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ラウール(Snow Man)「すごく大切にしたいもの」映画『赤羽骨子のボディガード』インタビュー

ウレぴあ総研

©丹月正光/講談社 ©2024映画「赤羽骨子のボディガード」製作委員会

Snow Manのラウールが単独主演を務める映画『赤羽骨子のボディガード』が8月2日(金)より全国公開となる。

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ラウールが扮するのは、主人公のヤンキー高校生・威吹荒邦。ある事情から100億円の懸賞金をかけられている幼馴染の赤羽骨子(出口夏希)を、本人には気づかれないように守るというミッションをクラスメイトたちと共に行なうのだが……。

笑いあり、涙あり、淡い恋愛模様や、本格的なアクションシーンもあり、見どころ満載の本作。久々の主演作となったラウールに、映画出演に対する想いや、共演者とのエピソード、本作を通して自身が改めて感じたことなどをたっぷりと語ってもらった。

どうしたらこの作品に少しでも貢献できるんだろう?

――今回『ハニーレモンソーダ』(2021年公開)以来の単独主演映画となりますが、プレッシャーは感じましたか。

多少、感じましたけど、逆に、乗り越えたときに、その分の充実感があるのかなと思ったら、そのプレッシャー込で楽しみになりました。

――主演として作品を背負うという気持ちもありますか。

背負うというよりは、自分がどうしたらこの作品に少しでも貢献できるんだろう?と考えました。映画って、その2時間くらいのものの中に、いろんな要素があって、いろんな人たちの頑張りがあって、それを自分が無駄にすることはできないというか。

作品に関わる一人ひとりが労力を割いて、プラス、本当にたくさんの人たちが期待もしてくれているので、その期待に応えながら、自分は少しでも貢献できたらいいなという想いです。

――脚本を読んでの感想は?

たくさんのキャラクターが登場して、それぞれに能力を持っているという設定がすごく好みでした。僕、映画『オーシャンズ11』シリーズ(犯罪スペシャリスト集団が活躍する)がめっちゃ好きで。自分の嗜好にグサッと刺さる内容でした。

最初に、作品の概要が書かれた資料とあらすじをいただいたとき、直感なんですけど、このオファーをくださった方々の熱量が伝わってきて。それが、やってみたいと思った要素の一つでもありました。

――役柄についてはどんな印象を持ちましたか。

荒邦はかなりわかりやすいキャラクターなので、細かいことを考えずとも取り組みやすいとは思いました。逆にその分、カロリーは高めなので、そこは自分がしっかりタフでいられたらとも。

荒邦は感情の波が0か100というか、程よい塩梅のときがあまりないんです。怒るときはすごく怒るし、うれしいときはめっちゃうれしそうだし、緊張しているときは極端に緊張しているし。それに対して常にマックスのパワーで挑むという感じでした。

――ご自身と重なるところはありましたか。

僕は0か、100かという感じではないですけど、100のときの熱は理解できました。僕が100を傾けるものは仕事ですけど、そのときの感じとは近いなと。他の部分だと、僕はどちらかと言えば、物事を細かいところまで考えてしまうタイプなので、荒邦とは違いますね。

自分たちを好きでいてくれる人たちが好きなものであれば、すごく大切にしたくなります

――荒邦と骨子(出口夏希)との関係性についてはどう思っていましたか。

幼馴染なので、クラスの中に居ても、唯一、心が繋がっている感じは最初からありました。ただ恋仲でもあるんだけど、お互いにお互いの好意に気づいていないという、両片想いの状態なので、第三者目線で見るとかわいいなと。ずっと見ていられる2人だと思います。

――もし、ラウールさんが荒邦の友達だとしたら、どんな恋のアドバイスをしますか。

もう全部教えてあげたいです。「絶対に向こうも好きだと思うよ」って。「大丈夫、大丈夫。ホント、大丈夫だから」って、安心させてあげたい。逆に骨子にも「もうちょっとアピってみたら? あいつ、結構好きらしいよ」とかって言いたい。僕はそういうタイプだと思います(笑)。

――荒邦と骨子の会話には、言葉とは裏腹の感情が交じる場面もありますが、どのように演じようと思っていましたか。

年齢は17歳なんですけど、初恋でもあるので、極端なピュアさというか、初めての感じを常に出していたら、クラスメイトのみんながそれを面白がってくれて。役としてなんですけど、ちょっと気持ち良かったです(笑)。みんながイジってきて、それが心地いいなって。

――荒邦は骨子を大切に想うがゆえに、骨子が大事しているクラスメイトのことも大切に想う気持ちが湧いていきます。その気持ちはどう感じていましたか。

すごくわかりました。僕も自分が大切に思っている人の大切なものは、大切にしたいです。少し特殊な例ではあるんですけど、自分はこういう仕事をしているので、自分自身が商品みたいな感覚があるんですね。

人として誰でも感じるような、自分のこの要素は大切にしたいな、とか、この要素はどうでもいいな、という感覚もあるんですけど、僕自身がどうでもいいなと思っているところを、ファンの方は大切に思ってくださる場合もあって。そういう部分は、僕も大切にしようと思います。

