ビッグトラウトを求め北海道へ 「まるで海外!?」な阿寒フライフィッシング旅
どーもっ! Connie(コニー)こと小西栄里子です! 今回私が訪れたのは、北海道の道東に位置する阿寒湖&阿寒川。「阿寒湖」と聞けば、特別天然記念物にも指定されているマリモを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。そんな阿寒エリアですが、実はニジマスやアメマス(イワナ)などのビッグトラウトをねらえるフィールドとしても有名で、北海道内のみならず、各地から遠征する釣り人も多い人気のエリアなのです。
釧路空港ではヒグマの親子がお出迎え
かくいう私も遠征を始めて今年で3年目。昨年までは阿寒川のキャッチ&リリース区間でのフライフィッシングを楽しんでいましたが、今回は満を持して、阿寒湖に初挑戦。まるで海外のような風景に囲まれ、ビッグトラウトに挑んだ模様をお届けします!
まずは阿寒川にて、ビッグレインボーに挑む
初日は移動日とし、翌朝9時ごろから阿寒川へ。阿寒川では、キャッチ&リリース区間が設けられており、そのなかには大きなレインボートラウト(ニジマス)が数多く放流されています。放流魚とはいえ、自然河川の流れの中で掛ける魚の引きはバツグン。しかも、アベレージサイズは40~50cmという良型がほとんど。なかには60cmオーバーのビッグトラウトも潜んでいるのだとか。また、バーブレスフックを使用するので、バラさないかとハラハラするファイトがとてもエキサイティングな釣りです。
ルースニングはアピールカラーが効く!
今回は秋の釣行ということで、フライフィッシングのなかでもルースニングと呼ばれるマーカー(ウキ)を付けたシステムをメインに使用しました。前回までの釣行では、すぐ足下にも魚の姿が見えるくらい魚影が濃かったのですが、今回は全く見つけられなかったので魚が沈んでいるだろうと想定し、フライがボトム(底)付近を流れるようにラインの長さを調節しました。
最初は、ナチュラルカラーのオリーブ系フライを付けて流しましたが反応ナシ。同行者の方が派手なカラーでアタっていたので、私もチャート系のカラーに替えてみると、1投目でヒット。が、しかし、レインボートラウト特有の大ジャンプをお見舞いされ、あえなくフックアウトしてしまいました…。
とはいえ明らかに魚の反応がよくなったので、再び同じポイントにフライを流してみると、またマーカーにツンッとアタリが。次こそバラさないようにと慎重にやり取りしつつ、無事にネットイン。開始30分で40UPの綺麗なレインボートラウトをキャッチすることができました!
開始早々40cmオーバーのレインボートラウトをキャッチ
そのあともポイントを打ち替えながら探っていると、ふいにピックアップ寸前のところでマーカーが不自然に止まりました。「根掛かりかも?」と思いつつ、半信半疑ながらアワせると、先ほどよりズシッとした感覚とともに強烈な引き。魚が走りそうだったので、リールファイトに切り替え、流心に乗せないように、また水中に沈んでいる枝に巻かれないようにと、右往左往しながら魚を追従し、なんとか手繰り寄せると50cmの立派なビッグレインボーがお目見え。心地よい腕の疲労感と嬉しさが込み上げました。
サイズアップ! 50cmのビッグレインボーがお目見え!
