冬アニメ『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』フラム役 七瀬彩夏さん×ミルキット役 伊藤美来さんインタビュー|甘〜いシーンも、地獄のような痛みも全部本気で
TVアニメ『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』(以下、『おまごと』)が2026年1月8日(木)より放送開始されます。
原作は、希少属性“反転”の影響ですべてのステータスが0な少女・フラムと、奴隷商のもとで出会った少女・ミルキットが織りなすダークファンタジー作品(著:kiki / GCノベルズ)。その重厚な世界観や設定、魅力的なキャラクター、さらにはおぞましいシーンも含めた描写でも人気を博している作品です。
そのアニメ放送に向けて、過酷な運命に翻弄されながらも絆を深めていく本作のメインキャラクターを演じる、フラム・アプリコット役の七瀬彩夏さんとミルキット役の伊藤美来さんに、作品の魅力や演技のこと、お互いの印象までたっぷりと語っていただきました。
【写真】『おまごと』七瀬彩夏×伊藤美来が語る、フラムとミルキットの“特別”な距離感【インタビュー】
敵も世界観も唯一無二のダークファンタジー
──七瀬さんと伊藤さんがメイン役でしっかり絡むのは、本作が初めてですよね。お互いの印象はいかがでしたか?
フラム役・七瀬彩夏(以下、七瀬):みっく氏(伊藤さん)はすごく話しやすいなと思いました。お互い東京出身だからかな?(笑)
ミルキット役・伊藤美来(以下、伊藤):そこ!?(笑)シティガール同士だから馬が合ったのかな……? でも、ほぼ初めましてみたいに挨拶したときから、仲良くできる空気感だったのを覚えています。彩夏ちゃんはすごく人が良くて優しいから、私が雑談で話しかけても全部優しく返してくれるんです。
七瀬:パスタの話とかね。でも、料理が苦手だと聞いたときは、意外でした。
──伊藤さんは、周りから「料理ができそう」と思われがち?
伊藤:そうみたいです。でも、実際はセンスがなくて……。
七瀬:そんな風に見えないんですけどね。
伊藤:最近やっと、ペペロンチーノがオリーブオイルとニンニクで作れることを知りました(笑)。
──そんな2人がメイン役を演じる『おまごと』ですが、まずは原作を読んだ第一印象や、特に面白いと感じたポイントを教えてください。
七瀬:やはり一番のポイントは、“ダークファンタジー”であるところです。タイトルからは想像できないような内容だったので驚きましたし、それこそ『おまごと』の面白さだなと思いました。こんなに「絶望」から始まる作品はなかなかないですよね。
登場する敵も、よくある異世界モノに出てくるモンスターだけでなく、人間も研究対象にされて生み出された“グロテスクな敵”が出てくるんです。「オリジン教」という謎の組織の存在など世界観の作り込みもすごくて。登場人物も多く、物語、敵、設定、すべてが唯一無二なダークファンタジーだと思いました。
伊藤:私は、グロテスクな描写に眉をひそめながら、恐る恐る目を細めて読み進めていきました(笑)。でも、読んでいくうちにただ怖いだけじゃなく、物語の巧妙さや伏線、ここがここに繋がっていたんだ!という発見がたくさん散りばめられていることに気づいて。ミステリー要素もあって、読み進める手が止まらなくなったんです。
それに、フラムとミルキットの……恋心と言っていいのかわからないですが、“ガール・ミーツ・ガール”的にお互いを知って成長していく過程には、キュンとしたりほっこりしたり。シリアスで暗い部分と温かさのコントラストがすごく素敵な作品だなと思いました。本当にいろんな要素がぎゅぎゅっと詰まった読み応えのある作品ですね。
──オーディションはどのようなことを意識して臨んだのでしょうか?
