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劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』中村悠一さん×早見沙織さん×斎藤千和さんインタビュー! 司波深雪が四葉家を継承することよりも重視している軸とは

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2026年5月8日(金)より公開となる劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』。

原作は電撃文庫より刊行中の佐島 勤先生のライトノベルとなっており、最強の兄・司波達也とその妹・深雪を軸に“魔法”が作品内の技術として確立した世界を舞台とした物語が描かれています。

また、TVシリーズが第3シーズン+劇場版まで制作されるなどアニメも人気を博しており、今回はそんなアニメ『魔法科』の劇場版第2弾。達也と深雪の兄妹にとって、そしてこの物語にとっても大きな転換点になるということで、期待している方も多いことと思います。

アニメイトタイムズでは本作の公開にあわせて司波達也役・中村悠一さん、司波深雪役・早見沙織さん、四葉真夜役・斎藤千和さんへのインタビューを実施しました。

作品の見どころはもちろん、達也と深雪の関係性についても必読ですので、ぜひ鑑賞前にチェックしていただけたらと思います。

 

 

【写真】劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』で明かされる兄妹の秘密|中村悠一×早見沙織×斎藤千和インタビュー

真夜の達也への執着……その理由が明かされる!?

──台本やシナリオをチェックされた際に『四葉継承編』の物語に感じた印象をお教えください。

司波達也役・中村悠一さん(以下、中村):四葉家を誰に継承するのか……その答えはもう出てしまっている側面がありますが、それを巡っての候補者たちの思惑や駆け引きが見どころになると思いました。陰謀が渦巻いているかのように描くこともできるし、もう少しサスペンスに振ることもできる。アプローチの仕方がたくさんあるだけに、描き方は難しそうだなと。そうやって色々な選択肢がある中で、今回はストレートなアプローチを選んでいるんだなと思いました。

──深雪以外の候補者の中で気になったキャラクターはいますか?

中村:達也目線で考えるならいません。それに、今回は深雪が四葉を継承するかどうかの方が大事な気がしていて。四葉を継承するとどうなる、継承しないとどうなるという部分は、達也以上に深雪にとって大事なことなんです。達也の目的は深雪を守ることだから、それはどんな立場になろうと変わりません。

ただ、四葉本家との距離感は変化するので、そういうところは気にしているはずです。それでも読み取れないことも多いのですが……やっぱり達也目線だと他の人たちの背景や人物像を語ることがないですし、だからこそ彼は他の候補者たちに対して何も思うところはないのだと思っています。

──ありがとうございます。早見さんは『四葉継承編』の物語についていかがでしたか?

司波深雪役・早見沙織さん(以下、早見):直近の第3シーズンだと第一高校でのエピソードだったり、深雪さんたちの学年がひとつ上がり、新しいメンバーたちとどんな物語を繰り広げるのかが描かれました。そんな第3シーズンの後半から大人たちの世界が描かれていったように、今回の『四葉継承編』ではもうひとつの『魔法科』の側面にスポットライトがあたるんじゃないかなと思いました。

しかも、お兄様もそうなのですが、特に深雪さんにとって四葉家というものは、複雑な想いや立場、お家柄もあってずっと心の一部を占めている存在。そこに焦点が当たることで、これまでとはまったく違う空気感の物語になるのではないかという印象もあったんです。そのある種ネタばらしの部分が一番面白いので、驚いてくださる方も多いのではないかなと。

深雪さんがずっと軸にしている抱え続けてきたお兄様への想いを伝えるシーンがあるのですが、そこは収録の時もこれまでの積み重ねを感じて私としてもグッときてしまいました。ジミー ストーン監督が手掛ける映像も凄く素敵なので、その時々でどこにフォーカスが当たるのかにも注目してほしいです。このシーンで手元が映るんだとか、ここで表情のアップになるんだとか、そういった映像としての表現も素敵でした。

──斎藤さんはいかがでしょうか?