一呼吸おいて川の流れを眺めていると、対岸の木の下で時折ライズしている魚を発見。これはチャンスかもと思い、素早くドライフライにシステムチェンジし、流されないように注意しながらできるだけポイントに近づきました。そして、そ~っとドライフライを浮かべると…数投目でフワ~ッと魚が浮いてきてドライフライを躊躇なくパクリ! その一部始終を目の当たりにし、感激のあまり思わず叫んでしまいそうでしたが(笑)、そこは落ち着いてやり取りし、難なくキャッチすることができました。
時期的にドライフライはもう厳しいだろうと諦めていたので、最高に嬉しい1尾となりました。
チャンスを活かしてビッグドライでもレインボーをキャッチトレッキングにもオススメ
午後は区間の上流部へ移動し、2年前に大型レインボーをバラしてしまったポイントへのリベンジを。
以前、ガイドさんに教わった流し方を思い出しながら、スーッと流れにフライを乗せ水中を漂わせていると、思惑通りにズボッとマーカーが沈みました。掛かった魚は、これまた2年前を思い出す重量感。これは絶対に釣り上げたいという思いで、魚に主導権を握られないよう全身を使ってのファイトを開始。最後まで気を抜かないように丁寧にランディングし、ようやくネットインすることができました。長さは50cm弱でしたが、体高のあるマッチョなレインボー。やっと2年越しのリベンジを果たすことができ感無量でした。
2年越しのリベンジ達成! マッチョなレインボーをキャッチできました
ところで、川の途中に湯気が立ち上っているところがあるな~と思ったら、なんと温泉が湧いていました! 普通に歩く分には大丈夫だと思いますが、結構高温なのでウェーディングシューズなどが溶けないようにご注意を。ほかにも、冷泉が湧いているところや、エゾリスやエゾジカといった野生動物に遭遇する場面も。釣り目的でなくとも、北海道の自然を満喫するにはとってもよいコースですよ。
(ヒグマの出没情報が出ているので熊鈴とトレッキングシューズは必須です)
川の途中に突如現れる温泉や野生のシカ
クマ対策は必須です
いよいよ本番!
阿寒湖にてドラワカ初挑戦
2日目は、いよいよ阿寒湖でのフライフィッシングに初挑戦。今回は自身がフィールドスタッフを務めるriver peak社企画のツアーに参加ということで、同行者の方6名と一緒にチャレンジしてきました。
午前7時半、「フィッシングランド阿寒湖」さんより渡船で大島へ。乗船時間はほんの数分ですが、鏡のように穏やかな湖面に山が映える風景はまさに絶景。島の周りにはすでに湖に立ちこんでキャストを始める釣り人の姿も。まるで海外さながらのような風景に一気に心を奪われました。
フィッシングランド阿寒湖
住所:〒085-0467 北海道釧路市8阿寒町阿寒湖畔
TEL:0154-37-2221
HP:https://www.koudai-akan.com/
チャミング・ワカサギって?
チャミング・ワカサギとは、かんたんに説明をすると冷凍のワカサギをマキエ(=チャミング)として使用し、魚を寄せる、あるいは魚の群れを足止めするといったイメージで魚を集め、ワカサギを模したフライ(=ドライワカサギ)でねらうというもの。
左:ドライワカサギ、右:チャミングしたワカサギ
もともとドライワカサギ(通称ドラワカ)は、北海道だけでなく、芦ノ湖や中禅寺湖といったフィールドでも使われるポピュラーな釣りです。ですが、広い湖で魚にフライを見つけてもらうのは至難の業。それこそ、一日キャスティングを続けて一度もアタリがなかったなんてこともザラです。
(その確率の悪さも楽しもうというのがフライマンな気もしますが…)
阿寒湖ではワカサギ漁が行われるので、網からこぼれたワカサギをねらってトラウトが接岸しやすくなる時期があります。そこで、より効率的に魚を釣るためにチャミングを使ったドラワカ釣りが広まったそうです。
ドライワカサギというフライを使いますいざ、実釣
阿寒湖の水深は遠浅になっているので、ある程度立ちこんで釣りができる環境です。フライフィッシングでは、バックキャストの距離が必要になるのでありがたいですね。
この日は凪で、船の往来がなければほとんど波も立たず、腰のあたりまでウェーディングしながらのキャスティング。スイッチロッドで可能な限り遠投します。
