電子タバコ依存の女性が意識不明に「鼻と口から黒い粘液が垂れていた」(米)
電子タバコに週7万円以上を費やしてきたアメリカ在住の女性が3年後、自宅で意識を失い、病院に搬送された。鼻と口からは黒い粘液が垂れていたといい、女性は生きていることに感謝し、「電子タバコを吸っている人は今すぐ止めて!」と注意喚起した。米ニュースメディア『New York Post』などが報じた。
【写真】今年5月、病院に救急搬送された女性。肺の中には約2リットルの黒い液体が溜まっていた
米オハイオ州シンシナティで在宅看護補助員として働くジョーダン・ブリエルさん(Jordan Brielle、32)は2021年、10代で吸い始めたタバコを止め、電子タバコに切り替えた。ところがすぐに電子タバコに依存し、週に約7万1000円(500ドル)を費やすほどになり、就寝時やシャワーの際にも手放せなくなった。
そして2年以上が経過した昨年11月中旬、ジョーダンさんは胸の上に重りを載せられたような異常を感じ、病院を訪れることにした。
ジョーダンさんは、当時のことを次のように振り返る。
「初めはただ、気道感染症や気管支炎を発症し、呼吸が苦しいと感じながら通院を続けていたの。咳がひどく、声がほとんど出なくなり、週に2、3回は診察を受けていたけど、入院することはなかった。それでも胸に約36キロ(80ポンド)の重りを載せられているように感じ、病気でこれほどつらいと感じたのは初めてだった。」
「そのうち膝頭から足首までが腫れ上がり、症状がどんどん悪化し、病院に通い続けたわ。皮膚は灰色になり、集中することができなくなってかなり混乱していたの。そして歩くのにも痛みを感じるようになり、ほとんど何もできなくなった。ただ誰も『問題が何なのか』について分かっていなかった。私は『このまま死ぬのではないか』と感じていたけどね。」
さらにジョーダンさんは当時、コロナウイルス感染症や肺炎を発症したが、電子タバコを止めることはなかった。
しかし今年5月、ベッドで意識を失っているところをパートナーに発見され、これが転機となって電子タバコを止めることになる。鼻と口からは黒い粘液が滴り落ちていたそうで、その時のことを次のように語った。
「彼に聞いたところによると、私は息ができず喘いでいて、呼びかけても反応がなく、脈も弱くなっていたそうよ。それで彼は緊急通報し、救急隊が到着するまでの間、私の鼻から粘液を吸い取り、心肺蘇生法を施したの。」
ジョーダンさんは当時の記憶が一切なく、救急隊に気管挿管されると直ちに病院に搬送された。左肺が潰れ、右肺の一部が潰れかけていたほか、肺の中には約2リットルの黒い液体が溜まっており、病院での治療について次のように説明した。
「肺の中の液体は黒くて血が混ざり、まるでコンクリートのようだった。私の体はそれを押し出そうとしていたの。医師はその液体を抜く治療をし、私は11日間、薬による昏睡状態に置かれたわ。でも医師には『肺が喫煙や電子タバコで酷く損傷を受け、今後また潰れる可能性がある』と言われたの。」
さらに恐ろしいことに、ジョーダンさんの脳は酸素不足により軽度の損傷が残ってしまったそうで、「この件以来、電子タバコには一切手を出していない」と語り、こう注意喚起した。
「自身の健康、家族、命、肺のため…。どんな理由でもかまわない。今すぐ悪習慣を止めることを勧めるわ。こんな経験をするのは私だけで十分。私は今、生きていることに心から感謝しているの!」
そしてこのニュースには、次のような感想が寄せられた。
「私は20年間喫煙後、30年前にタバコを止めた。止めるのはつらかったけど、どんなことをしても止めるべき。」
「電子タバコに週500ドル? それって一日にタバコ9箱吸うのと一緒。これは完全な中毒だよ。」
「一日にウィスキーを約3.8リットル(1ガロン)飲むのと同じ。」
「私は電子タバコを3年吸い続けているけど、定期的に肺の検査を受けていて問題ない。1か月に電子タバコに使うのは約7100円(50ドル)ほど。1か月に28万円超なんて異常だよ。」
「肺の様々な症状が出ていたのにすぐに止めなかったなんて! 依存症は本当に厄介。」
「それでも止めることができてよかった。これからは体を大事にして!」
ちなみに2019年には、中国で30年間タバコを吸い続けた男性の肺の映像が公開された。肺は男性が脳死し、移植待機患者のために摘出されたものだったが、移植は中止された。
画像は『New York Post 「I loved vaping ― until my lungs collapsed and black goo poured out of me」(Kennedy News and Media)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)