありがたいシステム、子どもにとってはありがたいのか分からない。忙しい親にとってはよいが、子どもにとっては親との時間が減って寂しさを感じる気がする。(40代/小2、4歳の女の子のママ)・幼稚園で延長保育している人は当時ほとんどいなかったので、ほぼひとりだった。娘のいる部屋以外は真っ暗になっていて、その園舎をみるとすごくせつなくて、申し訳ないなと思っていた。(40代/高2、中2の女の子のママ)
「本当はもっと一緒にいたい」という気持ちと、「働かなければいけない」という現実に、やりどころのない気持ちが残ってしまう。そんな思いに共感するママも多いのではないでしょうか。
預かり保育の環境について、悩みをもつママもいます。
・延長保育担当の先生が数が少なくどうしても子どもが一部屋にぎゅうぎゅうになっている感があったり、お昼寝などがしにくい環境下と思う。(30代/6歳の女の子、3歳の男の子のママ)
目が届いているかどうか、子どもがゆったり過ごせているかどうか、保護者としてはどうしても気になってしまいます。
・人数が少ないので、テレビの視聴が増えること。(40代/中1、小5、小4、4歳の男の子のママ)
延長保育での過ごし方は園によって異なるため、気になる場合は実際の様子を聞いてみると安心につながります。
・働いた分だけ延長料金で支払いが発生する。働く意味をときどき考えてしまう。(40代/6歳の男の子のママ)
働くために延長保育にお金を払う。この状況に、ふと立ち止まってしまうこともありますよね。
・「おかえりの子」「おのこりの子」という具合に分かれるので、帰れる子を羨ましがることがあり、後ろめたさを感じます。またこちらの自治体だけかもしれませんが、費用をこちらで立て替え→あとから自治体より支給、というシステムを煩雑に感じてしまいます(いただけるだけでもありがたいですが、欲をいえば)。(40代/小2の女の子、5歳の男の子のママ)
制度としてはありがたいものの、実際の運用面ではもう少し負担が軽減されると感じている保護者もいます。
・2号認定がないと全額実費負担になるので、申請が必要なのが面倒だった。(30代/小1の男の子、年中の女の子のママ)
新2号認定や新3号認定など、制度の仕組みが分かりづらいと感じる声もありました。
・長男、長女のときに延長保育を利用していたときに園の先生から同じ業種の保護者と比較され、なんでこんなに延長が多いのか、子どもがかわいそうだと責められました。先生が内情を知らないから責める発言をされる。(30代/高3、小1の男の子、高2の女の子のママ)
家庭の事情を知らない中での言葉に、傷ついた経験があるというママの声もありました。周囲の理解のあり方についてあらためて考えさせられます。
利用してみてわかった延長保育のメリット
延長保育には、利用してみて初めて実感するメリットも多くあります。ここからは「延長保育を利用してよかった」という声をご紹介します。
・ふだんの幼稚園生活ではできない遊びができる、お友達とオヤツが食べられると娘は喜んでいました。親としても、お友達と遊んだり外遊びする時間として考えるとありがたかったです。(40代/14歳、12歳、8歳の女の子のママ)・帰宅後に公園に連れていくなどしなくても、いろいろな子どもたちと遊べた。(40代/小5、小2の男の子のママ)
・上のクラスの子と遊べるのが楽しいみたいです。(20代/4歳の男の子のママ)
延長保育というと「預けている時間」という印象を持ってしまいがちですが、実際には子どもが楽しく過ごしているという声が多く寄せられました。
こちらは座談会に参加したママの声。
・延長保育は3~4歳ごろに使っていましたが、子どもはむしろ延長保育をしてほしいタイプでした。もっと長く友達と園で遊びたいといっている子だったので、罪悪感はありませんでした。(小2の男の子のママ)
子ども自身が延長保育の時間を前向きに楽しんでいる場合、罪悪感を抱きにくいケースもあります。子どもが笑顔で過ごせる環境であることは、延長保育を利用する保護者の安心につながります。
・家でゲームやYouTubeを見ているより友達と過ごせてよいと思う。(40代/小6、年長の女の子、小4の男の子のママ)
ゲームやYouTubeと適度に距離を置ける時間にもなります。
・幼稚園の延長保育だったので、曜日ごとに、地域のご年配のかたが字の書き方を教えにきてくださったり、外部から運動遊びを指導する先生がきたり、ふだん家庭では経験出来ない取り組みが入っていて、よかったと思った。(40代/高1の女の子、中1の男の子のママ)
ならいごとの送り迎えをしなくても、園の中でさまざまな体験ができるのはありがたいです。
・働く親にとって安心して仕事を続けられる支えになること。(30代/小2の女の子のママ)
延長保育があるから今の生活が成り立っている。これは、仕事と育児を両立する子育て家庭にとっての本音ではないでしょうか。
・家庭の平和のために自分のキャパシティにあった選択を取れたこと。(40代/4歳の女の子のママ)・仕事の有無にかかわらず、子どもとのかかわりが密なお母さんたちが、自分時間を少しでも確保することで、子どものことをより愛おしく思えたり、リフレッシュして笑顔で子どもと向き合えるようになるのはとてもメリットだと感じている。(30代/小5、小3、小1の男の子、0歳の女の子のママ)
無理をしすぎないこと、頑張りすぎないこと。そのバランスをとることは、簡単ではありません。延長保育を利用することで少し余裕が生まれ、家族みんなが穏やかに過ごせる時間が増える。それはとても大切なことではないでしょうか。
写真:アフロ
延長保育に悩む親へ、先輩ママからのエール!
