「今度両親を連れてきてあげようかな」と思えた古民家レストラン 宝塚大劇場近くの『わんがた』で卓袱懐席ランチを食べてきました 宝塚市
色々な土地の郷土料理や伝統料理を食べるのが好きな筆者。長崎の伝統料理「卓袱(しっぽく)」を会席仕立てにした「卓袱懐席」として提供しているお店が宝塚にあると聞き、取材に行ってきました。
宝塚大劇場から北に500mほどのところにある閑静な住宅街の中で、築60年の古民家を改装して営業する卓袱懐席「わんがた」(宝塚市)は1日昼と夜2組ずつのみの完全予約制の隠れ家レストラン。
民家のあたたかさを上手く残したままリノベーションされた店内はゆったりとして落ち着いた雰囲気の空間。
取材に行った時は窓から見える庭にある銀梅花がちょうど満開でとても綺麗でした。
卓袱料理は「わからん(和・華・蘭)料理」とも呼ばれていて、江戸時代に外国との唯一貿易港として機能していた長崎で日本、中国、オランダの食文化が融合して生まれた料理なのだそう。本来は宴会料理なので大きな円卓を囲んで食べるものらしい。
まずは前菜が運ばれてきました。
「鯛の焼き物や白子のポン酢和え」、「牡蠣のオーロラソース焼き」など6品がのったプレートは彩りもとても綺麗です。一品一品が手間暇をかけてすごく丁寧に調理されていることが伝わってくる優しい味わい。やわらかな日差しの差し込む席で庭を眺めながら食べると身体の力がいい感じにぬけてすごくリラックスした気分になります。
前菜を食べ終えると次はメイン料理。想像以上のボリュームに驚かされました。
カンパチやマグロ、鯛など10種類もの魚介の「刺身」に、ネギや白菜、スナップえんどうなど10種類もある「天ぷら」。これだけでも豪勢なのに、さらに「蟹」や「ホタテのタルタルソース焼き」などなんと6品も!
見た目でも楽しめる「夏野菜のゼリーよせ」もさっぱりとしていて美味しかったです。
風味豊かな大きなホンビノス貝の入った鍋は鰹と昆布をベースとした出汁が美味しすぎて全部飲み干してしまうほどでした。
種類が多いだけでなく、和のテイストものや洋のテイストのものなどバラエティに富んだ色んな料理があるので最後の一品までわくわくとした気持ちで楽しみながら食事をすることができました。
最後はデザートの「パンナコッタ」。ゆっくりと時間をかけて美味しい食事を満喫しました。
料理人歴40年以上になる店主さん。以前は大きな規模のお店をしていたそうですが「郷土料理をいつかはやりたい。美しいものを色々とたくさん食べてほしい」との思いから同店を始めたのだそう。色々とお話を聞いた中で「以前は"料理"をしている感じはしなかったけど今はしている」という一言がすごく印象に残りました。
普段、特に親孝行をしているわけでもない筆者ですが「今度、両親を連れてきてあげようかな」という気持ちになった、店主さんの思いがあふれるあったかくて素敵なお店でした。
店舗
卓袱懐石「わんがた」
(宝塚市川面3-5-17)
営業時間
12:00〜22:00(ランチは12:00〜15:00)
※完全予約制
定休日
火曜日
TEL
0797-85-3041