――その中でも大切にしている信条のようなものはありますか。

言葉で上手く説明できないんですけど、いわゆるアイドルっぽい楽曲とかビジュアルってあるじゃないですか。そういうものは年に何回かは生んでいこうという気持ちは強くあります。仮に、それが自分の好みとは違ったとしても、自分たちを好きでいてくれる人たちが好きなものであれば、すごく大切にしたくなります。

――そういうものも大切にしつつ、挑戦も続けていくという。

そうですね。そのバランスは大事だと思います。例えば、挑戦の部分だけを追い求めていたら、気付いたらその挑戦を応援してくれる人もいなくなってしまうと思うし。逆に、求められるものだけに応えていたら、成長できなくなってしまうし。

どちらの側面もあるので、そこはバランス良くいきたいですね。最近、挑戦をし過ぎたなと思ったら、ファンの方が求めてくださる要素を入れてみるとかは、意識的にするように心がけています。

どこまで振り切れるかという挑戦でした

――本作での挑戦というと?

この役をスクリーンで観ていただく上で、自分がこれまでしたことがなかった面があるので、そこは新鮮に受け取ってもらえるんじゃないかと思います。コミカルな要素とか、あとは、僕、普段はほんわか系なんですけど(笑)、結構オラオラしているところもあるので。

――オラオラする演技はやってみてどうでしたか。

どこまで振り切れるかという挑戦でした(笑)。原作でもそうなんですけど、荒邦は怖くは見えないんですよ。カッコ良く見える瞬間はあるけど、おもろいな、かわいいな、とかの印象のほうが強くて。だからオラオラしていても怖く見せようとは思っていなかったです。

本当に怖い人って、頭の中でいろんなことを考えているけど、荒邦はすごく純粋な人なので。怖い雰囲気は出すけど、実際には怖くないというのは意識していたかも。

第三者から見ると、「何してんだ、こいつ」ぐらいでいきたいなと。その中でもちょっとカッコいいなっていう部分もあって、絶妙な感じですね。

――その辺りのさじ加減は、石川淳一監督と話すこともありましたか。

お話をさせていただく機会は多かったです。撮影をする前に、“このシーンはこれぐらいのテンションですかね?”みたいな確認をよくしていました。

――コミカルな場面も楽しみです。

コミカルなことを現場でやるのはめっちゃ怖かったです(笑)。怖がりながらやっていました。例えば、テストだったら試しにやってみれるんだけど、本番になるとできないときとかもあって。

そしたら、監督から「テストのときのほうが良かった」と言われることもありました。「さっきのやらないの?」って言われて、僕からしたら「やっていいの?」みたいな。「それ、やって」って言われたらできるんですけど。その言葉がほしかった(笑)。

陰なる道を極めてしまって(笑)。「何してんだ、俺は!」って思いました

――『ハニーレモンソーダ』の時は、座長なのに人見知りをしてしまったと聞きましたが、今回の現場はどうでしたか。

今回はいつもの自分の感じで現場に入れました。いい意味で、自然体でいることができたので良かったです。僕、そもそも人見知りではないっぽいです(笑)。それは最近、気付きました。たぶん、(『ハニーレモンソーダ』の時は)思春期だったんでしょうね。

――いつもの感じでいられたのには何か理由はありましたか。

現場に自然体の人が多かったのはありますね。裏表のない、人間味あふれる方が多かったので、緊張しなかったんだと思います。こちらもいろいろと考えを巡らせる必要がないので、すごく気楽にいられました。

――これだけ多くの共演者がいる現場も珍しいですよね。

本当にいろんな、かぶらないキャラクターの人しかいなかったです。撮影の合間は誰かの話をみんなで聞いていることが多かったですね。仕事で極めている分野もバラバラだったので。よく話しているのは芸人さんが多かったですけど、ムードメーカーが誰かと聞かれたら、意外と思いつかなくて。みんなで一緒に話している現場でした。

俳優さん同士でも役の傾向が違う人が集まっていたので、自分はどういう役をやりたいのかっていう話をしていることがありました。すごく勉強になりました。

――骨子役の出口夏希さん、染島澄彦役の奥平大兼さん、棘屋寧役の髙橋ひかるさんとは共演シーンも多かったですよね。

みんな本当にしっかりしているなと思いました。もちろん若者らしい瞬間もあるんですけど、仕事のときはプロフェッショナルでした。同世代ってやっぱり刺激を受けるんですよね。負けてられないって思いました。

――尽宮正親役の土屋太鳳さんとのシーンも気になります。

土屋太鳳さんのイメージと正親は、結構、離れていると思うんですけど、現場ではビタビタにハマってました。ご本人も「挑戦」とおっしゃってましたけど、それがガッツリハマっていたことに、僕はすごくワクワクしてお芝居ができました。