アンケートには、同じように悩みながら子育てをしてきた先輩ママたちからの、あたたかいエールが多く寄せられました。
・延長保育を利用することに負い目を感じる必要はないです。利用できる環境に感謝して、子どもと一緒にいる時間は目いっぱい愛情を注いであげればよいと思っています。(30代/小4、1歳の男の子のママ)・悩む必要ないです! 罪悪感を持つ必要もないです! それくらい子育てって労力がかかることなのでみんなで社会で子どもを育てていく必要があると思います。私たち、今日もがんばってる!!(30代/小5の男の子、小1、5歳の女の子のママ)
育児も仕事も両立するには、ママの頑張りだけでは限界があります。だからこそ、延長保育に頼ることは決して後ろめたいことではない、という心強いエールです!
・自分のことも大事にできないと子どもも大事にできない。周りから反対するような意見をいわれても自分の信じる道を進めばよいと思う。(40代/中2の女の子、小3の男の子のママ)・自分の無理な状況を口に出していい! 抱えこまないで、ベテラン保育士さんとか保健センターでの相談とかドンドン巻き込んで自分の体調を整えて、特に睡眠時間の確保! いろんな話も聞こえてきちゃうけど図太く過ごしてほしいです。笑顔でいられますように。(40代/高2、中2、小5の男の子のママ)
子育て中は、ついつい自分のことは後回しになりがちですが、ママの代わりはいません。ママ自身が無理をしすぎないことも、とても大切ですね。
・疲れて自分に余裕のないママよりも、ご機嫌でニコニコのママの笑顔が子どもたちは大好き! 子どもたちはお友達や先生と楽しい時間を過ごしてニコニコ、ママも自分の時間が作れてニコニコ。延長保育の時間がそんな時間になるのなら素敵ですよね。(30代/小5、小3、小1の男の子、0歳の女の子のママ)
やっぱりママの笑顔が一番ですね! ニコニコが循環すれば、子どももママもパパもきっと心地よく過ごせます。
・あまりうしろめたさを感じず、お迎えのときに笑顔でぎゅーっ! としてあげたら大丈夫だと思います。(30代/小6、小3の男の子のママ)・延長保育は罪悪感をもたれる親御さんも多いですが、お休みの日にめいっぱい楽しい思い出を作ってほしいです。家でも近くの公園でも一緒に遊ぶだけでも違うと思います。あと保育園の先生への感謝を忘れずに!(40代/中1の女の子、小1の男の子のママ)
つい時間の長さを気にしてしまいますが、どんな気持ちで向き合うかも大切であることを考えさせられます。
延長保育は親と子どもが生活を回すための選択肢
今回のアンケートから、延長保育に対する罪悪感は、周りからの視線や何気ない言葉、社会の仕組み、そして子どもを思う気持ちなど、さまざまな要素が重なって生まれていることがうかがえます。
そもそも、延長保育は罪悪感を抱くものではなく、家庭の状況に応じて「選べる」選択肢のひとつです。
・延長保育しても、しなくても、家族みんながハッピーに過ごせるタイムスケジュールになればそれでよいと思います。(30代/年中の女の子のママ)
ママの声にもあるように、家族みんなが心地よく過ごせるかどうか。それぞれの家庭の状況や価値観に合った選択が大切です。
制度を上手に活用しながら、無理のないかたちで子育てが続けられる社会が広がっていくことを願います。皆さんは、延長保育について、どう考えますか?
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。