七瀬:いま思い返してみても、オーディションでのフラムのセリフはつらいものばかりでした。でもそのなかに、ミルキットに対して「死ぬほど幸せにしてやるんだから〜!」と叫ぶところや、戦闘中に「どうせ死ぬなら……はあっ!」と息を荒げるところなど、感情を爆発させるセリフがあったんです。オーディションの段階からこんなに感情爆発させるのかと緊張しましたが、原作を読み込んでフラムが置かれている状況を理解した上で臨みました。
伊藤:私は最初からミルキットを受けたのですが、テープオーディションの時点で「私なんて……」という自己肯定感の低さ、淡々とご主人様に仕えていく様子、そして徐々にフラムに心を開いていくセリフがあったんです。ただ、作品が持つ要素が複雑で、いろんな感情が混ざり合っているから、「この解釈で合っているんだろうか?」「もっと違う表現があるんじゃないか?」という不安がありつつ、テープを送りました。幸いにもスタジオオーディションに呼んでいただき、より解釈を深めて臨んだ結果、受かったと聞いて「あれで合っていたんだ」「私のミルキットの解釈は(スタッフさん達と)一致したんだ」という嬉しさと安堵がありましたね。
グールに噛まれるシーンは臭いや歯の形まで想像
──それぞれが演じているキャラクターの印象や、実際に演じた際に意識したことをお聞かせください。
七瀬:フラムは、すごく真っ直ぐな子ですね。元々いた勇者パーティーでは、賢者のジーンさんに疎まれ、自信を失い、ちょっと気弱になってしまっている部分もありました。そんな状況でも役に立とうと食事の用意をするなど、過酷な状況でも頑張れるガッツのある子で。奴隷という立場や過酷な環境でなければ、すごく明るくて元気な普通の子なんだろうなと思います。
セリフに人間味があるのもいいなと思っていて。「ミルキットを救いたい」という美しい正義感だけじゃなく、「ミルキットを救うことができたら、自分も救われるかもしれない」という、自分のことも考えている……完全な正義のヒーローではない、等身大の人間らしさが端々で感じられるのが好きですね。あとはやっぱり、巨大な両手剣“ツヴァイハンダー”を持って戦う姿が格好いい!演じていても楽しかったです。
ただ、フラムは腕を切られたり、手や足を自分で切ったり、首を絞められたりと、私がいままで演じた中でもかなり酷い目に遭わされるので、そこをどう演じるか。痛いときはとにかく痛い。そのリアリティを持って演じようと意識していましたが、リアルに経験できないことは想像力で補うしかなくて、全話ずっと苦しかったですね。収録期間中はずっとフラムのことを考えていました。
伊藤:後ろで聞いていても本当に痛そうで、「やめて〜!」と思うくらいでした。私だけじゃなく他のキャストさんもみんな同じ顔をしていましたね。
七瀬:その痛みがこの作品の面白さのひとつでもありますし、しっかり伝わっていれば嬉しいです。例えば、首を絞められているときは、息を止めて「本当に苦しい!」という感じで演じたので、リアリティを出せたんじゃないかなと思います。
──経験できないといえば、グールに噛まれるとか食べられる経験も当然できないわけで、そこはどのような想像をしましたか?
七瀬:グールに噛まれるシーンは、臭いや歯の形まで想像しました。「牢屋の中は臭いだろうな」とか「グールの歯はサメみたいな形なのかな」とか。現実にいるものに当てはめて想像してみましたね。
伊藤:食べられそうになるシーンは、まさにこっちまで「痛い痛い痛い」となりました。そもそも経験したことのない悲鳴ですし、こんなにも苦しい演技を毎週やっていてすごいなと思います。
七瀬:ただ、それ以上に想像がつかなかったのは「螺旋の攻撃」ですね。腕がねじれるってどういうこと?工場の機械に巻き込まれる感じ?とか考えてはみたのですが……。あと、四方八方から狼の首が飛んでくるのも、痛みの違いはあるのかな?とか、現実にはありえない痛みと向き合い続けていました。考えすぎて、最後の方はもう痛みになれてきたところがあった気がします(笑)。
──ちなみに、伊藤さんはこれまで役で「食べられた」経験はありますか?
伊藤:一度くらいはありそうですけど、あんなに苦しい声を出すことはあまりなかったですし……食べられていないかもしれないです(笑)。
──であれば、勉強にもなったのでは?