2人の掛け合いはテンポも良くて面白いんですよ。僕は荒邦と正親はこの物語におけるピュア二大巨頭だと思っているので、ピュア同士のぶつかり合いを楽しみにしてほしです。

骨子もピュアではあるんですけど、弁護士志望でもあるし、頭はいいんですよね。でも正親はちょっと抜けてるところもあって、アイディアも突飛なので、ここは見どころだと思います。

――『ハニーレモンソーダ』の時は、ご自身も高校生で、高校生役を演じていましたが、今回、高校を卒業してから、高校生を演じてみて感じたことはありますか。

この現場の高校生活はすごく楽しくて。僕ももっと高校生活を楽しんでおけば良かったみたいな、後悔が出てきましたね。

ホントに、高校生活ね……(しばし思い出すような間)。僕、トータルで10秒ぐらいしかしゃべってなかったかと。それぐらい陰なる道を極めてしまって(笑)。「何してんだ、俺は!」って思いました。めちゃくちゃガードが高かったです。

あの頃の自分に声をかけるなら、「肩の力を抜いていこう」って言いますけど、それもまた運命だったかなとは思います。

自分の判断によって、自分の人生が決まっていく

――Snow Manのメンバーから何かアドバイスをもらうことはありましたか。

個人の仕事に関しては、それぞれがそれぞれを純粋に応援しているという感じで、よっぽどのことがないと相談するということはなくて。根本には「グループに貢献したい」という想いはあるんですけど、わりとそれぞれの挑戦という感覚が強いんです。

――個々に頑張っていることが刺激になる?

そうですね。個人での仕事が入っている時って、他のメンバーもそれぞれに個人でお仕事をしてることが多いので。

そう言えば、今回の撮影中に同じ建物の中で、目黒(蓮)くんが別のお仕事をしていて。そこに覗きに行きました(笑)。偶然、同じ時間に、同じ場所にいたんです。その後にグループでの仕事が入っていたので、「この後、一緒だね~」なんて話して。それは印象に残っています。

――「何かを手に入れるために何かを諦める必要なんてない」という、ダンスを諦めようとした骨子に荒邦が言うセリフがありますが、ラウールさんが思う夢を叶える秘訣は?

僕も「何かを手に入れるために何かを諦める必要なんてない」と思います。もちろん一筋縄ではいかないことだとは思いますけど。ただ、最終的に成功する人って、挫折の期間があったとしても、そこで諦めなかった人なのかなって思うんですよね。

キツイと感じることをやったほうが、成功につながるのかなって。キツイときほど、「これは何かのきっかけかもしれない」って、ポジティブ過ぎるくらいにポジティブな捉え方ができたらいいのかなって。それは自分自身、常に意識しています。

僕もまだ成功を収めているとは言えないし、これからもまだまだキツイ試練や、挫折をすることもあると思うけど、その都度、それをいい運命に変えていけるような存在でいたいと思います。

――本作を通して、観客の方々にどんな想いが届いたらいいなと思いますか。

バラバラだったクラスのみんなの気持ちが、一つになって重なるような瞬間があるんですけど、そうなることの奇跡というか、尊さのようなものが伝わったらいいなと思います。チームメイトと一つのことを成し遂げることが、どれだけ素晴らしいのか伝わったらと。そこは、僕らのやっているグループ活動とも重なりますね。

――20代に足を踏み入れて、変化を感じることはありますか。

自分の判断によって、自分の人生が決まっていく感覚が、最近は特にあります。そこに対する責任感が芽生えました。今、わりと自分のことは自分で決めていくという仕事のスタイルなので、一つひとつ責任感を持ってやっていかなきゃと強く感じています。

もちろんファンの皆さんや、スタッフさんや、周りの人たちが助けてくれる瞬間はあるけど、根本的に自分を支えることができるのは、自分だって思うんです。地に足をつけて、進み続けられたらいいなと思っています。

――本作のキャラクターはそれぞれに武器となる特技を持っていますが、ラウールさんが思うご自身の武器は?

僕は自分の武器だなと思うところについては、わりと理解していると思うんです。ただその武器をどういうふうに表現していくか。そこを極めることも一つの武器なのかなって思うんです。

自分が長所だと思っているところを全面に出すことって、結構、恥ずかしさもあるじゃないですか。それにもし出してみてすべったりしたら、自分が全否定されたような気持ちになるだろうし、恐怖心もあります。でも、そこは無理やりにでも自分を沸き立たせて、自分を表現することを忘れないようにしていきたいなって思います。


金髪、白スーツ、アクションなど、ラウールさんのカッコいいところから、骨子への恋心から照れてしまったり、から回ってしまう可愛らしいラウールさんまで、いろんなラウールさんが楽しめる一作です。

一方で、仲間同士の絆や、夢に向かう想いなども描かれ、青春映画としてどの世代にも響く物語ともなっています。ぜひ、劇場の大スクリーンで楽しんでいただきたいです!

作品紹介

映画『赤羽骨子のボディガード』
2024年8月2日(金)より全国公開

(Medery./瀧本 幸恵)

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