朝イチ、少し沖の方でライズが始まりました。すでにワカサギをねらって食べているのか、下から突き上げるように派手な音を立てながらジャンプしているものも。明らかに「デカイ!」と分かる個体のライズは圧巻の一言。
横一直線に並び、風上側からチャミングを開始すると、徐々に群れが近づいてきました。群れが通りそうなルートにドラワカをキャスティングしますが、やはり魚も賢く、浮かべたフライをすり抜け、本物のワカサギだけを見極めて上手く食べているようです。しかも、群れが過ぎ去るのはあっという間…。始まる前は「フライフィッシングでマキエなんて反則技なんじゃ…」と思っていましたが、そんなに甘くはないことを痛感しました。
朝のうちはいくつか群れが近づいてくるタイミングがあり、フライのすぐ横でゴボッとライズが出たり、同行者の方には一度レインボーらしき大型トラウトがヒットした場面も。惜しくもすぐにフックアウトしてしまいましたが、仲間のフライを食ったことに全員大興奮。いつどこに現れるか分からないビッグトラウトに胸が高鳴ります。
しかし、午後からはだんだんと風が出てきてキャスティングしづらい状況に…。長時間のウェーディングで徐々に身体も冷え疲労も溜まり、なかなか飛距離が伸びず心が折れそうになりながらも、ひらすらキャスティングし続けましたが、残念ながらタイムアップ。全体釣果としては、同行者の方のトラウト1バイト、ウグイ2キャッチで終了となりました。
残念ながら私は釣果を得ることができませんでしたが、大型トラウトがたくさんいることは確認できましたし、なにより、迫力のあるライズやボイルを目の前で見られたのはよい経験になりました。
前日にはアメマスが上がったそうです
遠征先で見~つけた!
さて、釣り遠征とはいえ、釣りだけでなくホテルやお土産もチェックしたいところ。今回は宿泊したホテルのオススメポイントと、ちょっとローカル(?)なお土産も紹介します!
ニュー阿寒ホテル
毎回お世話になっている「ニュー阿寒ホテル」。阿寒湖のほとりに建つこちらのお宿は、客室やレストランから阿寒湖が望めます。朝・夕はバイキングで北海道ならではのグルメ、ジンギスカンや海鮮類などのメニューも豊富。フロントでは遊漁券を購入できるほか、釣り人に優しいウェーダー乾燥室もアリ。温泉で疲れた身体を癒したあとは、ぜひ屋上にある「天空ガーデンスパ」へ。湯船に浸かりながら夜空の星を眺められる最高のリフレッシュ空間ですよ。
ニュー阿寒ホテル
住所:〒085-0467 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉2-8-8
TEL:0154-67-2121
HP:https://www.newakanhotel.co.jp/
まりもようかん
ホテルのお土産屋さんで見つけた「まりもようかん」。一見、マリモが入っているのかと躊躇してしまいそうな見た目ですが、実は羊羹なんです。定番の(マリモ色)緑色は白あん、ほかにコーヒー味や季節限定のお芋味もあり、小さくて食べやすいのでお子さまにもオススメ。阿寒湖のお土産としてはインパクト大! 一風変わったお土産にいかがでしょうか。
北海道には有名な釣りスポットがいくつもありますが、阿寒湖もまた魅力的なフィールドの一つ。海外のように美しく雄大な自然のなかで、ワイルドトラウトと対峙できるのが最大の魅力ではないでしょうか。年々接岸時期が遅くなっているとのことで、今回はシーズン序盤の厳しい釣行になってしまいました。しかし私には、いつか阿寒湖でアメマスを釣るという目標があるので、キャスティング技術を磨いて、また絶対に訪れたいと思います。
※阿寒川は5月~10月、阿寒湖は5月~11月までの間、遊漁期間が設けられています。それ以外の期間は禁漁です
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レポーター
プロフィール:小西 栄里子
京都府京都市在住
不動産会社に勤務する傍らハヤブサフィールドスタッフとしても活動中の週末アングラー。渓流でのフライフィッシングが一番の癒し。釣りだけでなく、キャンプやスノーボード、お笑い観賞にカラオケまで(笑)
とにかく楽しいことが大好きなアウトドアガール。
インスタグラム:
@fishingram_connie (URL: https://www.instagram.com/fishingram_connie/)