伊藤:そうですね。後ろから尊敬の眼差しで勉強していました。
──その伊藤さんから見たミルキットの印象や、どのように演じたのかも教えて下さい。
伊藤:ミルキットはメイドの服装をしていますが、最初は奴隷商に囚われていて。フラムに助けられるというか、「一緒に行こう」と言われて外の世界に出るんです。フラムがミルキットの“ご主人様”である主従関係が生まれ、そこからずっと一緒にいることになります。
彼女は過去に大変なことがあり、心にも見た目にも傷が多い子で、だからこそ感情が乏しくあまり表に出ません。でも、フラムが歩み寄ってくれることで、最初は「私なんて奴隷ですから、ご主人様」という態度だったところから、ちょっとずつ心を開いていきます。ただ、かなりゆっくりしたスピード感で心を開いていくので、演じるときは「どこからどこまで感情を出すか」といったさじ加減を常に考えていて。「はい」という返事ひとつ取っても、「いまのは、仲良くなりすぎたかな?」「いまの環境だったら、もう少し柔らかくてもいいかな?」などと、動きを表に出さない子だからこそ、言葉に乗せる感情を微調整して演じていました。
──繊細な作業なのですね。
伊藤:本当に「ちょっとずつ、ちょっとずつ」近づいている感じでした。だからこそ、物語の後半でみんなが集まったときの、ちょっとした幸福な時間が映えるかなと思いますので、ぜひ全編通して彼女の成長を見守ってほしいです。私も親目線で「頑張れ」と思いながら演じていました。
それと、フラムが特別であると日常の会話にも滲み出るように意識しました。フラムに対してと、ほかの人に対しての声のかけ方の違いを出すといいますか。やはり、フラムとの関係は気をつけて演じましたね。
フラムもミルキットも声や演技はピッタリ。甘〜いシーンにも注目!
──アフレコをするなかで、印象に残っているディレクションがあれば教えて下さい。
七瀬:フラムは戦うときに「調子に乗っちゃっていいよ」「イケイケになっちゃっていいよ」と言われたのを覚えています。能力を手にしたのが嬉しくて、調子に乗っている感じで。あと、これはスタジオオーディションのときなのですが、「もうちょっとボーイッシュにもやってみてもらえる?」とディレクションいただきました。それもあって、結果的にはボーイッシュなところもかわいいところもある、いろんな表情をみせるフラムになったんじゃないかなと思います。
伊藤:私は、(セリフの尺を示す)ボールドを気にせずに「ミルキットのテンポ感で喋っていいよ」「少し余裕を持って言っていいよ」と言っていただけることが結構ありました。ミルキットは感情を出すのが苦手だからこそ、言葉を出すスピードがゆっくりになっちゃうときがあって。そこを考慮して、ミルキットらしさを重視してやらせていただきました。
──そうやってより魅力的になったフラムとミルキットですが、逆にお互いのキャラクターや演技については、どのように感じましたか?
七瀬:ミルキットは自己肯定感が低く、奴隷という生き方しかしてこなかったから、それを当たり前に受け入れてしまっています。いま話していたように、感情のさじ加減は本当に難しい役だと思うんです。そんなミルキットが自分の意志を持ってフラムに伝えてくれるシーンは、勇気を振り絞って出しているのがすごく伝わってきて、グッと来ました。本当に声も演技もピッタリだなと思います。
伊藤:ありがとう。彩夏ちゃんの演じるフラムも、最初に聞いた瞬間に「これがフラムだ!」となりました。オーディションの原稿を読んでいても「フラムってめちゃくちゃ難しい役だけど、誰がどう演じるんだろう?」「どう解釈するんだろう?」と思っていたんです。明るいだけじゃなく、王道のヒロインやヒーローでもない。自分も痛んでいるからこそ、人の痛みに歩み寄れる……そんな細やかな感情の動きを表現されていて。「ご主人様さすがです」と思いながら後ろで聞いていました。本当に「フラムという子がここにいる」というリアリティがありましたね。
フラムは、愛情たっぷりなときは愛情たっぷりなので、そのギャップもかわいくて好きなんです。痛そうなシリアスシーンがいっぱいあるなかで、ミルキットたちといる安心できる場所ではラブラブな感じというか、“甘〜いフラム”が出てきて。2人のぎこちなさも含めてかわいかったですし、掛け合うのも楽しかったです。
七瀬:私も楽しかったです。後ろから抱きついたりとかして。
──フラムとミルキットの関係性を楽しみにしている人も多いと思いますので、特にお気に入りのシーンを教えて下さい。
伊藤:フラムのセリフ全部にハートマークがついている回があったよね?