四葉真夜役・斎藤千和さん(以下、斎藤):「この兄妹なんなの?」という部分の種明かし、ふたりの不思議な空気感や関係性がどうしてこうなったのか、その一端を解き明かすお話でもあるので、私は真夜としてそれを上手に説明できたらいいなと思いました。そんな彼女が達也と深雪に抱えている想いと、達也と深雪がどうしてこんなにもこんがらがってしまっているのか、そこに「ならしょうがないよね」と思える答えが出たらいいなと思いながら物語を見ていました。

──これまでのシリーズ以上に真夜の出番は多そうですね。

斎藤:めちゃくちゃ喋ってます! 本当につらつらと、だけど感情は捉えどころがない。本音なのか、そもそも本当か嘘かもわからないようなお芝居をしなければならなかったので、そこはしっかりジミー ストーン監督や原作の佐島 勤先生に伺いながらやりました。ジミー監督は本当に褒め上手で優しい方なので、アフレコ後に「最高でした!」と褒めてくださって私もテンションがあがりましたね。

──真夜の過去や背景はいつ頃から把握されていたのでしょうか?

斎藤:ある時、私から中村くんに突然聞いたことがあるんです。その時がきっかけでネットを駆使して知りました。今回の『四葉継承編』の冒頭のところになりますが、そこで真夜様の過去が描かれています。かなり重い話ではありましたが、彼女がどうしてこんなに歪んだ目線で達也と深雪を見ているのか、その答えのひとつではあると思います。また、そんな真夜様の歪みを通して、達也と深雪の歪みも表現しているのかなと。

──真夜の役作りについて、最初はどのようなアプローチだったのでしょうか?

斎藤:最初に登場した時は黒幕っぽいとても偉い人という印象だったのですが、今回演じたことで彼女の人間味が見えたので、この先もし演じる機会があるのなら『四葉継承編』を経た今の方がこれまでより演じやすいです。多分アニメからご覧になる方もそうだと思うのですが、凄く強そうで怖い人というイメージから、もう少し親近感を持ってもらえるようなイメージになると思います。

私としても凄くしっくりきたんです。これまでは演じていてあまり感情が入るような余地がずっとなかったのですが、その割に達也さんにやたら執着している。その謎の部分も当時は気持ちよく演じていましたけれど、今回遂にそこが描かれて「なるほどな」と。大切な何かが欠落してしまったからこその執着なんです。おそらく自分でもよくわかっていないところで執着している感覚があって、その拗れた感じが私は逆に納得がいきました。

──中村さんと早見さんには、真夜とのお芝居での向き合い方について伺いたいです。

中村:今後はかなり変わると思っています。ふたりにとって真夜は平時なら絶対的な存在ですが、完全に与している訳ではありませんし。

斎藤:やっぱり不思議な距離感だよね。

中村:親戚のおばちゃんなのに、何故か色々なポイントでものを言ってくるんだな………みたいな。

早見:圧倒的な存在感がありますよね。

中村:達也は表面上はへり下って言うことを聞くようにしているけれど、心情的には全てを受け入れてはいません。叔母さんが言ったからそうしようなんて微塵も思ってないですし。やり取りの中で、達也からは若干の嫌悪感がにじんでいて。腹の探り合いをしているのは、たぶん達也のほうで、真夜は別に探ってもいない。立ち位置が違うのだろうなという印象を受けていました。

早見:物理的にも精神的にも距離感がありますものね。

斎藤:達也さんは心情的に受け入れていないことや、嫌悪感を隠してないよね。案外、そうやって真夜様には感情を出してくる気がしています。

中村:だけど、そんな関係性なのに時々手助けをしてくれる。

斎藤:達也さんは案外真夜には感情を出してくるよね。

早見:今回の深雪さんはお兄様の隣にいて、お兄様の立場や振る舞いに同調していくところが多かったのですが、真夜の言葉で動揺したり変化したりするシーンもあり、そこは割と今までとは違ったなという印象がありました。

 

 

いかなる時も達也のやることは変わらない

──それぞれの担当キャラクターからの視点で本作の見どころをお教えください。

中村:達也は物語を動かす役割ではないので中々難しいところですが、今回登場するメンバー的に矢面に立って戦う人間が少ないので、戦闘シーンは達也独自の見どころになるのかなと。今回の一番の強敵との戦闘では危機感を持っているように思える場面もあり、そういう感情の動きはあったと思います。

──早見さんはいかがでしょうか?

