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ロッテ・二木康太の制球力さらに向上、与四球率は大野雄大を上回る1.17

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千葉ロッテマリーンズの二木康太ⒸSPAIA

制球力が年々向上

昨季、ロッテの二木康太は自己最多となる9勝(3敗)をマークした。シーズン序盤は不振で2軍落ちを経験したものの、8月に再昇格して以降は安定感抜群の投球を披露。ここ数年、先発の柱として成長が求められていたが、昨季の活躍は及第点であり、今後のさらなる成長を期待させるものだった。そんな二木がキャリアハイの成績を残せた要因と今後の課題について考察する。

二木が成長した点はいくつかあるが、顕著なのが制球力の向上。無駄な四球が非常に少なく、特にシーズン中盤から後半にかけては、自ら崩れるようなシーンはほとんど見られなかった。

15試合、92.2回を投げ、与えた四球はわずか12個。BB/9(9イニングあたりいくつ四球を与えたかを示す指標)は1.17と、仮に9回完投すると与える四球は1個程度となる。2019年のBB/9は2.10、2018年は3.13。3.00前後が平均的な数値と言われているため制球力は元々悪くない方だが、年々制球力に磨きがかかっていることが数値にも表れている。

ちなみに、昨季規定投球回に到達した12球団の投手で最もBB/9が優れていたのが、沢村賞を受賞した中日・大野雄大の1.39。規定投球回未到達ではあるが、二木の数値がいかに優れているかがわかるだろう。

直球の被打率が大幅に改善

直球の質も向上した。平均球速は140.8km、最高球速146kmと決して速くないが、被打率は一昨年が.282と打ち込まれていたのに対し、昨年は.224と大幅に改善。また、一昨年は直球で10本の本塁打を打たれていたが昨季は5本に減少。直球による奪空振率も5.9%から6.2%と上昇した。

全投球の25.5%を占める得意のフォークも直球が良くなければ威力は半減してしまう。昨年は直球が走り、ある程度思うようにコントロールできていたため、常に投手有利のカウントで勝負ができていた。

また、二木の場合は投球フォームで打者のタイミングをうまく外す。左足の踏み込み方がゆっくりで、足が地面につきそうでつかないので打者はワンテンポずらされる。その直後に高身長(190cm)から角度のある直球が来るため、タイミングをとりにくい。

逆にセットポジションの場合は踏み込みが早くなる分、打者も合わせやすくなる。実際、走者がいない時の被打率は.192だが、走者一塁では.271と悪化していた。

課題は対右打者

配球数の多い箇所を赤く示す投手ヒートマップ(※)を見ると、左打者に対しては高低左右どのコースにも満遍なく投げ分けられているが、右打者に対する配球は外角一辺倒と言ってもいいほどに偏っている。特に右打者の外角低めへの配球は39.3%と他のコースよりも圧倒的に多い。

対左打者の被打率は.202であるが、対右打者の被打率は.225と少々分が悪くなる。コース別の被打率を見ても、対左打者の真ん中は.211と抑え込んでいるが、配球が読みやすいのか対右打者の真ん中は.444と打ち込まれており、内角中程も.300、内角低めも.333と打たれている。

また、左打者からは59個の三振を奪っているが、右打者の場合はその約1/3の20個。手持ちの球種との兼ね合いもあるだろうが、右打者に対してもゾーンを広く使った配球ができるようになれば、投球の安定感はより一層増していくはずだ。

ただ、逆に考えれば、外角の際どいコースを突ける制球力があるからこそ成り立つ配球とも言える。球威があるタイプではないため、カウント球にも決め球にもなるフォークはもちろん、外角の直球の出し入れが思うようにできるか否かが今季以降も生命線となりそうだ。

※二木投手ヒートマップページ

二桁勝利は最低限のノルマ

昨季は、負ければクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が低くなる瀬戸際の試合(11月7日のオリックス戦)で先発を任されて好投するなど、成長した姿を見せた。シーズン途中まで首位争いを繰り広げたソフトバンクとは相性抜群で、自身7連勝中と頼もしい。

それでも本人は「1ヶ月いない時期があったので、その悔しさの方が大きい」とシーズン序盤の反省を忘れない。シーズンを通してローテーションを守り、規定投球回数到達、二桁勝利は最低限のノルマ。今季逃したリーグ優勝を狙うため、二木の肩にかかる期待は大きい。

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記事:浜田哲男

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