七瀬:あったあった。「似合う似合う♡」「うんうんかわいい♡」みたいな感じで。
伊藤:急にハートがつくのが面白くてかわいくて。それをエターナさんが「はいはい」と見守ってくれている感じも含めて、フラムとミルキットが目と目で通じ合っているシーンは好きですね。
七瀬:私も好きです。それ以外では、特定のシーンではないですが、お互いに感謝を言うところですね。ミルキットが料理を配膳してくれたときや、逆にフラムがなにかしたときにちゃんと「ありがとう」と言うんです。配膳してくれるのが当たり前とは思わずに、お互いを思いやるのが垣間見えるのはいいなと思いました。
あと、そんなに色気があるわけじゃないけど、ベッドで血まみれの服を脱いで抱きしめるシーンはドキドキしましたね。どのくらいの距離でいけばいいか考えて、優しくささやきながら演じたのが楽しかったです。
伊藤:このふたりだからこその愛情表現だよね。
──アニメでどんな映像になっているのか楽しみです。ちなみに、料理はいろいろ出てきますが、食べることができるとしたらどれを食べてみたいですか?
七瀬:私はタマゴサンドですね。シンプルだけど絶対に美味しそうなので、“ミルキットの”タマゴサンドを食べてみたいです。
伊藤:スープとかも美味しそうだったよね。
七瀬:美味しそうだったね。ミルキットは『おまごと』の世界にしかいない魚とかも調理してくれて。どんな味がするのか気になります。
森田成一さんや井上喜久子さんら先輩たちの存在感
──では、ほかの共演者で特に印象の残っている方やエピソードがあればお聞かせください。
七瀬:私は、デイン・フィニアース役の森田成一さんですね。フラムはデインと対峙することもあり、森田さんにはかなり鍛えていただきました。
デインは最初いい人っぽくフラムを騙してきますが、本当は悪い奴だったという……その切り替えがすごくて。最初の好青年から取り憑かれてブツブツ言い始めるような気味の悪さまで、雰囲気がコロコロ変わるので、一緒に掛け合いをしていても本当に怖い存在でしたね。ついていくのに必死でした。
収録が夕方帯だったこともあり、終わった後にキャストやスタッフによるご飯会も結構あったんです。そこでも座長としてやるべきことやお芝居のことをたくさん教えてくださいました。
伊藤:私はナレーションの井上喜久子さんが印象に残っています。原作を読んだときから、ナレーションはどうなるんだろうと思っていたので、香盤表を見て「喜久子さんがナレーション!?」と驚きました。喜久子さんの美しく、重厚で、淡々としているようで感情が乗っているあのナレーションが毎回物語を締めてくださいます。「次はどうなるんだろう?」と引き込まれますし、後輩ながら「存在感があって素晴らしいな」と思って聞いていました。
七瀬:しかも、ご本人がすごく優しいんですよ。
伊藤:そうなんです。内容がシリアスなので、私たちも台本に集中してピリッとしがちだったんですが、喜久子さんをはじめ先輩方がいてくださったおかげで、すごく和やかな空気でアフレコを進められました。
──喜久子さんといえば、娘の井上ほの花さんもイーラ・ジェリシン役で出演されています。現場での2人の様子はいかがでしたか?
七瀬:ブースでは“仕事モード”という感じで、あえてなのか離れて座っていましたね。ほの花ちゃんは天真爛漫なキャラクターを演じているイメージが強かったので、イーラのような大胆なキャラクターの演技を聞いて、「こんな演技もできるんだ…!」と新鮮な驚きがありました。
伊藤:その姿を見ている喜久子さんは、(離れて座ってはいても)ちょっと気になっている感じがあったよね(笑)。
七瀬:あったね。仕事のときはしっかり距離をおいて、アフレコが終わると仲良く帰っていく、素敵な親子関係を見せてもらいました。
──それも含め、全体として本作のアフレコ現場はどのような雰囲気でしたか?
七瀬:健康の話とかアマニ油の話とか、作品とは全然関係ない話で和気あいあいとしていたよね(笑)。
伊藤:「運動してます?」とか「オメガ3脂肪酸が体にいい」とかね(笑)。私は、彩夏ちゃんがなんでもない日にお菓子を買ってきてくれるのが、ひっそりと嬉しかったです。
七瀬:良かったです。半年ぐらいかけて全12話を収録したので、なんだか長く演じていた感覚があります。(演じるシーン的に)つらい6ヶ月間でしたが、すごく充実していましたね。
自己肯定感を上げるための秘策を伝授
──では、少し作品内容とは離れて、今回の共演をきっかけに2人の仲が深まったようですし、今後2人でやってみたいことを教えて下さい。
七瀬:私、ほかのアニメがきっかけで登山にハマっているので、山にヒット祈願に行きたいです。でも、みっく氏が山を登っているのは想像つかないかも(笑)。
伊藤:私が弱々しいってこと?(笑)
七瀬:周りから「転んじゃうから危ない」ってNGが出そうかなって。
伊藤:登山の経験はあまりないけど、興味はありますね。慣れている彩夏ちゃんがリードしてくれるなら、祈願に行けそうな気がします。
──伊藤さんならきっと大丈夫ですよ。以前、テレビ番組で「ダンス万能説」を唱えていた芸能人もいましたし(笑)。
伊藤:それならいけるかもしれない(笑)。私はそうだなぁ……彩夏ちゃんと2人で編み物がしたいです。
七瀬:え〜、かわいい!やるやる!!