早見:深雪さんはずっと抱え続けてきた想いの発露……のようなものがしっかり描かれています。これまでの物語でお兄様を軸に生きてきた、葛藤してきたことは見えてきていましたが、それがもう抱えきれないぐらい大きくなってどう物語が動いていくのか。この『四葉継承編』ではそんな深雪さんの心情がかなり丁寧に描かれていますし、そのために色々な決断をしたり、思い切った行動に出たりするところも見られると思います。

──斎藤さんもお願いします。

斎藤:真夜様は今回は喋り倒しているので、四葉という家を継承すること、達也さんと深雪さんの秘密………に関わるところをお話ししています。これは『魔法科高校の劣等生』の物語の根幹をかなり揺るがすものになるので、その部分が見どころになるのかなと。

──四葉の他の候補者たちで活躍に注目してほしいキャラクターは?

早見:お兄様が新発田勝成さんとの戦闘シーンも含めて様々なキャラクターとかなり関わっていたように思います。新発田さんには堤琴鳴さんと堤奏太さんというガーディアンがいるのですが、琴鳴さんとのキュンキュンするような場面があります。

ですが、候補者たちに凄いドラマがあるかというとあまりない。四葉家の周りの大人たちのそういったシーンが描かれる時は、どちらかというと重い会話シーンが多かったですし。こういった色恋や深い関係性を感じさせるシーンは、高校生チームの方がかなりあったので、やっぱりみんな色々あることがわかって面白かったですね。

──達也と深雪の関係性は大きく動きそうですが、その部分についての印象もお聞かせください。

中村:達也は今回で深雪との関係値が変わるので、この次のエピソードからなのかなと思っています。

早見:お兄様は全然ブレないですものね。

中村:『四葉継承編』の後には変わるかもしれません。もちろん、これまでも達也の中での驚きや気づきはもちろんありましたが、やっぱり成長するようなキャラクターでもないですし、やることが一貫しているので大きく変わることはないんです。

ただ、それはあくまで人間的に大きく成長することがないという意味合いです。それがないだけで、前のシーズンで深雪が気付いた「笑顔が増えてきている」といったことはあります。だから達也も変化自体はあるのですが、それでも気持ちの部分はあまり変わりません。

逆に、深雪は対外的にはクールだけど、達也が関わると感情がわかりやすいところがある。今回に関しては、彼女の内面が大きく揺れ動きます。

早見:やっぱりお兄様への想いが煮詰まってきていることは、深雪さんを見ていると年々見えてきているし、あまり隠せていないところが大きいかなと。なんならもう漏れてきているけれど、それもモノローグが描かれているからな気もしていて。

中村:主観が強く出ているからね。特に『四葉継承編』の深雪は家を継ぐことになると、跡目を作るためにどうしても婚約者が必要になります。普通はこの四葉家という大きな財閥のようなところをどうしていくのか……というのが重要になってくるのですが彼女はそうではないからちょっとズレてるんですよね。

早見:その想像はしているのですが、四葉家を継承することよりも、「(※婚約者ができると)お兄様に女性として見てもらえなくなる」という部分が深雪さんにとっての一番のネックになっている。だから、どこまでもお兄様を軸として生きていることは変わりません。

──『四葉継承編』を見る上でこれまでのシリーズから抑えておいてもらいたい部分はありますか?

中村:第一高校周りはほとんど登場しないので、基礎設定を抑えて第3シーズンをご覧になっていただければと思います。第3シーズンは割と学校から離れていることも多いですし、他にも四葉家と関係するキャラクターが登場することがあります。この『四葉継承編』へ向けた伏線も散りばめられていますし、『追憶編』などで描かれた調整体に関するお話
も、ここへ向けてのものだったのかなと感じるところがあります。

調整体に関して言うと、達也が今回の『四葉継承編』の中で一か所過去を思い返して語るシーンがありました。調整体というより、どちらかというと人の生き死にについてでしたが。「死んだものは治せない」と話をするのですが、ちょっと心情を込めてやってみたらもっとフラットに言ってくださいとディレクションを受けて気付くことがありました。

映像を見たら、達也ではなく桜井水波がショックを受けたポイントだったんです。もちろん思い返してはいるのだろうし、それは水波と同じものだと思うけれど、達也はそこに対して表情からしてもっとフラットで。水波の方がより深く思い返しているということを、僕はアフレコ段階では読み取れていなかったんです。

早見:『魔法科高校の劣等生 追憶編』も見返してもらうといいかもしれないですね。そこに関する要素がいくつかあるので。

中村:そうだね。親の話も出てくるし。

──アフレコ収録についても伺わせてください。印象に残っているディレクションやシーンはありましたか?

