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舞台裏から見る歌舞伎の魅力!岐阜・中津川の芝居小屋「かしも明治座」

HIROBA!

2025年に大ヒットした映画『国宝』をきっかけに、生の歌舞伎を見たいと考えている人も多いのではないでしょうか。岐阜県中津川市にある芝居小屋「かしも明治座」の舞台裏ツアーが、舞台の仕組みを間近で体感できると人気だそう! さっそくHIROBAくんと一緒に訪れました。その舞台裏ツアーの様子をレポートします。

築130年超の歴史ある芝居小屋

明治27年に地元の有志によって建てられた「かしも明治座」。岐阜県指定重要有形民俗文化財にも指定されています。

美濃地方では、江戸時代から歌舞伎が上演され、地域の人たちが自ら演じる「地歌舞伎」という形で地域に根付きました。幕末以降、特に地歌舞伎が盛んになり、現在でも、美濃は相模(神奈川県)、播磨(兵庫県)と並び、「日本三大地歌舞伎」の一つに数えられています。豪華な造りを持つ相模と播磨の都市型の劇場に対し、美濃の劇場は農村型で、地域住民が楽しむために造られたといわれています。

かしも明治座で脈々と受け継がれている加子母歌舞伎は、保存会によって毎年秋に公演。そのほかにも、さまざまな芝居やクラシックコンサートなどのイベントが行われ、多くの人々に親しまれています。普段も一般公開されており、入場料は無料ですが舞台裏の見学などより深く知りたい方には有料ガイド案内がおすすめです。事前予約不要ですが、団体の場合は事前予約が必要です。

案内してくれた桂川さん。公演時は演者としても活躍しています。

地元の有志が案内する舞台裏ツアーでは、加子母地区の歴史に触れながら、かしも明治座の建物について教えてもらえます。

住民たちの手によって作られたとは思えないほど、重厚な造りの劇場舞台。平成27年には大規模な改修が行われ、創建当時の様式を残しながら伝統工法による耐震補強が施されました。屋根は創建当時の板葺き石置き屋根に復元されています。

客席には「平場」と呼ばれる桝席が広がり、上演間際の客席移動の際に使われる、縦横に伸びた「歩み板」も設けられています。こうした造りの随所に、昔ながらの芝居小屋ならではの趣が感じられますね。

また、客席は舞台に向かってゆるやかな傾斜がつけられ、後方の席からでも見やすい造りに。

地域住民の手によって造られたのは建物だけではありません。緞帳の代わりとなる「娘引き幕」は、加子母地域・下半郷の女性たちの寄付によって製作されたもので、各家の屋号が入った模様が染め抜かれています。案内してくれた桂川さんのご先祖の屋号も入っているのだとか。

花道から進み舞台手前にある囲みは「すっぽん」と呼ばれ、妖術使いや妖怪、幽霊など特殊な登場人物が舞台下から現れるための場所。ツアーでは実際に舞台下から登場できるそうで、今から楽しみです!

役者が歩く花道を、実際に歩く体験も! 役者になった気分で一歩踏み出すと、四方に広がる客席。後ろ姿まで気が抜けませんね。

貴重な舞台裏を見学

「娘引き幕」の後ろには、一瞬のうちに美しい風景を出現させる振り落とし幕があり、さらにその奥には、祝いの演目で使われる幕「松羽目」が備えられています。この松羽目は、2017年に中村勘九郎さんと中村七之助さんが全国巡業公演を行った際に、中村屋から寄贈されたもの。実は、かしも明治座の名誉館主は二代目 中村七之助さんが務めています。

続いて、舞台裏の2階にある楽屋へ。現在は使用されていませんが、当時の様子を思い起こさせる空間がそのまま残されています。

また、2006年に「かしも明治座」で行われた、十八代目 中村勘三郎 襲名披露に関する写真パネルも展示されています。

さらに、壁のあちこちには著名人による落とし書き(サイン)も残されており、訪れる人の目を楽しませています。

世界的音楽家の坂本龍一さんや、映画プロデューサーの鈴木敏夫さんのサインも見ることができます。

舞台を支える、仕掛け空間へ

さあ、奈落(舞台下の地下空間)へ入ってみましょう。

足元は段差になっており、しゃがんで中へと進みます。普段は見ることのできない舞台下に入る瞬間に思わずドキドキ。

内部は、大人がかがんで歩ける程の高さ。中心には舞台道具を転換させるための直径5.5メートルの大きな仕掛け「回り舞台」があります。拍子木を打つ音などを合図に、回り舞台の下の梁を数人で押し、舞台を回すという仕組み。役者陣だけでなく、裏方をはじめさまざまな人々が力を合わせて舞台を作り上げていることを感じさせる空間ですね。

そのまま奈落の下を進み、階段を上って花道へ。

スタッフの方が横でドンドンドン…とおどろおどろしく太鼓をたたいてくださり、その音に包まれながら地上へ上がる私は、本当に妖怪になった気分でした。

最後に2階席を見学

舞台全体がよく見えることから人気の2階席ですが、そのなかでも上手側の席は、眺めがいいのだそう。

かつては右手のふすまから役者に差し入れを渡したり、お弁当を受け取ったりしていたのだとか。今でいうなら、推しに差し入れを渡せる特別なスペースだと考えると、ちょっと特権的でわくわくする場所だったのかもしれませんね。

2階には舞台照明の役割も果たす窓があり、そこからのぞく山の稜線には、自然とともにあるのどかな加子母の風景を感じられます。

娘引き幕 手ぬぐい500円、屋根板500円

文化財である「かしも明治座」では次世代へ継承するため、娘引き幕の手ぬぐいや屋根板で寄付を募っています。

名前や住所などを書きます。

寄付された屋根板は、次の改修時に板葺き屋根の一部として使用されます。先人たちに思いを馳せながら、次の歴史の一幕に関われることはうれしいですね。

屋根には、加子母地区の子どもたちがそれぞれの夢を書きこんだ石が載せられています。

地域の方に温かく支えられている「かしも明治座」。毎年行われる「加子母歌舞伎」の公演を観た観客は、プロの公演にも引けを取らない高い完成度に驚くのだとか。地元の人々はもちろん、東京から足を運ぶ人もいるほどの人気ぶりです。しかも、公演は無料とのことにも驚き。ですが、「花代(はなだい)」と呼ばれるご祝儀を持参し、寄せられた花代は公演時に場内に掲示され公演を支えます。「かしも明治座」の魅力を知ったからこそ、今年の秋はぜひ舞台を観に行ってみたいですね。

かしも明治座住所岐阜県中津川市加子母4793-2営業時間10:00~16:00定休日月曜(祝日の場合は翌日)入場料無料駐車場ありアクセスJR「中津川」駅よりバスで約60分
「万賀(まんが)」停より徒歩約10分

かしも明治座 公式サイト

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