伊藤:毛糸屋さんに行ってキットを買って、動物の編みぐるみとかを黙々と作りながら近況を話す、みたいな。「できたね〜」とか言って、ただのイチャイチャです。
七瀬:編み物はやったことないからやってみたいですね。
伊藤:本当? じゃあ登山はリードしてもらって、編み物は私がリードする感じで。
七瀬:楽しそう!
──作品にちなんだこともお聞きします。ミルキットほどではないにせよ、おふたりは「自己肯定感」が低いですか?それとも高い方ですか?
七瀬:私は低いと思います。
伊藤:確かに、彩夏ちゃんは真面目がゆえに「このセリフって、こういうことで合ってるかな?」って聞いてきてくれることがありました。自分の意見はしっかり持っているけど、それをちゃんと確認するイメージがありますね。
七瀬:音響監督さんに「こうですかね?」とよく聞くので、「ほら、みっく氏はあんなに堂々としてるよ」と言われたことがありました(笑)。
伊藤:そんなこと言ってたっけ?
七瀬:陰で言っていたのかも……(笑)。
伊藤:それ悪口じゃないよね?(笑)私は「めっちゃ低くはないけど、高くもない」と思います。低くなる時はえげつないぐらい低くなるから、波があるタイプですね。自己肯定感が下がるときは底辺まで下がっちゃって、ミルキットと一緒で「私なんている意味ないし……私なんて……ブツブツブツブツ」みたいになるときもあります。でも、なんとか自分で機嫌をとって復活させて、行ったり来たりを繰り返しています。
──自己肯定感を上げたいときには、どうしていますか?
七瀬:他の人に聞いていいなと思ったので実践しているのですが、「自分の嫌いなところをしらみつぶしにする」ようにしています。そうやって自分の嫌いなところを潰して、逆に「夜は絶対にお風呂に入る」とか「柔軟をする」とか、本当に小さいことでも「できた!えらいえらい」と自分を褒める感じでいく計画を実行中です。
伊藤:めっちゃいいね!私は自己肯定感が下がったら、その理由を分析したくなっちゃうタイプです。「何がいけなかったんだっけ? きっかけはあの発言を聞いたからか? いや、でもその前にこれがあって……」と積み重ねていって、根本を見つけるとスッキリします。「そのときは私が悪いと思っていたけど、遡ってよくよく考えてみたら、私が全部悪いわけじゃない」みたいなところまで、頑張って持っていきます。そうやって、脳内で解決しようとしますね。
七瀬:筋道を立てるんだ。参考になります。
伊藤:考えている間はつらいですけどね。嫌だったことや、しなければよかったことを思い出さなきゃいけないから。苦しみながら、ちょっとずつ地上に上がってくる感じです。
──ぜひ、皆さんにも参考にしていただいて。では最後に、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
七瀬:原作ファンの方が期待しているダークな部分はアニメにもしっかり詰まっていますので、ご心配なく楽しんでいただけると思います。大剣を手にグロテスクな敵と戦うといった映像だけでなく、劇中の音楽も素晴らしいんですよ。ダビング(セリフやBGMなどの音声を合わせる工程)を見せていただき、皆さんのこだわりを肌で感じました。スタッフ・キャストが一丸となって『おまごと』の世界観をギュッと詰め込んだ面白い作品になっています。ぜひ期待していただけたらなと思います!
伊藤:シリアスで胸が苦しくなるシーンから、フラムとミルキットの微笑ましいシーンやミステリー要素まで、見どころが満載となっています。個性豊かなキャラクターはほかにもたくさん登場しますので、ぜひ最後まで見逃さないでいただけたら嬉しいです。フラムとミルキットのことを応援する気持ちで見守ってください。よろしくお願いします。
──ありがとうございました!
[文&写真・千葉研一]