中村:収録中に何かを言われることがあまりないのですが、強いて言うならばリアクションの取り方でしょうか。達也は感情的なキャラクターではないので、何か衝撃を受けたとしてもその出し方については指示がありました。

そこまで表情に出さないのかなと思いきや、ここは演出上やっぱり強く驚いてくださいとなったり。逆パターンで、そこは流すというより達也として自然に受け止めてくださいとなることもあって。その強弱のラインは達也の感情のラインとまた少し違うので、物語の演出的な面を意識することがあったかなと思っています。

早見:深雪さんは渦巻いていた感情が、それぞれ独立してぶつかり合うように見えるところでしょうか。基本的にはお兄様の隣に立つ者として対外的な立ち振る舞いをやっているのですが、その場面では内側にずっと秘めていた子供のようなわがままだったり、相手を揺さぶるような挑発的な一面だったり、少し嫌味な言い回しをする深雪さんが出てきます。

彼女のそんな一面は、私としてもこれまでしっかり音声として表現することが無かった箇所でもあったので、深雪さんの中にどれくらいの幅があるのか考えながらアフレコに臨みました。子供っぽい深雪さんはそういう存在として彼女の中にあることを表現してほしいと、割と思い切り差をつけるようなディレクションもいただいていましたし、そこは司波深雪という人の奥深さを見ていただけるのかなと。

斎藤:中村くんもそうだったし、ジミー ストーン監督や佐島先生もそうだったのですが、会う方たちからしきりに「頑張れ」と応援されたり、「すみません」と申し訳なさそうにされたことが印象に残っています。

今回はこの物語の根幹を揺るがすような対話のシーンが主だったので、私としてもそこにどこまで真夜様の感情を込めていいものかと悩みました。それで、とりあえず1回やらせていただいた後に、もっと感情を出してください、もっと大げさにやってもらえますかという箇所がいくつかあったんです。

最初はそれだとちぐはぐになっちゃうような気がするし、そこだけ急に「バン!」とインパクトを与えるようなイメージで出したほうがいいのではと思ったのですが、やっぱり映像がつくと変わるよねと思い直しまして。

なので、もちろん真夜としての感情は途切れさせずに持っておくのですが、本当にディレクションをいただいたことを忠実に、細かいところはジミー監督たちの頭の中にあるものを信じて調整しています。

真夜様が昂っているところはもっとほしいと言われたところが何か所かあったのですが、完成した映像では自分が想像していたよりもさらに流れが激しくなっていました。音楽も台本から読み取れた情報以上に派手になっていて、やっぱりアニメーションは総合芸術なんだなと思いましたね。

──ありがとうございます。では最後に、公開を楽しみにしているファンのみなさんへのメッセージをいただければと思います。

斎藤:今回は達也さんと深雪さんの関係性が物凄く変わるお話になっています。その一端として私の演じる真夜が語ることが最大の秘密になるので、かなり長いお話ですがぜひ劇場の良い音響で体験していただけたら嬉しいです。飽きない作りになっていますし、会話劇としても聴きごたえがあります!

早見:久々の劇場版になりますが、『魔法科』は映像も音楽もとてもカッコいい作品なので、やっぱり大きなスクリーンで見届けていただきたいなと思います。シリーズとしても大事な、節目のお話なのでぜひ劇場でご覧ください。

中村:『魔法科』としては二度目の劇場版ですが、前作『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』はオリジナルエピソードでした。今回は完全にTVシリーズの続きを『四葉継承編』としてやらせていただいています。

10年以上このアニメシリーズで、原作小説からだとさらに長い期間『魔法科』を応援して愛してくださっている方たちに、作品にとっても転換期となる大事なエピソードを劇場という場で見ていただけることが嬉しいです。

初めてご覧になられる方もしっかり楽しんでいただけると思いますが、まずはずっと追いかけてくださっている方たちに、大きなスクリーンで達也と深雪の物語が大きく動いていくところを確認していただければなと思っています。よろしくお願いします。

[文・胃の上心臓]

 

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